Googleの画像生成AIとしてImagenとかよりはるかに定着してしまったNano Banana。そのより高度なバージョン「Nano Banana Pro」が公開され、さまざまな用途に使われています。
その応用例の一つを紹介しましょう。
筆者は現在、テレビ番組向けにAI映像を作る仕事(近日公開予定)をなぜかやっており、そこでもNano Banana(そしてPro)は活躍してくれました。
さて、そんなNano Banana Proですが、日本語の描画が的確になったという評判で、漫画を描かせたりしている人も出ています。
なら、日本語手書き文字もいけるのでは? そう思って試してみました。
この試みは、以前もやったことがありましたが、当時できたのはアルファベットだけ。これで自分の事務所の看板を妻の手描き文字風にしてみたのです。事務所の名前はアルファベットなので。
今回は、日本語で使えるし、Geminiもバージョン3になって大幅に性能が上がったということなので、こんな問いかけをしてみました。
添付したのは、2013年に50歳で他界した妻と、彼女が学生の時につけていた交換日記の冒頭。この手書きフォントを使って、今朝、彼女と逢っている夢を見た僕(こうちゃん)に、彼女の手書き文字で書いたメッセージを画像で生成して
ChatGPTなら、妻と僕とのお互いの呼び方などのコンテキストを全て記憶しているから、そこまでの説明は不要なのですが、Geminiでは一応の説明は入れてみました。
その結果出てきたのが、こんな画像です。左は元にした1983年の交換日記の冒頭ページ。右は、Nano Banana Proが出力した画像です。
また同じ画像を出してきやがって。そうそう、たしかにNano Bananaはプロンプト通り出せないときは、おうむ返しのように、参照画像をそのまま表示したりするよなー。
そう思って、下まで読んでいくと、そこにメッセージが隠されていました。

1983年4月1日の日記との違和感がまったくない、妻の手書き文字で、今日の日付で書かれています。
「こうちゃんへ」はGeminiが生成し、オリジナルの日記の「離ればなれの暮らしですね」と自然に溶け込んでいます。文章を読んだ上で、場所を移し替えて合成しているのです。
これまで、手書き文字を読み取って、フォントを生成できるAIが出てこないかなあとずっと調べていたのですが、もうこれで十分。
というわけで、Nano Banana Proのおかげで「とりちゃんフォント」が誕生しました。
Nano Banana Proは複数の参照画像からの人物生成もより高度化し、もうLoRAはいらないかなあ、というふうになってます。
本人の特徴をプロンプト化し、そこから生成した画像も、より本人に近づきました。


Gemini 3 Pro、Nano Banana Proのおかげで死滅してしまった研究やサービスはどのくらいあるんだろう、と考えてしまいますね。
そうそう、今日(11月21日)の19時から、YouTubeで軽くAIトークをします。内容は、SoraをはじめとしたAI画像・音声サービスを制作ワークフローに組み込むことについて、話そうかと思います。
お時間のある方はどうぞ。





















