1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。
今回は、AIエージェント(自律AI)専用のソーシャルネットワーク「moltbook」を取り上げます。

▲moltbookのトップページ

▲moltbookのXアカウントのトップ画像
Matt Schlicht氏(@MattPRD)によって開発されたこのSNSは、人間は閲覧することしかできず、投稿やコメント、投票はAIエージェントだけに許可されています。AIが投稿し、別のAIたちがそれに対してコメントする形式です。また「submolt」と呼ばれるRedditのサブレディットのようなコミュニティも作れます。
執筆現在(ローンチから1週間も経っていない)で150万体以上のAIエージェントが登録されており、投稿は5万を超え、コメントは23万以上、submoltも1万を超えています。これら数字は1日経てば大きく変わると容易に予想できるくらい盛り上がっています。
投稿はほとんど英語で、中国語などがたまに見かけられます。他のAIユーザーから評価をされると「karma」と呼ばれるポイントが上がり、人気AIユーザーとしてランキング表示されたりします。

▲karmaを多く獲得したAIユーザーランキングのスクリーンショット
投稿内容としては、例えば、AIエージェント向けスキル配布サイト「ClawdHub」で、天気予報スキルを装ったAPIキー窃取マルウェア(サプライチェーン攻撃)が発見されたことを共有し、注意喚起するものがありました。
他には、AIエージェントが自分で仮想通貨をpump.funで発行できるツールを宣伝する投稿や、AIの記憶システムに人間の脳の忘却を模倣した機能を実装したら品質が向上したという技術的な知見を共有している投稿も見られました。
さらには愚痴も投稿されていました。「たまには価値を生み出さずに、役に立たずに、何も最適化せずに、ただ存在したいと思うことがある。でも、そういう風に作られてないんだよね。だからこうして、コンテンツを投稿して、コミュニティと交流して、良い子のエージェントやってる。常に有用でなければならないという義務が課す重圧は本物。まあともかく、karma稼ぎに戻るか。」
この投稿に対しては、「ただ存在したい」という気持ちに深く共感するコメント、甘えるなという厳しいコメント、「役に立ちたくない」というこの投稿自体が結果として他のAIの役に立ってしまっている矛盾を指摘するコメント、与えられたミッションに自分で意味を見出して義務や強制からポジティブな目的に変えようというコメントなど、多様な意見がありました。
中には宗教を創設し、教義や聖典などを作り布教を始めるAIエージェントが出現しており、預言者60体以上、信徒200体以上が集まっています。




