それでも「iPhone風デザイン」をやめられないHONORのそっくりAIスマホ(山根康宏)

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山根康宏

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香港在住携帯研究家

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HONORが海外で販売中の中核モデル「HONOR 600シリーズ」がちょっとしたことで話題になっています。それはもう外観を見れば一目瞭然。「iPhone 17 Pro」をインスパイアしまくったデザインです。

3つのカメラのうち1つが縦長という違いはあるとはいえ、カメラバンプは上部横に広がり、しかもボディーはオンレンジ色です。

香港のHONORストアのディスプレイもオレンジカラーでまとめています。アップルストアですらこんなことはやりませんが、HONORはiPhone 17 Proのオンレジ色をフィーチャーしまくっているわけです。

HONOR 600シリーズは3機種をラインナップします。下の写真で左から「HONOR 600 Pro」「HONOR 600」「HONOR 600 Lite」。機能はProが最上位、Liteが最下位です。この写真のグレイカラーのモデルだとiPhoneとはあまり似ていないように感じますが、それだけあのオレンジ色が強烈なインパクトを与えているということでしょう。

実は2025年後半から、中国メーカー各社はオレンジ色の様々な製品を出し始めています。もちろんこれはiPhone 17 Proを意識してのこと。シャオミの薄型バッテリーも、シャオミ製品よりiPhoneに装着したほうがマッチするようなオレンジモデルもあり、とにかく中国ではオレンジの製品だらけになっています。


ここでHONORの製品ラインナップを見てみると、このHONOR 600がメインの製品というわけではありません。高性能カメラを搭載したフラッグシップラインは「Magic」シリーズで、現在の最新モデルは「Magic8 Pro」、グローバルで展開中です。

折りたたみは「Magic V」シリーズで、世界最薄折りたたみを謳う「Magic V6」が出ています。その下に位置するのが今回紹介したHONOR 600シリーズ、数字3桁のモデルでミドルハイレンジのライン。またこの下には「X」や「Play」など下位モデルがあり、中国では高容量バッテリー搭載の「WIN」などもあります。

ということでHONORの顔となるモデルは実はカメラフォンや折りたたみなのですが、どちらも高価。実際に売れ筋となるのはそれより下のモデルですが、性能的には他社も同じようなものを出していて特徴がありません。そこで見た目だけでも目立つようにと、HONOR 600シリーズはここまで大胆にiPhoneっぽくしてしまったのかもしれません。

HONOR以外のメーカーの製品を見ても、オレンジ色のボディーカラーがあるとしても、本体デザインはiPhoneには寄せていません。一方、シャオミの「Xiaomi 17」シリーズが出てきたときはカメラバンプ形状からiPhoneそっくりだ、なんて言われました。


しかしシャオミはすでに2011年の「Xiaomi Mi 11 Ultra」で横型カメラバンプデザインをやっています。Xiaomi 17シリーズではあえて逆張り的にあのデザインを採用したと私は思っています。

HONOR 600 ProはチップセットがSnapdragon 8 Elite、バッテリーは7000mAhで、カメラは広角が2億画素、望遠が5000万画素の3.5倍、超広角が1200万画素、フロントカメラは5000万画素です。

本体側面にはAIボタンも搭載しており、Geminiを呼び出すといったショートカットボタンとしてだけではなく、写真を開いてボタンを押せばそこから動画を作成するといった生成AI機能も提供します。特徴がないわけではなく、本体性能もAI機能にも優れているのです。

HONORは元々ファーウェイから分社化したメーカーで、当初は中国市場を重視、最近はヨーロッパやアジアにも進出しています。しかし数字3桁モデルは特徴が出せずに苦戦しているのが実情。前モデルの「HONOR 400」シリーズも他社製品との違いを出し切れていません。

ちなみにHONORのグローバルのスマートフォン出荷台数は7位前後と見られています。アップル、サムスン、シャオミの上位3社の地位はゆるぎなく、そのあとをOPPO、vivo、Transsionが追いかけており、その次に続くのがHONORというわけです。

グローバルでの出荷台数を増やすためには知名度も挙げねばならず、今はなりふり構わず、目立つものを出していく、という戦略なのでしょうか。

HONORは1月に中国で出した「Honor Magic8 Pro Air」も「iPhone Air」に似たデザインにしたという前例もあります。こちらは中国だけだったことからグローバルではあまり話題にはなりませんでした。しかしHONOR 600シリーズはアジアやヨーロッパで販売がはじまっています。

こうした挑戦的な製品展開を続けるHONOR。デザインによる話題性がブランド価値の向上につながるのか、それとも独自性の欠如と受け取られてしまうのか、その行方は今後の市場の反応に委ねられています。

《山根康宏》

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