Apple Vision Pro登場! 間近で実物をじっくり見てわかったこと、不明なこと

ガジェット XR / VR / AR
村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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ついに、アップルのARデバイス『Apple Vision Pro(以下Vision Pro)』が発表された。

仕様等については、Ittousai編集長の速報を参照していただくとして、こちらではWWDC会場の現場で見聞きしたことを中心にお届けしよう。


といっても、まだ動作する実機に触れてはいない。Steve Jobs Theaterの地下に実機が十数台展示されていたのみだ。それさえ、触れることはできないし、何しろすごい人で近づくこともままならないほど……。

しかし、それだけに各国メディアの注目度の高さがうかがい知れた。日本では、『50万円』という価格が取り沙汰されていると聞くが、3499ドルだし、経済感覚が違えば諸外国では「安い!」と感じる人も多いのかもしれない。

注目といえば、ティム・クックが「One more thing...」という伝家の宝刀を抜いた時の盛り上がりぶりはすごかった。そして、さらに続いて『Apple Vision Pro』と、商品が表示された時の歓声も。歓声と拍手で、まるで野外ライブ会場にいるかのような感じだった。

展示されている製品が、モックなのか、実機なのかは分からないが、少なくとも見える範囲では動作する実機に見えた。発売はUSでさえ半年以上後。US以外では『2024年の年内』とのことだから、日本では下手すると1年半以上先まで手に入らない製品なので、どのぐらいの完成度なのかは気になる。

とはいえ、展示されている商品のクオリティはさすがアップル。とても上質だ。

モニター部分のアルミボディはさほど厚くはないように思う。アップルお馴染のシルバーのアルマイト仕上げで、デジタルクラウンもApple Watchのものを拡大したような形状だ。

表面の黒い部分はプラスチックではなく合わせガラスを使っている。内蔵されているカメラ類を探してみたが、肉眼ではプレゼンテーションの映像で表現されたほどには見えなかった。Eye Sightで目を表示するディスプレイ部分は、あまり解像度が高くないように思えた。ぼんやりと目が見えていればいいという感じなのだろうか? ここで電力を使うわけにはいかないので、おそらく消費電力の少ないものなのだろう。

ここにはいろいろなものが写り込むので、今後取材者泣かせな製品になりそうだ。

下側、鼻を支える部分は、磨き込まれたステンレス風の金属が使われていた。あえてここに異種の金属を使うのはなぜだろう? 何か理由があるのか?(その後、実機を体験したときにはなかったので、スタンドの支え用だったようです。詳細は執筆中の別記事で)

ヘッドセットのバンド部分は、Apple Watchのバンドのような布地の上質なもの。さまざまな種類が用意されるというが、ゴーグル部分はどのぐらい重いのか? バンドのフィット感はどうなのか? はとても気になる。重いゴーグル型デバイスを長時間安定してホールドするのは難しいから、アップルがどのぐらいその部分を解決しているのか楽しみだ。

ゴーグル部分が意外と軽く、このバンドのおかげで全然気にならない……という感じだといいのだが。

何かと不評な外付けバッテリーは、さすがのアップル推しの筆者も不細工だなと思う。とはいえ、ゴーグルが重くなると、そのまま装着感の悪さに繋がるので、いたし方ないところか。見た目のサイズから1万mAhぐらいのリポだと思うのだが、どこで接続を外せるのかなどは現状では不明。

このバッテリーで2時間の動作時間と説明していたが、AC電源に接続してずっと動作させることも可能なので、このバッテリーは動き回る時用と割り切ればいいのかもしれない。

最後に筆者の感想を述べておこう。

アップルが『AR』のどの部分を商品化するのか、ずっと考えていて分からなかったのだが、あっさりと『仕事場』『映像』のふたつが中心だった。

ただ、平面映像を再生するだけなら、それほど苦労する必要はないわけで、やはりアプリが出そろって、立体のオブジェクトをグリグリ動かせるようになるのが到達点なのかもしれない。

筆者も、自宅の仕事部屋にある27インチと、31.5インチのモニターを片づけて、Apple Vision Proが仕事場になるのかというと、長時間使った時の疲労感も含めて、本当に常用できるデバイスになるのかは疑わしいと思っている。

筆者は長時間デスクに座って仕事をしているが、さすがにそれをすべてVision Proで代替するというのは難しいように思う。

ともあれ、アップルのさまざまな連携機能が動作するのはかなり便利そうだ。Macの外付け仮想モニターとして使えるだけでも、部屋の大きなディスプレイを片づけられるし、仕事の姿勢も楽になるだろう。たとえば、AirDrop経由で写真や動画を共有できるだけでもかなり便利だし、デバイスをまたいでコピペできたりする便利さを知っているのも、最新のOSをインストールしているMacユーザーだけなのかもしれない。

あとは、本当に映像は『信じられないほど美しい』のか? レイテンシーなく動作するのか? パススルー部分はどのぐらいのクオリティで見ることができるのか? インタフェースは彼らが言うほど思い通りに動くのか? が気になる。

特に音声認識については、英語圏ではかなり優秀だが、日本語圏ではなかなか難しい部分もあるので、主要なインタフェースとして常用することになると、問題はあるかもしれない。Bluetooth接続のキーボードを使えることで気にならなくなればいいけれど。

さまざまな疑問はあるが、商品のUS発売、日本発売までに徐々に疑問は解決されていくだろう。発売が楽しみだ。

《村上タクタ》

村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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