みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。最近は変態と呼べるスマートフォンが出てこないなぁと悲しんでいる皆さんに朗報です。HONORが発表した「Robot Phone」は2026年3月に実機が公開予定のコンセプトモデルです。

スマートフォンからカメラが飛び出る機構はかなり以前に流行りましたが、Robot Phoneは、ただのカメラではなく小型のジンバルカメラが飛び出すしくみです。カメラが普段、収納されているのは背面のカメラバンプ部分。背面を見てみると、若干サイズが厚いものの、さほど違和感なく収納されています。

右側のカバーガラスがスライドして開き……。

ジンバルカメラが裏から表へ回転して出てくる機構。

ここまで変態なカメラフォンはスマホ史上、類を見ません。

今までのスマートフォンのカメラとは異なり、ジンバルカメラなので被写体を追いかけて撮影します。胸ポケットに入れておいても被写体の顔を自動で認識、トラッキングしてくれるというわけです。

机の上にスマートフォン本体を置いても、カメラが自由なアングルで撮影してくれます。

HONORのプロモーション動画を見ると、カメラが音声に反応して動いているのがわかります。AIアシスタントと組みあわせ、カメラの動きで表情のようなものを作り出すこともできる模様。例えばスタイルアシスタント機能で自分の服装をRobot Phoneに写すと、今日の天気に合っていればカメラが上下に首を振って、肯定の意見のような動作をしてくれます。ちょっとカワイイです。

HONORは2025年2月、バルセロナで開催されたMWC 2025で「HONOR ALPHA PLAN」を発表しました。これはHONORをスマートフォンブランドからAIデバイス・エコシステムのグローバルリーダーへと進化させるための3段階の企業戦略です。Robot Phoneの背面にはこのALPHA PLANを表すアルファのロゴが入っています。

ALPHA PLANの第1段階はエージェントAI搭載のスマートフォンによるスケジュール管理や予約など人間中心の利便性を実現。第2段階ではスマホ、PC、タブレット、ウェアラブルなど複数端末をつなぐオープンなAIエコシステムの構築を目指します。そして第3段階ではAGI(汎用AI)時代に向けて、AIを活用した産業連携と社会の可能性拡大を目指します。Robot PhoneはAIとカメラ機能を拡大させる、第1段階を実現するスマートフォンと言えます。

Robot Phoneは2026年3月にバルセロナで開催されるMWC 2026で実機が公開予定です。早く触れてみたいですね!
