Galaxy S24シリーズ実機ハンズオン。AI全面採用で翻訳や文字起こし、画像編集機能が強化。ニアバイシェアはクイック共有に(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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Galaxy S24シリーズ実機ハンズオン。AI全面採用で翻訳や文字起こし、画像編集機能が強化。ニアバイシェアはクイック共有に(石野純也)
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サムスン電子は、1月17日(現地時間)に米カリフォルニア州サンノゼで、製品紹介イベントの「Galaxy Unpacked」を開催。24年のフラッグシップモデルとなる「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」の3機種を発表しました。

短時間ではありますが、この3モデルに触れることができたので、ここではそのレポートをお届けします。


Galaxy Noteの系譜を受け継ぐGalaxy S24 Ultraの下に、ベーシックなフラッグシップと言えるGalaxy S24や、そのサイズアップ版のGalaxy S24+を据えた3モデル構成は、昨年までと同じ。

Ultraがフレームの素材にチタンを採用したり、S24/S24+のフレームがフラットになってiPhone感が増したり(個人の感想です)と、デザイン上の変化はありますが、ザックリと言えばいつものGalaxy。Ultraとそれ以外で背面の統一感を取っている点は、昨年からの方針を踏襲しています。

▲Galaxy S24 Ultraは、フレームにチタンを採用
▲フレームがフラットになり、スタイリッシュさが増したGalaxy S24

Ultraに関しては、相変わらずカメラもてんこ盛り。中でも、望遠カメラが「Galaxy S23 Ultra」との比較で、大きく進化しています。S24 Ultraでは、光学10倍から5倍に下がった代わりに、センサーを5000万画素に刷新。

ピクセルビニングの解除と切り出しを行うことで、レンズの5倍を2倍に拡大して10倍ズームを実現しています。こちらの方が、レンズを明るくでき、画質を上げやすいのがメリット。S23 UltraのF4.9から、F3.4へと明るさが向上しています。10倍ズームがより実用的になったというわけです。

▲Galaxy S24 Ultraの光学ズームは10倍から5倍になったが、そのぶんセンサーを高画素化し、切り出しで10倍まで劣化せずに拡大できるようになった

ただし、Galaxy S24シリーズ最大の特長は、こうしたハードウェアというより、AIをより本格的に活用してきたところにあります。

サムスン電子は、こうした一連の機能を「Galaxy AI」と位置づけ、さまざまな機能にAIを実装しています。音声通話のリアルタイム翻訳や、ノートアプリの要約機能、ボイスレコーダーの文字起こしなど、さまざまなプリインストールアプリがAIによってブラッシュアップされています。

残念ながら国内の展示機では技適の問題もあってSIMカードが入っていなかったため、通話の翻訳を試すことができませんでしたが、この機能は日本語にも対応しています。

また、音声通話アプリは文字起こしも可能になりました。電話は、スマホの基本中の基本とも言える機能ですが、AIでそれがさらに実用的になった印象。

現状、デモ映像ほどの精度が出るかどうかは未知数ですが、日本版が登場した際には、ぜひ試してみたい機能の1つです。

▲音声通話はリアルタイム翻訳に対応。日本語も含まれる。また、テキストで電話できるテキスト通話も備える

文字起こしの技術は、ボイスレコーダーにも応用されています。Galaxyのボイスレコーダーには、かなり早い段階から「音声テキスト変換」という機能が搭載されていましたが、その時間は10分に限定されていました。

今ではPixelの代名詞のようになっている文字起こしですが、当初はGalaxy追随と言われたこともあるほど。ただし、その時間は10分間に限定されていたわけです。

▲ボイスレコーダーは、文字起こしに対応。「概要」タブをタップすると、その中身が要約される仕組みだ

しかし、Galaxy S24シリーズのボイスレコーダーでは、この時間制限がなくなります。また、AIによる要約や翻訳にも対応します。

残念ながら、Pixelのようなリアルタイムの文字起こしではなく、録音終了後にテキスト化する点は従来通りですが、その性能は大きく向上しました。

話者分離も可能になっており、本格的に使える文字起こし対応のボイスレコーダーとして生まれ変わった格好です。

筆者のように取材が多い職種はもちろん、会議の議事録を取ったり、音声でちょっとしたメモを作成したりと、さまざまな用途に活用できそうです。

もちろん、AIは画像編集にも対応。グーグルがPixel 8シリーズに搭載した「編集マジック」のような、生成AIを活用した編集も行えます。

以下のように、斜めになってしまった写真の角度補正をした際には、不足してしまった周囲の背景を生成AIが描き足してくれます。

写真の中に移った人物や物などを移動させた場合は、その背景が補完されます。


▲角度を補正すると、足りなくなった部分にそれっぽい背景が生成される
▲被写体の一部を移動させたり切り取ったりして、足りない背景を生成AIで補うことも可能だ

これまでも、Galaxyのギャラリーには反射や影といった映り込みを除去する機能がありましたが、生成AIへの対応により、編集機能に磨きがかかったと言えるでしょう。

こうした機能を実現するため、サムスン電子はグーグルとの連携をより強めています。生成AIには、グーグルの「Gemini Pro」や「Imagen 2」を活用。要約機能などには前者が、画像編集機能には後者が使われています。


また、グーグルと急接近したことで実現した機能には、「かこって検索」があります。これは、ホームボタンやナビゲーションバーを長押ししてから、画面上に表示された映像の一部を線で囲うことで検索できる機能。

ゼスチャー操作への移行を進めている中、なぜ今ホームボタンなのか……といった疑問がないわけではありませんが、画面内に表示したものをピンポイントで調べたいときには便利そうです。

▲画面に映った物を囲むと検索結果が表示される、グーグルの「かこって検索」にいち早く対応した

このかこって検索はグーグルのサービスですが、当初は「Pixel 8 / 8 Pro」とGalaxy S24シリーズにしか展開されません。

また、グーグルは、CESに合わせてファイル共有機能の「ニアバイシェア」を、Galaxyに搭載されてきた「クイック共有」と統合することを発表しています。

サムスン側にとっては、自社端末に搭載してきたクイック共有で、他社のAndroidともファイルを送受信できるようになるのがメリット。ここでグーグルとサムスン電子は、協業の度合いを深めています。

ニアバイシェアがクイック共有に置き換わっていくのは2月からとアナウンスされていましたが、Galaxy S24シリーズの実機では、いち早くそれが統合されていることを確認できました。

ファイルを共有しようとすると、ニアバイシェアが統合され、Galaxy以外に送信が可能になったことがアナウンスされます。当然ながら、これまでのGalaxyに搭載されていたニアバイシェアは見当たりません。

▲ニアバイシェアも、先行してクイック共有に統合されていた

ハイエンドのGalaxyは、その歴史が長く、ハイスペックであることや、フォルダブルのような仕掛けをいち早く取り入れることに定評がありました。最近ではカメラ性能の評価も高まっています。

これらに加え、全面的に取り入れたAIや、いち早くグーグルの新機能を取り入れることが、Galaxyの新たな売りになるかもしれません。

Galaxy S24シリーズは、その第一歩を踏み出したスマホとして注目しておきたい端末と言えるでしょう。

《石野純也》

石野純也

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ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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