【実は変態】Pixel 10よりarrows Alphaがキニナル… (スマホ沼)

ガジェット スマートフォン
矢崎飛鳥(ACCN)

テクノエッジ編集長。Wikiの「スマートフォン」ページに略称“スマホ”考案者として記述あり。週一以上ライブへ通う音楽好き。ヨボヨボのハタチ

特集

テックメディア、インフルエンサー界隈はPixel 10シリーズの話題で持ちきりですな。いや~、100倍ズーム凄いね。

同じに8月28日に発売されたFCNTの「arrows Alpha」は、発表が7月だったこともあり実は私も忘れかけていたのですが、山根ハカセと一緒にFCNTの開発・実験拠点を取材する機会があり、それが結構楽しくて、ためにもなりました。帰りのバスでは、スペックシートには現われない部分での端末の価値や、評価基準について語り合ったものです。

感想は次回、スマホ沼配信にて……と思ったのですが、直近のを8月27日にやったばかりで忘れそうなので、忘備録として少し記しておこうと思います。

▲実験室の見学ツアー開始前に、ほぼ充電ゼロのarrows Alpha(右)を製品に付属する90W電源アダプターでチャージ開始。10数分後には50%を超えていた

arrows Alphaは、堅牢性や長寿命設計を重視したFCNTらしい1台です。華やかな差別化ではなく、日常の使い勝手を支える堅実な作り込みを売りにしているところに、らくらくシリーズを長年手掛ける同社ならではの「無駄に変えない」理念を感じます。

▲堅牢試験の項目

▲落下試験用の設備

▲手洗い実験の回数をメモした貼り紙が… (手作業なのね)

▲近距離通信に用いるチップ

▲ご存じ、電波暗室

実験所の見学ツアーではしゃぐハカセの様子は、こちらのショート動画でご覧いただけます。

arrows Alphaでは、独自機能としてロック画面からあらゆる形式のメモを作成できるFASTメモ、10の指紋それぞれに起動するアプリを割り当てられるFASTフィンガーランチャー、サイドキーの表面でスクロールや拡大が行えるExliderなどが前シリーズから継承されています。もちろん、独自フォントとATOKも省かれていません。

▲こちらはサークル型ランチャー、スライドイン機能。1~4つ、最大32個のアプリを登録できる

これらの機能は、正直、絶対にないと困るわけではないと思います。個々のアプリの作り込みは丁寧で、わかりやすく、いくつかはそれなりに便利ですが、ギークの人ほど何台もスマホを使うと思うので、例えばクラウド同期できないメモには価値を感じないでしょうし、独自の設定も然りではないでしょうか。

しかし、arrows 1台をメインに使い続けているユーザーには、これらの機能を愛用している人が多く、これらがあるから選んでくれているという人も多いそうで、やめるわけにはいかないのだそう。

私もスマホ開発に片足を突っ込んだことがあるので、こうした独自機能を継続することの困難さ、コスパの悪さを十分に知っているつもりです。だいたいのメーカーは諦めます。売り上げに直結しない部分(便利でも宣伝文句にならないもの)は削れるだけ削り、今ならAIなどのトレンドに関連する部分にコストを振り切ります。

arrows Alphaの場合、AIには独自のキーを割り当て、arrows AIやGemini、それ以外のAIサービスを組み合わせて利用できるようになっています。自分たちでやれる部分はやるけれど、ビックテックに任せたほうがいい部分は、そうしようという姿勢ですね。レガシーとトレンドをふんだんに詰め込み、没個性なスマホにならないような努力が見られます。

以前、らくらくスマホこそが一番の変態と書きましたが、arrow Alphaもやっぱり同じ血が流れています。さすがにディスプレイは流通量の多いサイズになっていますが、自律神経センサーなど、いつまで続けるのか見ものです。私は、ちゃんとハタチとか言ってくれるのでこの機能、好き。

▲私の自律神経パワーは“20歳以下”。ふはははは

ほかにもストレージが512GBある上、2TBまでのマイクロSDが刺さったりと極端なところも嫌いなじゃないです。

▲フツーに見えて、脱いでもすごい

レノボ参加となったFCNTは、部品調達の面でモトローラにあやかれるようになりました。あとは企画力で、どのような商品を出すかですよね。一見、変態に見えないですが、だいぶ変わりものなarrows Alpha。Xperiaも今、あんなことになっていますし、日本のスマホメーカーを応援する気持ちも込め、真のギークの方に強くプッシュしたいと思います。

《矢崎飛鳥(ACCN)》

※テクノエッジが運営する有料会員コミュニティ、テクノエッジ アルファに加入すると参加できるDiscord内、「スマホ沼」チャンネルにおいて、記事に関する追加情報や山根ハカセとの交流、スペシャル映像をお楽しみいただけます。ほか、生成AIや自作PCに関するコンテンツ、リアルイベントの優先招待などの特典がございます。ぜひ、ご検討ください。

Amazon売れ筋ランキング

矢崎飛鳥(ACCN)

テクノエッジ編集長。Wikiの「スマートフォン」ページに略称“スマホ”考案者として記述あり。週一以上ライブへ通う音楽好き。ヨボヨボのハタチ

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。