Appleユーザーのための75%メカニカルゲーミングキーボードK65 Plus Wirelessと、対になる軽量マウスM75 Wireless をご紹介します。
ゲーミングデバイスの老舗Corsairが発売したK65 Plus Wireless は、MacなどApple エコシステムの製品と組み合わせて映える真っ白なFrost Whiteにシルバーのワンポイントが目を惹く、コンパクトな静音メカニカルゲーミングキーボード。
コマンド⌘キーやMission Controlなどショートカットも当然Mac準拠の配列と印字で、キースイッチは滑らかなリニアタイプで応答性が高い、CORSAIR独自のMLX Red v2(潤滑剤塗布済)を採用。打鍵ノイズを減らす二層の消音レイヤーを組み込んでいます。

K65 Plus Wireless はAppleの公式ストアでも扱っており、Mac対応はお墨付き。
ゲーマーはもちろん、生産性のためにコンパクトで本格的なキーボードが欲しいとき、Mac / iPad と合うスタイリングで Windows や PlayStation 5とも共用できるマルチ接続キーボードを探しているなら、勝率も生産性も向上が狙える一台です。
高速DRAMからハイエンドPCコンポーネント、ゲーミングまで
K65 Plus Wirelessのメーカー Corsair (コルセア)は、1994年に米国カリフォルニアで創業したPC・ゲーミング周辺機器ブランド。
PCゲーマーや自作PC勢には馴染み深い高速DRAMから、水冷クーラーなどハイエンドPC向けコンポーネント、さらにはゲーミングキーボードやマウス、ヘッドセットなどゲーミングギアを扱ってきたメーカーです。
近年では配信機材やキャプチャデバイスで知られるElgato、ハイエンドPCビルダーのOrigin PC、高性能ゲームコントローラのSCUFも傘下に収め、ゲーマー御用達の総合企業となっています。
軽さと応答性、打鍵感を両立するMLX Red v2スイッチ採用

「メカニカルキーボード」といえば、かつては強いクリック感とタイプライターのような打鍵音こそ高級品、信頼性の証という時代がありました。
しかしキースイッチを筆頭にコンポーネントの技術革新や多様化が進み、キーボードが使われる環境も変わり、レイアウトにも65%、75%、TKLなどバリエーションが普及する時代に。
勝つための応答性と信頼性を求める競技志向のゲーマーはもちろん、好みの打ち心地や音を突き詰めるタイピング愛好家にとっても、カスタマイズや選択肢の多さ、生産性に直結する快適さで選ばれるメインストリームとなっています。
K65 Plus Wireless が採用するCorsair MLX Red v2 は、接点のカチッという抵抗がなくスッと滑らかに入るリニアタイプ、いわゆる赤軸に分類されるキースイッチ。仕様はストロークの深さが4mm、打鍵が認識されるアクチュエーションポイントが2mm、押下圧は45g。
軽めで滑らかなスイッチと応答性、反応しすぎない感度、メカニカルならではの打鍵感を併せ持った、ゲーミングにもプロダクティビティにも向くバランスの良い仕様です。
工場潤滑済みスイッチ+本体は二層の静音仕様
特筆すべきは、工場出荷時にキースイッチが潤滑済み(pre-lubed)であること。
キースイッチに潤滑剤を塗る、いわゆるLubeはキーボード沼の住民にはおなじみのカスタマイズ手法で、引っ掛かりやブレの感覚を抑えてより滑らかに、樹脂同士が接触する耳障りな音を減らす効果があります。

しかし自分でするには、ツールでキートップだけでなくスイッチごとキーボードから引き抜き、可動部が露出するように分解して、キーボード用の潤滑剤を筆で塗る工程をひとつひとつ繰り返す、とてつもない手間がかかります。
評価は実際の打鍵感と音の好みが全てではありますが、すでに工場で均一な品質の潤滑が施してあるメカニカルキースイッチは、カスタマイズしたことがあるキーボードマニアにはそれだけで試したくなる存在です。
静音性は、キーボード本体に二層の消音レイヤーを設けたタイプ。キースイッチはもともとカチッという音がしないリニア型で、さらに潤滑してありますが、特に底まで打鍵した際に発生する音のうちノイズ成分を抑える効果があります。

静音といっても打鍵音が全くしないのではなく、打ち方によっては、底まで強く打ったとき、指を離した際に戻ったキートップの鳴りは残りつつ、耳障りになるノイズを主に減少させ、メカニカルならではの軽快な音響を楽しめる調整となっています。
さらにキースイッチのホットスワップ(交換)にも対応。今後また別のキースイッチを試したくなったら、あるいは特定キーだけさらにカスタマイズしたい場合も、キーボードやカスタマイズはそのまま、付属のキープラーツールでキースイッチだけ交換できます。
キーごとのRGBライティング対応、独自の回転式ダイヤルもカスタマイズ
キーボード全体の仕様は、方向キーやFキー列を残しつつコンパクトな75%レイアウト、ゲーミングらしいRGBライティングはキーごとに設定可能、右上にはカスタマイズ可能なダイヤル。
省スペースを追求したキーボードにはもっとキーを省いたものもありますが、K65 Plus WirelessはFキー列があり、消音や輝度調整など、 手に馴染んだMacのショートカットがそのまま使えるのが便利です。
もちろんCommandやOptionなどの印字もMacそのまま。打鍵感にこだわった本格的なゲーミングキーボードでありながら、MacBookから違和感なく移行できます。

ゲーミングキーボードのお約束RGBライティングも完備。デフォルトでは本体にあわせた白になっており、華やかながら落ち着いた雰囲気の単色バックライトに見えますが、実はキーごとにフルカラーで設定可能。
Corsairの周辺機器をコントロールする統合ソフトウェア iCUE で管理でき、その気になれば虹色にも、打鍵に反応して波紋が広がるアニメーションにも設定できます。
仕事と遊びで気分に応じて変えたり、実用的にゲームやアプリで必要なキーの視認性を高めるため色分けする使い方も。

iCUEによるカスタマイズはライティングのほか、キーひとつで複数の組み合わせや手順を自動化できるマクロ設定など、好みやゲーム、アプリに応じた非常に細かい設定を用意しています。
Corsair製ゲーミングデバイスやスマート照明を揃えるほど、統一したライティングを同期させ雰囲気を演出できるのも魅力です。

右上の回転式ダイヤルは、デフォルトでは音量調整、押し込んで消音。
iCUEソフトウェアまたはキーボードショートカットで切り替えれば、長いコンテンツのスクロールや、画面のズーム、ライティングの輝度調整などに割り当てられます。
低遅延無線・Bluetooth・有線マルチ接続、Windows PCにも対応
接続は小さなUSBレシーバーを使ったゲーミング仕様の2.4GHz低遅延ワイヤレスと、スマホやタブレットなどマルチデバイス接続に便利で汎用性の高いBluetooth (BLE)、そしてUSB-C端子の有線にマルチ対応。
有線接続用には、統一感を損なわない白い被覆のUSB-Cケーブルが付属します。バッテリーは内蔵式で、2.4GHzワイヤレス使用時に最大266時間(RGBライティングOFF)。
Appleユーザーに最適化したMac準拠が最大の特徴となる製品ですが、Windows PCが混在する環境でも、あるいはスマートフォンやタブレット、PlayStation や Xboxなどゲームコンソールでも汎用キーボードとして使えます。
実際に使用すると地味に便利なのが、このマルチ接続・マルチプラットフォーム切替時の混乱やストレスを最小限にするよう行き届いた設計になっていること。

たとえば背面のスライドスイッチは、中央が電源オフ、左が2.4GHz接続、右がBluetooth。反対側にはシンプルなWin / Macのスライドスイッチもあります。
製品によっては、接続やOSごとの切り替えまでキーボードショートカットで、メーカーごとに違う組み合わせやアイコンの意味を覚えたり、いまどの状態なのか分かりづらいといった苦労がありますが、K65 Plus Wireless は独立した物理スイッチで確実に切り替えでき、キーボード面左上のステータスインジケータでも確認できます。
USBレシーバーを使った2.4GHz無線は強力なAES暗号化で、ゲーミングで重要な遅延が極めて少ない仕様。事実上、有線と同じ感覚で使えます。
キーボードの背面には、なくしがちなレシーバーを差し込んでおくスロットがあるのも嬉しい配慮。
ゲーミング仕様のワイヤレスですが、小さなレシーバーを引き抜いて接続すれば即座にUSB接続のキーボードとして認識されるため、多数のPCやデバイスを使い分けているといった場合も、いちいちBluetooth接続メニューやペアリングの必要なく、必要なときだけ最高性能でサッと使えるのは便利です。
K65 Plus Wirelessと合う左右対称マウスM75
MacBookの広いトラックパッドやMagic Trackpadとマルチタッチジェスチャーが快適すぎて、Macネイティブ環境ではつい後回しにされがちなマウス。
しかしマルチモニタなど広い画面の素早い移動と正確なポインティングの両立にはやはり便利です。

またシューターなどエイム(照準)を伴うゲームの本格的なプレイには、コントローラではどうしても追いつけない領域もあります。
Corsair M75 Wireless は、K65 Plus Wirelessキーボードとペアで使いやすいゲーミングマウス。真っ白なFrost White に左右対称のすっきりしたスタイルで、最大26000DPIというゲーミングならではの高DPIセンサ Corsair Marksmanを採用します。
高DPI設定はゲーマーしか関係がないと思われがちですが、6KのApple Pro Display HDRや5KのStudio Displayはもちろん、一般的になってきたマルチモニタ環境など、物理的に長い距離の素早い移動と、細かい要素の正確なポインティングに必要な性能は、ゲームで素早い視点移動と正確なヘッドショットを決めるときと全く同じ。

M75はDPIをマウス側で素早く切り替えられ、iCUEソフトウェア側では1DPI刻みで切り替え内容をカスタマイズできるため、作業によって快適な設定にするのも容易です。
サイドボタンは標準的な戻る・進むですが、左右どちらの側面にもあり、左利きでも右利きでも切り替えて使えます。
サイドボタンがマグネット式で交換でき、フラットなボタンと押しやすい傾斜があるボタンを最初から用意するのも嬉しいところ。
ライティングはロゴ部分とデスクを照らす底部分で独立してカスタマイズ可能。高性能を備えつつ、89gと軽量です。
ゲーム環境としてのMacとゲーミングデバイス

画像:『サイバーパンク 2077 アルティメット』 (CD Projekt S.A.)
Macには古くから独自のゲーム文化があり、元はMac用から生まれた名作や人気作もあります。しかしアーキテクチャの違い、PCと比較したゲーマー層の薄さなどから供給は少なく、ゲーム向きではないとされる状況が続いてきました。
しかし近年では、Appleが開発した独自のMシリーズプロセッサが高い処理性能と効率を備えること、スマートフォンを含むゲーム産業全体のマルチプラットフォーム化傾向、UnityやUnreal Engineといった開発環境の普及など、Macとゲーミングをめぐる環境は大きく変わりつつあります。
なにより、Apple自身がゲーム開発者向けに移植ツール Game Porting Kit を提供するようになり、開発者会議WWDCで『サイバーパンク2077』をデモした際には、単なる性能アピールを超えたゲーム戦略の転換だと大きな話題になりました。

『Death Stranding Director’s Cut』(505 Games)
特にメインストリームの人気作、たとえば『バイオハザード ヴィレッジ』や『Death Stranding Director’s Cut』などはMacネイティブ対応がAppleのイベントでも大きく扱われ、受賞多数の大作RPG『バルダーズ・ゲート3』など、発売当初からMac対応の作品も着実に増えている状況です。
PCゲーミングの主流がWindows PCであることは変わりませんが、MacやiPadでも遊べる最新ゲームが増えてくることで、MacBook ProやAir、Mac mini、iPad ProといったAppleデバイスにはゲーム環境としての魅力も加わりました。
そこで問題になるのが、ゲーミングデバイスはいまだにWindows PC前提の製品が大半であること。
Macで実は使える製品もありますが、特に多機能化が進むゲーミングデバイスではアプリが対応しない、フル機能が使えないこともしばしば。
何より、Macネイティブでない製品は修飾キーの配置や印字が違うなど、普段の作業に支障をきたすことも。

こうした状況を踏まえると、Apple製品と並んで映えるスタイリングと、Apple公式ストアでも扱うMacネイティブ対応、そして本格的なゲーミングにも、日常のプロダクティビティ用途にも快適なバランスを備えたCorsair K65 Plus WirelessキーボードとM75 Wirelessマウスは貴重な存在。ゲーマーはもちろんキーボードにこだわるMacユーザーにも、マルチプラットフォームで汎用できるキーボードとしても、真っ先におすすめできる製品です。








