みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。最近、SNSを見ていると謎のスマートフォンの広告がよく流れてきます。スクエアなデザインで何やら楽しそうなこの製品、オーディオプレイヤーなどを展開するIKKO Audioが開発中の「Mind One」です。

現在、Kickstarter.comでの予約を受け付け中。締切は2025年8月21日と間もなくです。製品概要を見るとQWERTYキーボードカバーもあるという変態っぷりなので、あわてて予約しました。なお、予約はKickstarterだけなので注意してください。ほかのクラファン風サイトでの販売は公式ではありません。
https://www.kickstarter.com/projects/ikko/ikko-mind-one-ai-smartphone
Mind Oneは「AIスマートフォン」とも銘打った製品であり、手のひらサイズのコンパクトなボディーで気軽にAIも利用できる点が特徴です。形状としてはフリップ式の縦折り型スマートフォンを閉じたスタイルをイメージするとわかりやすいでしょう。しかし、本体が開かないことからサイズは薄く、大きさは86×72×8.9mm、重量は132gで、実際フリップフォンを半分にしたくらいです。

5G対応と思いましたが、チップセットはメディアテックのHelio G99で通信方式は4G(LTE)。手軽に使えるポケット端末として考えれば十分かもしれません。単体で通信できるようにあらかじめvSIMが内蔵されており、アプリからプランを購入すれば即座にデータ通信ができます。また、nano SIMに加えてeSIMの利用も可能とのこと。

そのほかのスペックはディスプレイが4.02インチ 1080p、リフレッシュレート 60Hz、メモリ 8GB、ストレージ 256GB、バッテリー容量 2200mAhなど。カメラは5000万画素でソニー製1/1.56インチセンサー、f/1.88搭載、OIS対応、バッテリーがやや不安ですが4Gモデルということもあり1日はもつとのこと。

カメラは普段は裏側に配置されており、引き出して180度回転させることでフロントカメラになります。この機構は、はるか昔にDoovの変態スマートフォン「V1」で採用されてましたが、スマートフォンとしてはかなり久しぶりに見ます。正方形な本体からしてMind Oneは変態性たっぷりな製品ですね。

OSはAndroid 15とIKKO AI OSを搭載。AndroidはGMSに対応しており、普通のスマートフォンとして使えます。一方、IKKO AI OSはよりライトなOSで、AI機能を多数搭載。リアルタイム通訳、音声からの→テキストノート自動作成、カメラによるAI写真認識、撮影画像のAI補正や分類、ポッドキャストのAI自動生成などなど、生活アシスタントとして使えます。

これらのうち、AIサービスのクラウド利用時のデータ通信量は無料。おそらくvSIMが現地の通信回線に低速で常時接続されるのでしょう。

そして楽しみなのが、周辺機器として外付けのケース型QWERTYキーボードを装着できる点。別売ですが、装着すればBlackBerryスタイルで使えます。500mAhのバッテリーと3.5mmヘッドフォン端子もあり使い勝手も良さそうなので、このキーボードも予約しました。本体カラーは黒か白、キーボードは5色が提供されます。

定価は499ドルで先行予約者は割引があります。キーボードは79ドル。スケジュールでは2025年10月が最短出荷予定、年内には届くようですが、クラファン製品だけに余裕は見ておいたほうがいいでしょう。私の用途はテキスト入力とAIアシスタントマシン。早く使ってみたいです。