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iPhone 14、Pixel 7、PS VR2、Meta Quest Pro。予測と現実はどう違ったのか(西田宗千佳)

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西田宗千佳

西田宗千佳

フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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iPhone 14、Pixel 7、PS VR2、Meta Quest Pro。予測と現実はどう違ったのか(西田宗千佳)
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2022年内に出るはずのデジタルガジェットの発表も、おおむね落ち着いたように思う。

8月末に『外れるかもしれない「2022年秋の新製品予測」』として、メルマガ(小寺・西田のマンデーランチビュッフェ)コラムで予測記事を書いているが、そろそろその正誤チェックをしてみよう。


※この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年11月14日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。コンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もあります。



iPhoneは「思わぬところが変わっていた」

最初にiPhoneから。

予測は「上と下で製品の内容に差が大きくなる」「Proは例年より、円安を勘案しても高くなる」ということだった。

まず前半はアタリだ。

iPhone 14とProの性能差は意外と大きく、どちらを買うか、判断がしやすかったと思う。後半はハズレ、と言っていいかもしれない。アップルはドルベースでは基本価格を据え置いた。ただ、円ベースだと円安が直撃したタイミングだったので高めになっている。それでも、「ドル以外の通貨がみんな弱かった」タイミングではあり、他国に比べると実は高くなっているわけではない……という話もあったようだ。

▲左からiPhone 14 Pro Max、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Plus

それよりも意外だったのは、iPhone 14とProでは「設計がかなり違った」ことだ。14は本体とガラスパネルの接合方法が変わっていて、ガラス割れの修理がしやすくなっている。バッテリーの交換も(トレーニングした人がやる場合、という大前提があるが)多少簡便化されている。一方、iPhone 14 Proシリーズは従来とあまり設計が変わっていない。

iPhone 14全体の生産は、これまで通りアップルから鴻海が受託しているが、生産拠点は中国だけでなくインドにも広がった。どうも、Proはほとんどが中国生産であり、14はインド生産分もあるようである。生産拠点移管を前提としたモデルは設計を変更し、その結果として性能の極端な向上(すなわち冒険)はしなかったのでは……という読みもできる。

なお、中国はゼロコロナ政策を継続中。中国鄭州の工場ではコロナの影響で生産能力をかなり落としているという。この工場ではiPhone 14 Pro/Pro Maxを生産しており、影響を受けて出荷台数が減る、とアップルがリリースを出している。これはかなり異例なことだ。

販売としては14よりもPro系の方が(差別化されているせいもあってか)好調と言われており、アップルとしてはかなり痛いところかと思う。

関連記事:アップルがiPhone戦略で仕掛ける「安心・安全」テクノロジーの真意(西田宗千佳)


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よくできていたPixel 7。問題は「6a」との身内競合

GoogleのPixel 7シリーズは、ハードとしては完全に予想通りのものが出てきた。パフォーマンスもトップクラスではないが、機械学習コアであるTensor G2を活用し、音声・カメラ系を強化してきた。

▲Pixel 7 Pro

▲Tensor G2

予想として「ソフトとの組み合わせのソリューションなので、発表されるまで読みづらい」としていたが、これも正解。過去に撮影した写真のピンぼけを補正する「ボケ補整」が搭載されると予測していた人は、まずいないのではないか。

機能としてはかなり充実しており、筆者としては推しのスマホの1つである。

ただし、中古買取による割引キャンペーンについては、ちょっと混乱が大きすぎた。それだけ日本でのシェアを拡大したい、という意気込みの表れだったのだろうが。

それでも、今年前半に出た「Pixel 6a」のコストパフォーマンスが良すぎて、カメラにそこまでこだわりのない人ならそれでいい……というのが、ちょっと難しいところだ。iPhoneにおける「SEとメインモデル」問題以上に差が小さい。

ただGoogleの場合、出荷量や入手しやすさなどの点もあり、意外と上位機種を下位機種が食う問題は起きづらいのかもしれないし、そもそもGoogleは「それでもいい」と思っているのかもしれない。

関連記事:Google Pixel 7 Pro発売、12万4300円から。Tensor G2搭載の「最も先進的なスマートフォン」

Amazonのハードとサブスクの関係はどうなるのか

Amazonのハードは、いい意味で驚きがない。あの会社はそういう会社だ。その場で必要とされるものを低価格に提供することが軸になっている。

▲手書きできる読書端末Kindle Scribeはそろそろユーザーの手に渡るころ

ただ時々、「なぜそこを攻める」というハードを出すのもAmazonの特徴だ。去年は家庭向けロボット「Astro」を提供したが、今年はそこまで驚くようなものはなかった。

この辺は、Amazonのハードウェア事業もそろそろ「利益率対策」が必要になってきたから……という穿った見方もできる。

米Amazonのハードウェア事業責任者であるデイブ・リンプ氏は、「ハードウェアで利益を確保しない路線は今後も続ける」と、筆者との単独取材の中で述べている。だから大きく方向性は変えないのだろうが、アメリカのリセッションが懸念される中、Amazonも収益構造の締め付けに入っている。そうすると、「ハードは赤字だが、付加機能の利用には、2年目以降は追加のサブスクを」というようなパターンが増えていく可能性は高い、と予測している。

現在同社で伸びているハードは「ホームセキュリティ」「ヘルスケア」であり、サブスク的なビジネスモデルとの相性は良さそうだ。

この辺は、アップルやGoogleなどにも言えることで、「ハード+サブスク」の流れは今後強化の方向にいくだろう。

ただし、リセッションで消費者の財布の紐が固くなると、サブスクには強い逆風が吹く可能性がある。いくつかのサービスをセットで割り引くパターンが主流になるのでは……というのが筆者の予想だ。すなわち、Amazon Primeに入るとホームセキュリティが割引になったり、Apple Oneにホームセキュリティ系が追加されたり……というイメージだ。

関連記事:Kindleで手書きメモができる、ペン付属「Kindle Scribe」予約開始。iPadクラスのサイズと重さで47,980円から


PS5の供給は安定へ、それでも不透明なPS VR2のニーズ

PlayStation VR2は、見事に「発売時期」を外したパターンになった。ゲーム関連の発売はホリデーシーズンが通常鉄則なのだが、生産量などを勘案すると、余力はPS VR2よりもPS5そのものに注いだ方がいい。となると、発売時期はPS5の一大需要が落ち着く年初を少しすぎてから、すなわち2月……ということになるのだろう。

▲PlayStation VR2

PS5についてはだいぶ出荷量も増えてきたようで、店舗での在庫を見かけるようになってきた。といっても、購入にはその量販店グループのクレジットカードを作ることを求められるなど、いろいろ条件があるが。年末に向けた出荷量はさらに増えると見られており、入手は楽になっていくだろう。

もちろん問題は、発売時より円安の影響で高価になったPS5をどれだけの人が買うのか、という点だ。

「独自のソフトがない」という意見もあるが、まあそれはその通りだと思う。ただ、すべての人がゲーミングPCを持っているわけでもないし、PCで出ていてもさほど問題はなかろう。むしろ、「ゲーム機にお金を払う人」の層が薄くなっている日本で、いかに価値を訴求するかの方がずっと難しい。これは、PS5をXbox Series Xに置き換えても状況は変わらない。

その上で、周辺機器としてPS VR2を売るのはなかなか大変なことだと思う。しかも価格は高い。ソニーはちょっと強気な生産台数を予定しているようだ。品不足よりはいいのかもしれないが、果たして、ニーズをアピールできるのだろうか。

PS VR2自体はとても良いハードウェアだが、それこそ、問題は「ソフト」の側になる。スタンドアロンVR機器よりも良い体験、面白いゲームがあるという訴求の方法がまだ見えてこない。

関連記事:PlayStation VR2先行試遊。画質・インタラクションともに上質な「最新仕様」(西田宗千佳)


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メタバースは逆風でなく「無風」、Metaはどうなるのか

メタバース関連は正直、今は逆風というか「無風」に近いと思う。いわゆる消費者のモーメンタムを作る動きが欠けているのだ。

ブームは往々にして空虚なものだが、それでも「興味」という強いモーメンタムを生み出す。その風が止んでいるのが課題だ。逆風ですらない(そのタイミングで本を出す私も私だな……とは思うが)。

Meta Quest 2やPICO 4、PS VR2のような「VR / メタバースをゲームに使う機器」への関心をどう高めるかが、これらの製品の価値拡大には必須だ。おそらくは「メタバース」という将来への切符ではなく、「あのゲームができる」といった明確な要素が必要なのだ。

そういう意味でいえば、「仕事向けハイエンドデバイス」として出てきたMeta Quest Proには、そういう「明確な要素」が欠けている。だが、きっとそれでいいのだろう。MetaはこれをQuest 2の後継としているわけではないし、山ほど売るつもりで作っているわけでもないと感じる。

▲Meta Quest Pro

22万6800円という日本での価格だと「わけのわからないものにお金を出している」感覚になるが、1500ドルというアメリカの価格だと、「ちょっと可能性のある新しいPC的なガジェット」になる。PCは特定のなにかをする機器でもあるが、同時に「いろいろできる箱」でもある。VR/AR要素を持つPCのような機器として考えればいい。ソフト面はまだ進化途上だが、積極的な変化があるのはQuest 2でも体験したことだ。

問題は、ここでも「リセッションが迫っている」ことだろうか。Metaの場合にはそもそも広告事業の不調があり、株価は大幅に下がっている。その対策として、社員全体の11%にあたる社員1万1000人をレイオフすることになったのだが、その影響はどう出るのだろうか。

関連記事:Metaが1.1万人の解雇を発表。全体の約13%に相当、今後は「メタバースなど少数の成長分野」に集中

レイオフの中心はメタバース事業ではないので、そこまで大きな変化はないと思う。だが、そのこと自体が株主のさらなる反発を呼ぶ可能性はある。マーク・ザッカーバーグが会社を追い出されない限りはいきなり方針が変わることはないと思うのだが、予断は許されない。

関連記事:「Meta Quest Pro」実機を初体験。Adobe MAX 2022会場で見えた次世代ARの姿(西田宗千佳)


《西田宗千佳》
西田宗千佳

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