生成AIグラビアをグラビアカメラマンが作るとどうなる?第73回:人力でプロンプトを書く時代はもう終わった?(西川和久)

テクノロジー AI
西川和久

1962年生まれ。プログラマー、IT系ライター、カメラマン(主にグラビア)と、三足の草鞋になってもう四半世紀。

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SD 1.5からそろそろ4年

8月はMiniMax H3で大いに盛り上がって生成AI画像ネタがあまり無く、ちょっと違った角度から記事を書いてみたい。

生成AI画像に関しては、Stable Diffusion 1.5が2022年10月に登場してからもうすぐ4年。SDXL 1.0/2023年7月、FLUX.1 dev/2024年8月。Z-Image/2025年11月、Krea 2が2026年6月……と、ざっくりこのような流れで現在に至っている。

そしてSDXL 1.0からFLUX.1 devの間で大きく変わったのがPromptの書き方だ。SDXL 1.0までは”photo of japanese woman, 20yo, camisole, shorts, smile, pool background, thigh focus, standing,”……と、こんな感じでキーワード毎に区切って書いていた。

またサンプラーのCFGが1.0より大きい関係でNegative Promptも必要。”SimpleNegative,illustration,3d,sepia,(painting),cartoons,sketch,(worst quality:2),”のように、出したくないものを列挙。()や:2などで重みを付けるパターンも。

隔月で行っている筆者のセミナーも現在ComfyUI対象になっているが、当初はPromptの書き方が中心。生成ロジックの話はしていなかった(主な生成環境がWebUIのAUTOMATIC1111だったということもある)。

ところがFLUX.1 dev以降、Promptの書き方が大きく変わった。テキストエンコーダーが強力になり、英文をそのまま理解できるようになったからだ。これに伴い、表現できる内容もグッとレベルアップしている。

とは言え、この辺りまでは旧式のキーワード区切り書式も有効。ポートレート的なものであれば特に問題はなかった。またCFG=1が一般的となりNegative Promptは不要に。

事情が変わってきたのはZ-Image、特に今年のIdeogram 4.0、Krea 2辺りからだ。Ideogram 4.0に関しては固有のJSON形式で書く必要があり、Krea 2はパラメータ数12B。もう半端な英語(笑)では通じなくなってしまった。

英語に関しては、筆者のように苦手な場合は、LLMやGoogle翻訳などを使い日本語で入力、英語にしてコピペするなど、一工夫が必要に……。

Prompt生成にLLMを使う(その1)

上記の方法でそれなりに生成は可能だが、もっとうまく生成するには、公式Promptガイドに沿って書けばより良く出る。各URLをまとめると以下通り(MiniMax H3は難しいという意味での参考)。

Z-Image
公式サイト: https://tongyi-mai.github.io/Z-Image-blog/
GitHub README(プロンプト実例・推奨設定の本体): https://github.com/Tongyi-MAI/Z-Image/blob/main/README.md
Hugging Face モデルカード: https://huggingface.co/Tongyi-MAI/Z-Image

Krea 2
Prompting guidelines(公式): https://github.com/krea-ai/krea-2/blob/main/docs/prompting.md
README: https://github.com/krea-ai/krea-2
Krea 2 公式サイト: https://www.krea.ai/
テクニカルレポート: https://krea.ai/blog/krea-2-technical-report

MiniMax H3(参考)
Base - FL2VA / T2VA / I2VA
Video Prompt Writing Guide (Base)
https://huggingface.co/MiniMaxAI/MiniMax-H3/blob/main/docs/VIDEO_PROMPT_WRITING_GUIDE_base_en.md
→ プロンプト構造、カメラ言語、シーン構成、T2VA/I2VAのベストプラクティスReference - Ref2VA
Video Prompt Writing Guide (Reference)
https://huggingface.co/MiniMaxAI/MiniMax-H3/blob/main/docs/VIDEO_PROMPT_WRITING_GUIDE_ref_en.md
→ マルチモーダル参照(画像・動画・音声)の扱い方、Ref2VAのプロンプト構築

ざっと目を通せば分かるが、翻訳して読んだところで、「じゃやってみるか!」的なものではなく、何かにメモってそれと睨めっこしながらPromptを書くことに。つまりもはや人間業ではかなり厳しい状態なのだ。

そう言った意味でMiniMax H3も参考でURLを記載したが、Ref2VAまで入れると少なくとも筆者的には無理!(笑)となる。

ではどうすれば? 方法的にはローカルLLMか、サービス系だとChatGPTやClaude(Code)などを使うことになる。

一番簡単なのは、ChatGPTやClaudeなどにPromptガイドのURLをコピペ。「URLのPromptガイドに基づきLLM用にSystem Promptを作って」。するとSystem Promptが出てくるので、LM StudioのSystem Prompt欄か、ComfyUIのLLM endpoint系のカスタムノードのSystem Promptへコピペする。

ClaudeにKrea 2 PromptガイドのURLをコピペしてSystem Promptを作る
LM StudioのSystem Prompt欄
LLM endpoint系カスタムノードのSystem Prompt

System Promptは、入力したPromptをSystem Promptに書かれたルールに沿って強制的に展開する仕掛けで、これを使えばKrea 2用やZ-Image用のPromptが作られる。またLLMを通るので日本語のキーワードを適当に並べるだけでもOKだ。

手入力したPromptは"日本人美女、夏、花火"(Krea 2は一応日本語Promptも使える)。左がそのまま右が専用System PromptをセットしたLLMを使い生成したPromptとなる。左側がアニメ調になるのは想定外だったがこれだけ差が出る。

もちろんLLMは外部サービスのAPIを呼ぶ場合も有効なので、ローカルLLMに限った話ではない。簡単な割に効果抜群なのでぜひ試してほしい。

関連する話になるが、最近ComfyUIのテンプレートを開くとPrompt Enhancer ON/OFFの項目があったりする。これは同じ方法でSystem Promptに最適化するものが入っており、LLM(多くの場合、生成で使うテキストエンコーダー用モデル)を使いPrompt拡張を行っている。

Prompt生成にLLMを使う(その2)

一歩進んだ?やり方としてエージェント(ハーネス)を使う方法がある。OpenClaw、Claude Code、Codex、DeepSeek Harness…何でもいいのだが、外部コマンドを呼べたり、Skillが使えるものがその対象だ。

やり方半分はその1と同じ。PromptリファレンスのURLを読ませる。ただここからが異なる。それは「Promptリファレンスの内容を理解、整理してmdにまとめて」。その1ではSystem Promptを作ってもらったが、その2ではまとめてmd(Markdown式のtext)にする。

以降は使用するハーネスにもよるのだが、CLAUDE.md/AGENT.mdに「Krea 2のPromptを作る時は先のmdを参照してから作る」などを書くか、mdをそのままSkill化する。これによって例えば「夏、日本人美女、祭り これをKrea 2用のPromptへ」的に書けば、mdに書かれたPrompt仕様に基付きPromptが出力される。

さらにComfyUI Krea 2用のWorkflow(API式JSON)を事前に読み込ませ、与えるパラメータはwidth/height/prompt、width/heightのデフォルトは1024/1536、ComfyUIサーバーは http://192.168.1.10:8188 などを指示、Skill化し、ハーネスから直接画像(動画も出来る)を生成することが可能となる。

ここまでやっていくと、「衣装を赤に」や「背景を夜景に」と、エージェントに指示、最適化したPromptを自動生成から画像生成まで一気通貫で出来てしまう。

余談になるが、特にこれを目的として作ったわけではないのだが、結果的にそうなってる(笑)、自作のハーネス、core-agentと言うのをGitHubに公開している。面倒なbuildは不要、Windows版とmacOS版のバイナリも置いてあるのでLLMのendpointさえ設定すれば即利用可能だ。

加えてDeepSeek V4 Flash 0731などVision非対応の場合、Qwen3.6系と言ったVision対応のモデルを画像認識の時のみ呼ぶと言う仕掛けも入っている。

自作ハーネス、core-agentを使いKrea 2用に最適化したPromptを作ってもらい、そのままComfyUIで生成、セッション内に表示
エージェントが自分で出力された画像をVisionで確認することも出来る。違った場合はPromptを修正しリトライ

実は連載でもこの手法は少し前から使っていて、例えば「作例6つ、全てバラバラな夏のシーン」と言った感じで指示、出てきた画像を(多少ガチャるが)載せている。

またPromptは全てmdへ保存してあるので、以降、参照しつつ少し違うPromptも安易に出力できる。管理面でも楽できると言うわけだ。

最近筆者のXには元ネタはこれ!として、MiniMax H3の動画を多く載せているのは全てこのパターン。

Seedance 2.0/2.5用など無関係に、元ネタのPromptをコピペ、MiniMax H3用へ、被写体、背景、衣装などの変更、長いものは15秒にまとめて…と指示、動画生成、調整しつつガチャってOKなのを掲載…と言った感じだ。動画用のPromptは長いものが多く、MiniMax H3用に修正しつつ、内容変更は人間業では不可能に近い。

とは言え、こうして出来上がった画像や動画、結局どのように修正するのか? そしてどれを載せるか? というのは人間の判断。これだけは外せない人間の仕事となる。

今回締めのグラビア

今回締めのグラビアはKrea 2を使用。扉と共に掲載サイズに合わせて長辺1920pxで生成した。もちろんPromptは上記の手法。筆者は単に日本語のキーワードをいくつか入れただけ。初期段階では1mmもPromptは書いていない(笑)。

ヘッダー画像をエージェントを使って作成中 / グラビアをエージェントを使って作成中

実際作業中の画面キャプチャはこんな感じだ。とは言え最後の微調整はさすがに手動。顔LoRAを軽く当てたり、キーワードを足したり消したり、そうして作ったのが今回掲載している扉とグラビアとなる。

日本語のキーワードをいくつか入れ、エージェントがKrea 2に最適化しつつ生成+筆者が微調整したグラビア!

月も残るところあと数日。何かまだあるのか? このままMiniMax H3フィーバーで終わるのか!?

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《西川和久》

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