そのゴツイ見た目や耐久性の高さから“鈍器”とも評されることがある「TORQUE」に、後継機が登場します。その名も、「TORQUE G07」。
先代の「TORQUE G06」から、約2年半ぶりの新機種。大きな売りになっている耐久性に磨きがかかっているほか、カメラなどのベースとなるスペックも進化しています。

▲約2年半ぶりに登場したTORQUE G07
KDDIによると、主な開発テーマは3つ。1つがより耐久性を高めること。高耐久を示す試験項目は8つ追加され、全37のテストを追加。落下は2mから2.2mに、耐海水性は2mから5mへと耐久性能が上がっています。KDDIの担当者によると、ここ数世代はテスト項目数の伸びがゆるやかになっていたとのこと。

▲主な開発テーマは3つ

▲ここ数世代の伸び悩みを打破すべく、耐久性に大きく磨きをかけた
項目数をグラフ化しているところには思わず笑ってしまいましたが、この伸び悩みを解消し、圧倒的な高耐久を実現するためにTORQUE G07では項目数を一気に8つ増やしたといいます。その1つが、耐泥水。TORQUEはバッテリー交換が可能なため、泥が内部に入ってしまいますが、それを排出するスリット構造を設けています。

▲耐泥水性能を新たに備えた

▲本体を洗うと、すき間から泥水が排出される仕組み。なお、写真では構造が分かりやすいよう、透明カバーがつけられている
ほかにも、高さ1.5mからの落下直後に浸水させる「落下×防水」試験や、同じく高さ1.5mからL字型鉄アングルに落下させる「L字落下」など、もはやスマホの耐久テストとは思えない拷問──もといテストを行い、最多となる37項目を達成しています。MIL規格に加えて京セラ独自の試験項目も設けて、より高い耐久性を目指しているといいます。
2つ目のテーマが着せ替え対応のデザイン。本体カラーはレッド、ブラック、オリーブの3色ですが、色のついた部分は背面カバーだけでなく前面も取り外すことが可能。アクセサリーとして販売されるパーツに取り換えることで、どの色も楽しむことができます。しかも、オプションとして発色のいいイエローとブルーも展開。仕事のときは無難なブラック、プライベートでは派手なイエローといった具合に着せ替えを楽しめます。

▲カラーは3色

▲色のついたパーツを外して着せ替えを楽しめる

▲右のイエロー、ブルーはアクセサリーとして販売される
このバッテリーケースの裏には「タッチプラス」という名称のNFCタグが仕込まれています。これは、TORQUE G07で読み取れる専用タグで、ホーム画面のテーマをガラッと変えたり、カメラを特定のモードで起動したりといったことに使えます。バイクにタグを張っておき、各種センサー情報を表示したまま撮影するアクションオーバーレイを起動するといったことも可能というわけです。

▲ケースの裏面にはタグが仕込まれている

▲タッチすることで、壁紙やテーマを一気に切り替えることが可能だ
3つ目がKDDIならではで、au Starlink Directへの対応。TORQUE G06も、au Starlink Directには対応している一方で、利用できるのはメッセージサービスに限定されています。これに対し、TORQUE G07ではアンテナを改善。au Starlink Directでの、データ通信にも対応します。

▲アンテナ性能を大きく改善。au Starlink Directのデータ通信にも対応する

▲本体にも衛星通信の項目が
具体的には、上部にアップリンク用のアンテナを追加。下部のアンテナと自動で切り替えを行う「ASDiv」という技術に対応し、衛星との接続をより維持しやすくする性能を実現しています。TORQUEと言えば、アウトドアでの用途をイメージしやすい端末ですが、だからこそau Starlink Directへの対応はうれしいポイント。通信サービスと端末がしっかり融合しているのは、さすがキャリアモデルといったところです。
唯一無二の個性を放つTORQUEですが、一般的なスマホっぽい進化もしっかりしています。具体的には、カメラでのAI活用。撮影後に影を自動で除去する他社端末でもおなじみの機能はもちろん、動画撮影時に人などがフレームインした時だけ撮影する「フレームイン録画」、さらには本体を大きく傾けても水平を保てる「水平維持」といった機能を備えています。

▲カメラにはAIを活用した機能も。写真は水平維持

▲被写体がフレームインしたときだけ撮影するフレームイン録画
この撮影を支えるカメラは、センサーが大きくパワーアップしており、メインカメラは1/1.55インチに大型化(TORQUE G06は1/2インチ)。超広角カメラは画素数が1600万画素から5000万画素のクアッドピクセルセンサーになっています。さらにマクロカメラも200万画素から500万画素になり、実用度が上がっています。
2年半ぶりということもあり、チップセットは「Snapdragon 7 Gen 1」から「Snapdragon 7 Gen 4」へと3世代ぶんジャンプアップ。OSにはAndroid 16を採用します。TORQUEがTORQUEたるゆえんの耐久性を向上させつつ、通信機能もアップデートし、さらにベースとなるスペックも底上げした3拍子そろったスマホに仕上がっていると言えるでしょう。
京セラがスマホからの撤退を表明し、後継機が登場するのか不安視する人もいそうですが、実はTORQUEの開発は続けられていました。京セラによると、撤退したのはあくまで個人向けスマホで、法人向けのスマホ事業は継続しているとのこと。TORQUEに関しても、現場仕事が多い法人で利用されているといいます。納品先であるKDDIが個人に売るのは自由ということで、一般コンシューマーにも販売されています。
明らかに個人向けの機能がたくさん入っているのを見ると、なんとなく建前のようにも聞こえますが、法人向けと同じリソースで開発できるのであれば、無理に撤退する必要はありません。TORQUEは根強いファンもついているため、継続的に投入される可能性は高いと言えるでしょう。同じようなスマホばかりでおもしろくないと感じている人にこそ、ぜひ手に取ってほしい1台です。









