Mac購入希望者の一部は最近、ユニファイドメモリーの容量を追加するオプションを選択したときに、商品の発送時期が数週間も延びることに気づいたかもしれません。これはおそらく、現在AI界隈で大きな注目を集めてているOpenClaw(旧Clawdbot)のせいかもしれません。
OpenClawは、ユーザーのコンピューター上で動作する生成AIによるパーソナルエージェントで、公式ウェブページでは「AnthrooicのAIチャットボットClaudeの知能とローカル実行機能を組み合わせたもの」と説明されています。
OpenClawはSlack、Discord、WhatsAppといったメッセージアプリを利用してユーザーと対話し、会話内容を蓄積し、さらにメッセージの送信やスクリプト・シェルコマンドなどの実行、スケジュール管理、ウェブサイトからの情報収集や抽出、ファイル操作などができ、使い込むに従ってユーザーに変わり様々なタスクをこなすシステムに育てていくことができるとのことです。

現在、AI企業はデータセンターを埋め尽くすために世界中からAI向けGPUをかき集めており、AI向けでなくゲーム向けの安価なGPUを活用するAI企業も出てきています。
しかし、ローカルで実行するパーソナルAIエージェントの場合、同じようなやり方は理想的ではありません。またAIエージェントとして使うための膨大なメモリー領域をGPUのVRAMでまかなうにしても、複数のGPUを連結して使う場合PCIeを経由することになるため、そこにボトルネックが生じてしまいます。
そこで登場するのがMacのユニファイドメモリーの仕組みです。ユニファイドメモリーはCPUやGPU、Neural Engineといった主要な演算装置が、同じひとつのメモリ領域を共有します。そのため、個別の演算装置が個別のメモリー領域に同じデータを複製して処理するといった冗長な作業を省略できます。
要するに、OpenClawを使い込めば使い込むほど、ユーザーには映画『アイアンマン』で主人公をサポートするAI、J.A.R.V.I.S.のような、ほぼ自律したシステムを構築したいという欲求が芽生えてきます。そして、そのためにはMacが最適だという意識が、ユーザーの間で膨らんでいくことになるわけです。

現在、512GBのメモリを搭載したM3 Ultra Mac Studioは約5~6週間の出荷待ちになっています。Mac miniやMacBook Studioのオプションでメモリーを最大限に追加したものも、2~3週間の出荷待ちになっています。
1月末に、アップルのティム・クックCEOは逼迫するメモリー供給に対し、供給元の確保が急務だと述べ、メモリー価格の高騰に対処するため「さまざまな選択肢を検討」するとしていました。そのため、上に述べたような出荷時期の遅れがメモリー語りないからなのか、より需要のあるiPhoneや低価格帯製品にメモリーを割り当てているからなのかは、わかりません。
いずれにせよ、ただでさえメモリーが足りないときにOpenClawの需要が急激に伸びることは、メモリー価格がまだまだ下がってくることが期待できないことを意味しています。
ちなみに、OpenAIのサム・アルトマンは日本時間の今朝、OpenClawプロジェクトを率いるピーター・スタインバーガー氏をOpenAIに雇い入れたことを明らかにしました。そして、OpenClawのアイデアを「すぐに私たちの製品の中核になると期待している」と述べています。ただし、OpenClawは引き続きオープンソースプロジェクトとして存続し、OpenAIもサポートしていくとしています。









