10万円で200円余るMacBook NeoでAI音楽制作は成立するのか。 Logic ProとSunoで検証してみた(CloseBox)

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松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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MacBook Neoが我が家に届きました。シトラスの香りがする(しない)、自腹で購入したニューマシン。

シトラスを選んだ理由は、まだApple Japanが初台オペラシティにあった頃、初代iBookの発表会で紹介されたキーライムカラーのクラムシェル(本当に貝のような形だった)Macがあまりに印象的で、そのときに同席していた荻窪圭さん、こばやしゆたかさんらライター陣と、オペラシティにあったアンナミラーズに行ってキーライムパイを食べたのを思い出したから。

▲我が家のiBookはキーライムではなく、タンジェリン

ちなみにアンナミラーズはアメリカンパイが売りで、キーライムパイはその当時のメニューにはありました。復活版アンミラにはないみたいですが、食べられる店は他にいくつかあるようです。

さて、そんな郷愁だけでMacBook Neoを買ったわけではありません。実は、これをLogic Proなどを使う音楽制作マシンにしようという目論見があったのです。9万9800円でディスプレイもついてApple Siliconの格安新製品Macが、果たしてAI時代の音楽制作に耐えられるのか。その点を検証したかったのです。

試したかったのは、

Logic Proがまともに動くのか?

これに尽きます。

MacBook Neoの製品紹介ページではLogic Proが動いている記述がありません。Final Cut Proもそうですが。

動かなかったらまあ別の用途に使うとして、Neoを使いたかった理由はもう一つあります。

今、筆者のリビングには、DTM環境とは別に、シンセサイザー(Roland SYSTEM-100、KORG MS-20 mini)、電子ピアノ(Roland Rhodes)、オルガン(Hammond)などを演奏するスペースがあって、そこにはIntel版MacBook Airをおいて、オーディオインタフェース、MIDIインタフェースをつなげて、Logic Proでレコーディングや練習ができるようにしています。

しかし、Intel版MBAはさすがに最新機能を動かすには能力不足で、これを置き換える用途がありました。

MacBook NeoはIntel版MBAを置き換える用途に適しているのか、それを確かめたかった。でも、Appleから事前配布されたレビュワーでその辺を記事にする人はたぶんいないだろうから、自分で買うしかないかー。

そんな経緯で購入したのでした。

購入したのはUnified Memory 8GB、SSD 256GBの安い方のモデル。Touch IDもありません。でもTouch IDはApple Watchをつけていればほぼ不要(何もせずにアンロックできる)。

A18 Proという現行のiPhoneより1世代前のモデルでLogic Proが動くかどうかというのがポイントでした。

メモリについてはあまり心配してませんでした。だって、Intel版MBAだってメモリ8GBでしたから。

Logic Proはインストールできるとして、その中でも筆者がメインで使っている4つの機能が動くかどうかというのが注目するところです。

  • FLex Pitch(ボーカルのピッチやタイミングを調整する機能)

  • コード解析(オーディオデータから、コードを分析して、それをLogic Proのコードトラックに転写する)

  • Stem Splitter(楽器別にトラックを分離してくれる)

  • Session Players(ドラム、ベース、キーボードなどをコードやリズムに合わせて演奏してくれる)

これ、実際に試してみたら、あっさり動きました。

つまり、Logic ProはMacBook Neoでちゃんと動く、というわけです。まあ、8GB版M1 Macでも動いていたのだから当然といやあ当然ですが。

試した手順は、こうです。

Sunoで楽曲を作り、その2MIX完成データをWAVでダウンロード。

それをLogic Proに取り込んで、スマートテンポ解析してグローバルテンポにする。

そこからStem Splitterで音源分離。

分離したボーカルトラックをFlex Pitchで調整。

コードも解析し、それをグローバルコードトラックに転写。

そのコードを元に、ピアノとパッド(シンセサイザー)のパートを追加

といった流れで楽曲の制作ができました。

何の問題もなし。Stem SplitterのスピードがM2並みかなあ、というくらい。それでも1分ちょっとでできるのですから不満は特にありません。

AIとLogic Proで通常やっている作業はほぼMacBook Neoで完結できることがわかりました。

デバイスとしてのMacBook Neo、質感もいいし、12インチMacBookよりもだいぶ老眼に優しい。値段が安いので、80万円超えのM4 Max MacBook Proよりも気軽に外に持ち出せます。

これからはこのキーライム、いや、シトラスを持って外出する機会が増えそうです。

この記事を書くためにMacBook Neo上でSunoで曲を作り、Logic Proで編集し、再びSunoでリマスターした曲、「シトラスはキーライムの香り」。いい感じに仕上がりました。

《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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