アップルは、MacBook Pro、iPad ProとともにM5チップ搭載の新しいApple Vision Proを発表しました。
外観的に大きく変わったのは、初代のApple Vision Proで不満が多く出ていた主に後頭部のみで荷重を支える設計のソロニットバンドが、頭頂部にも負荷を分散させる設計のデュアルニットバンドに変更されたところです。

デュアルニットバンドは髪型を非常に気にする人には向かないかもしれませんが、Apple Vision Pro本体の荷重をより広い面積に分散することができることから、装着時の快適性が改善していることが期待されます。なお、デュアルニットバンドは初代Apple Vision Proでも使用することができ、オンラインのApple Storeではソロニットバンドと同じ税込価格1万6800円で販売を開始しています。

10コアCPUと10コアGPUを組み合わせたM5チップは、第3世代の3ナノメートル技術を用いて設計され、より高いマルチスレッドパフォーマンスを実現したとのこと。グラフィックス性能もハードウェアレイトレーシングおよびメッシュシェーディングが強化され、『Control』のようなゲームではライティング、陰影、光の反射で驚くようなディテールを表現できます。初代Apple Vision Proは3世代前になるM2チップを搭載していたことを考えると、初代を使用したことのある人は、新しいApple Vision Proのあらゆる動作が速くなっているのを実感できるかもしれません。

また、新しいApple Vision ProはカスタムマイクロOLEDディスプレイにおけるピクセルを初代に比べ10%多く表示レンダリング可能になり、鮮明な映像表示を実現します。このディスプレイは最大120Hzのリフレッシュレートに対応し、12のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクからの入力を専用のR1チップで処理、12ミリ秒以内に新しい画像をディスプレイにストリーミングすることで、リアルタイムで周囲の世界を映し出します。
バッテリーによる動作時間もわずかに伸びており、通常の使用で最大2時間半、動画再生では最大3時間の連続使用が可能とのこと。いずれも初代に比較すると30分ほど伸びています。
Bloombergなどは、アップルはすでにiPhoneと連携して使うディスプレイを搭載しないスマートグラス製品や、Meta Ray-Ban Displayのような透過スクリーン型スマートグラスを開発中だと報じており、前者が2027年、後者は2028年の発売を目指していると言われています。
M5 Vision Proは発表と同時に予約受付けを開始しており、税込価格は59万9800円からとなっています。発売日はM5 MacBook ProやM5 iPad Proと同じく10月22日です。