みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。日本で話題になっているサムスンの最新折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold7」は、とにかくその“薄さ”が魅力。しかし、海外ではFold7以外にも激薄折りたたみスマートフォンが出ています。対抗するのはOPPOとHONORの折りたたみ。

これら3つのモデルは、閉じたときの厚さがすべて9mm以下。真の折りたたみスマートフォンは、これくらい薄くないと認められない世界なのだと思えてきます。写真の並びは左からOPPO Find N5 - Galaxy Z Fold7 - HONOR Magic V5となっています。

いや~薄い。3つのモデルの発売時期/開いた時/閉じた時の厚さ/重量を以下に記します。
OPPO Find N5:2025年2月19日/4.21mm/8.93mm/229g
Galaxy Z Fold7:2025年7月9日/4.2mm/8.9mm/215g
HONOR Magic V5:2025年7月2日/4.1mm/8.8mm/217g
OPPOは2月時点では世界最薄でした。HONORやサムスンより5ヵ月も前に、ここまで薄い製品を出してというわけです。一方、重量は先に出たぶん(?)やや重たくなっています。

ここまで薄いとそれぞれの差は無いようにも思いますが、実際に手にしてみるとわずかな差を感じます。特にHONOR Magic V5とサムスンGalaxy Z Fold7は「薄さはHONOR、軽さはGalaxy」ですが、手にしてみると本体サイズがGalaxyのほうがやや大きいこともあり、2gの差以上に軽さを感じます。一方で開いた状態で持つと、HONORのほうがより薄いと実感します。

OPPOとHONORはディスプレイの角のRがGalaxyよりも極端なので、開いたとき、閉じた時、どちらも画面を見たときの印象はだいぶ異なります。OPPOとHONORのディスプレイは中国BOE製、サムスンは自社です(ちなみにvivoはサムスンのディスプレイを採用しています)。

横から見るとわかりやすいのですが、本体の長さはOPPO>Galaxy>HONORの順。OPPO Find N5だけ229gとほか2モデルより10g以上重たいのですが、本体が大きいことを考えると仕方ないかもしれません。なお、横から見たこの写真は、上からHONOR - Galaxy - OPPOです。

「もうこれ以上の薄型化は不可能」という声も聞こえてきます。しかし、技術の革新に「ここまで」という制限を設けた時点で、そのメーカーは競争から脱落してしまいます。さらに言うと、折りたたみスマートフォンは今の形状が最終地点とは限りません。今後出てくる三つ折りモデルのためにも、さらなる薄型化は必要なのはずです。

vivoのX Fold5は2025年6月25日に発表され、グローバル市場にも投入されています。厚さは9.2mm/4.3mmで、重量は217g。閉じたときの厚さは9mmを超えるものの、このサイズなら「普通のスマホサイズの折りたたみ」という今回の3モデルの仲間に入ります。グーグルの次期Pixel Foldは、果たしてどのような厚みで出てくるのでしょうか。
ほかのメーカーの動きも気になります。シャオミは昨年「MIX Fold4」を出したものの、後継機が出てきていません。薄型軽量化が一気に進んだことで、それに合わせるために発売が遅れているのかもしれませんね。また、3つ折りのコンセプトを発表しているTECNOの後継機も気になるところ。2025年後半も折りたたみスマートフォンから目が離せませんね。
