オークションハウスのクリスティーズが、1976年のApple Computer Company創業時に作成された設立契約書類の原本を競売にかけると発表しました。この書類には、アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックそしてロナルド・ウェインが署名しています。
このうち、ウェインはアップル設立後ほどなくして、ジョブズおよびウォズとともにいると自らに降りかかるであろうリスクの可能性やストレスを避けたいと考え、所有していた株式を売却してアップルから身を引きました。2026年1月23日に開かれるオークションでは、このウェインの撤退契約書も一括して出品されます。なお、共同創業者による当初の持ち株配分は、ウォズとジョブズがそれぞれ45%、ウェインは10%とされていました。
実は、この文書は過去、2011年にも競売にかけられたことがあるため、今回が初めてではありません。このときは150万ドル(160万ドルとの報道もあります)で落札されましたが、今回の落札額はそれを上回る200万~400万ドルになると予想されています。
なお、アップルの歴史にまつわる高額オークションとしては、最近の事例では2023年に未開封の初代iPhoneが出品されたことがありました。このiPhoneは発売当時の定価の約300倍となる19万ドルで落札されました。
ちなみにウェインは、持ち株である10%の株式を当時800ドルで売却し、その後1500ドルを追加で受け取ったとしています。もし、その10%を現在まで所有していれば、現在のアップルの時価総額4兆ドルに基づいて計算すると約4090億ドルになっています(実際には、これまでの間に行われた株式分割や新株発行などにより、この通りにはなりません)。しかし、ウェインは2016年のインタビューで、株式を売却したことに後悔はないと述べていました。これは、創業当時のアップルへの参加がいかに大きな賭けであったかを物語るエピソードと言えるでしょう。






