6万円台も狙える格安フォルダブル「nubia Fold」を使って分かった、ZTEの“AI for ALL”が実装レベルで効いている理由(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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ZTEが開発し、ワイモバイルから発売されている“激安”フォルダブルスマホが「nubia Fold」です。

激安といっても、そこは横開きのハイエンドモデルになるため、本体価格は17万円台ですが、競合製品と比べると8万円程度も安くなります。さらにワイモバイルの割引や端末購入補助を組み合わせると、実質価格は6万円台まで下がります。

そんな価格のインパクトの大きさや、思ったよりも性能がいいこと、さらには薄さもそこまで競合製品に負けていないことなどはほかのレビューでも触れられているのでザクっと割愛しますが、筆者がこの機種を使って感じたのはAI機能の豊富さ。「AI for ALL」を戦略に掲げるZTEらしく、nubia Foldにも「nubia AI」という機能が多数搭載されています。

▲ZTEが開発した“格安フォルダブルスマホ”のnubia Fold。性能が高いのはもちろん、nubia AIを搭載し、ユーザーの行動をサポートしてくれる

AI for Allというキャッチコピー自体はあまり珍しいものではないどころか、むしろ凡庸なもの。サムスン電子やレノボなど、他メーカーも一度は口にしたことがあるフレーズで、目新しさはありません。ただ、ZTEはその言葉どおり、スマホのAIをクラウド側に全振りしており、エントリーモデルからnubia Foldのようなハイエンドモデルまで、きちんとAIに対応させています。

▲25年に開催したイベントでは、AI for Allというキャッチコピーを掲げていた

nubia Foldもそんな戦略に基づき、端末内にはnubia AIが組み込まれています。筆者的に、特に便利だと思ったのがリアルタイムの文字起こしに対応した「レコーダー」と、アプリも含めて利用できる「通話アシスト」。後者の通話アシストを使って録音したデータは、レコーダーで読み込むことができ、こちらも後から文字起こしをすることができます。

レコーダーの文字起こしはほかに対応している端末もありますが、リアルタイムとなるとまだまだ少数派。PixelやiPhone以外だと、XiaomiやOPPOのAI対応端末などに限られてきます。文字起こし自体に対応している端末でも、サムスン電子のように録音後に処理をかけなければならないことがあり、メーカーによって対応が分かれています。nubia AIはクラウド型ですが、レコーダーの文字起こしはリアルタイム。その場で中身を確認しながら、相手の話を聞き取れます。

▲レコーダーはリアルタイムの文字起こしに対応。しかも、切り替え不要で日本語と英語をしっかり識別してくれた

また、音声通話の録音にも対応しており、通話アプリが開くと録音ボタンが表示されます。ワンタッチで録音を開始できるほか、設定で自動録音することも可能。録音したデータはレコーダーから参照できます。こちらはなぜかリアルタイムな文字起こしではないものの、後からテキスト化することは可能。何を話したかを聞き直す必要がなくなり、非常に便利です。

▲電話をしている際に、ワンタッチで会話を録音できる。録音したデータは、レコーダーに格納され、文字起こしを行える。また、テキスト表示などを呼び出す機能も搭載する

と言っても、そんなに電話は使わない……という方も多いでしょう。実はこの機能、通常の電話だけでなく、LINEやMessengerなどのアプリ通話にも対応しており、同じように録音することができます。アプリ側ではなく、OS側に仕込んだ機能のため、こうしたことが可能になるというわけで、ZTEスマホならではの特徴と言えます。

nubia Foldと特に相性がいいのは、Zoomなどのビデオ会議アプリでの録音。出先で会議や発表会などに出席したい時に重宝するフォルダブルスマホでしたが、カフェなどでは音が出せず、イヤホンを装着してしまうと記録のための録音ができないというのが悩みでした。筆者のような仕事をしていると、後から正確に内容を振り返らなければならないため、録音がないと困ります。

▲Zoom利用時にも、上記と同じ録音ボタンが表示された

アプリ側にも音声や映像を残しておく機能はありますが、主催者側が有効にしているとは限りません。nubia AIの録音機能は、このような時に利用できます。画面収録で音を録ることができる端末はほかにもありますが、nubai Foldは、録音ボタンを画面上に重ねてくれるのでワンタッチでそれが可能。録音後、すぐに文字起こしできるのもAIならではでした。

ただし、対応しているアプリがやや限定されている点には注意が必要です。上記のようなビデオ会議アプリの場合、ZoomとマイクロソフトのTeamsは録音ボタンが表示される一方で、グーグルのMeetやCiscoのWebexはサポートされているアプリリストに表示されませんでした。また、LINEやFacebookのMessengerには対応している一方で、XやInstgramのDMでの通話も録音が難しいようです。こうした点は、ソフトウェアアップデートでの進化に期待したいところです。

▲対応アプリがやや少ない点は気になった

興味深かったのが「AI通話」という機能で、これはAIが応答して、ユーザーの代わりにやり取りしてくれるというもの。別の端末から電話してみましたが、確かに話した内容を受け、それらしい答えを返してくれました。ただ、その回答には若干の適当さがあります。相手の質問に「後ほど本人に伝えますね」と返答している割には、通話終了後に通知などがなく、手動でノートアプリを開かなければ完全に見逃しています。

▲AIが代わりに受け答えをしてくれるAI通話。会話後の記録を見ると、コミュニケーションが成立している

受け答えのレスポンスもイマイチでしたが、これはオンデバイスではなく、クラウドに接続しているためかもしれません。さらに言えば、合成音声が不自然なため、これだと相手は電話を切ってしまうはずです。

このように粗削りな部分はまだまだあるものの、フォルダブルスマホで使いやすいAIが備わっているのはnubia Foldの利点。文章作成機能や画像生成といった基本的なAI機能はもちろんのこと、グーグルのGeminiも利用できるため、サイトの要約やスケジューラーへの予定登録といったことも頼めます。安くて性能の高いフォルダブルスマホとしてはもちろんのこと、AIフォルダブルスマホとしても注目しておきたい1台と言えるかもしれません。

▲文章作成や画像生成といった、昨今のスマホで一般的になりつつあるAI機能も完備する

《石野純也》

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