みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。ファーウェイは6月11日に中国で新製品発表会を開催し、カメラフォンの新モデル「Pura 80」シリーズ4機種を発表しました。私は発表会には参加できなかったものの、深センのファーウェイフラッグシップストアを訪問、Pura 80シリーズに早速触れてきました。

Pura 80シリーズは「Pura 80」「Pura 80 Pro」「Pura 80 Pro+」「Pura 80 Ultra」の4モデル。ここでは最上位モデルのPura 80 Ultraを紹介します。

Pura 80 Ultraの主なスペックはディスプレイが6.8インチ 2848×1276ピクセル、3000nits、フロントカメラは1300万画素。チップセットはいつものように非公開。ハイシリコンのKirin 9020と言われています。5G対応も非公開ですが、実際には5Gをつかみます。

Pura 80 Ultraの特徴は「カメラ」「AI」「デザイン」。カメラはメインの広角が5000万画素の1インチセンサー、f/1.6からf/4.0の可変絞りを搭載。超広角は前モデルから画質が大幅に上がり4000万画素となりました。最大の特徴が望遠カメラ。5000万画素のペリスコープ式ですが、レンズの間をセンサーが動くことで3.7倍と9.4倍の2つの望遠に対応します。中望遠と高倍率望遠どちらも1つのセンサーでカバーしています。

Pura 80 Ultraのカメラ部分を見ると望遠が2つあるように見えます。それぞれセンサーが3.7倍、9.4倍の位置に対応したガラスカバー。デジタルでは最大100倍ズームに対応しますが、発表会では30倍での比較を行っていました。現実的に使える画質は他社同様、30倍程度なのでしょう。

AIプラットフォームはHarmonyOSが標準搭載しているファーウェイ開発のAIエージェント「XiaoYi」。このXiaoYiに話題の中国発AIシステム「DeepSeek」が統合されています。画像処理や自動翻訳などに加え、カメラ画像からのアシスタント機能など機能が大幅に向上しました。

カメラを通したAIアシスタントは、たとえば景色を写せばそれがどんな場所や名所なのかを案内。世界で5000箇所以上の場所を教えてくれます。日常的な使い方としては、朝に出かける際に自分の服装をカメラで写すと、その日の天候などを元に「長袖を着たほうがいい」「白い色にしたほうがいい」といったアシストをしてくれます。

子供の簡易百科事典としての利用もできるので、スマートフォンの使い方がより低年齢層にも広がります。教育現場での活用も進むハズ。

ちょっと不思議なモンスター型のAIアバター「ハンハン」はロック画面、充電画面、壁紙などに現れ、ユーザーが息を吹きかけたりタップするとインタラクティブな動きを見せます。ユーザーがこのハンハンをカスタマイズし、自分だけのキャラクターに作り上げることも可能。AIの新たな用途としてどれくらい使われるようになるか注目です。

Pura 80 Ultraの価格は9999元(約20万円)から、6月26日発売予定。なお、ほかのPura 80シリーズはグローバルでも展開予定です。
