みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。2026年はスマートグラスがブームになり始めています。これまでは目の前に広がる大型ディスプレイとして使えるARグラスがメジャーでしたが、最近、種類が増えているのがAIグラス。

AIグラスは中国で次々と新製品が出ていますが、今話題になっているのがアリババが開発した「Quark AI Glasses」。アリババのAIサービス「Qwen」が使えるということで注目を集めています。製品はディスプレイ搭載の上位モデル「S1」と、ディスプレイは無く音声のみ対応、軽量な「G1」の2つのモデルが販売されています。今回、試したのは「G1」のほうです。

価格はS1が価格は3,799元(約8万4000円)から、G1が価格は1,899元(約4万2000円)から。人気が高く、常に品切れになっています。今回は中国在住の知り合いが購入したものがオフィスにちょうど届いたというので、その場で開封して少し試させてもらいました。

スートグラスはIT製品と言うよりも服飾品、ファッション製品として売るべきだと私は考えています。機能も重要ですが、見た目が安っぽかったり野暮ったいようでは普段から使おうとは思えないからです。Quark AI Glasses S1のデザインはオーソドックスな眼鏡そのものであり、掛けても違和感ありません。

バッテリーは眼鏡の「つる」の端の部分に内蔵されており、予備バッテリーと交換可能。その予備バッテリーはケースに入れておくと充電されます。

長時間、利用することの多いワイヤレスヘッドフォンも同様にケースで充電できますが、充電中は片耳、もしくは両耳が使えなくなります。しかし、このスマートグラスは眼鏡をかけたまま、交換時だけは顔から外す必要があるものの、バッテリーを交換すれば使い続けられるわけです。この設計はなかなかいいですね。

気になるAI性能ですが、AIアシスタント「Qwen App」を利用できます。これはアリババが開発した大言語モデルの「Qwen」をベースにしています。操作は音声と本体の弦の部分のボタンを使いますが、多少騒がしい場所でも音声への反応は良好でした。周囲の店舗の案内やルート検索なども音声で的確な指示が受けられます。会議の音声の要約、リアルタイムの翻訳にも対応。実際に中国人の知人と会話しましたが相手の言うことがしっかりと音声に翻訳されます(翻訳内容はスマートフォンアプリでも確認可能)。

カメラはソニー製センサーの1200万画素、超広角です。静止画は4032x3024ピクセルで写りは結構きれい。動画は手振れ補正に対応し、3K / 30fpsで60分の連続撮影が可能とのこと。内蔵メモリは32GBです。

ここまでなら「中国発の高性能なAIスマートグラス」というだけに思えるかもしれません。しかし、この製品はアリババが開発したもの。アリババと言えば中国であらゆるサービスを展開していますから、支払い(Alipay)、EC(タオバオ)、地図(A Map)、さらに音楽や旅行など様々なサービスが利用できます。つまり、これらのサービスをQuark AI Glassesを掛けて音声操作できるわけです。
エージェントAIが日常生活レベルで実用性のあるものになりつつある今、これからはそのサービスを使いやすくしてくれるハードウェアが、ウェアラブルデバイスの勝者になるでしょう。そんな製品が、中国国内で次々と登場しているのです。日本人の知らないうちに、中国ではだれもがスマートグラスを使うのが当たり前になる、そんな日が来るかもしれません。









