みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。海外では毎月スマートフォンの新モデルが発表されています。特に中国では1ヵ月に20機種ほど出てくることもざらです。しかし、残念ながら日本に投入される製品はあまり多くありません。あれも欲しい、これも出してほしいとマニアな方々は海外の新機種発表のたびに思うでしょうが、私が今一番日本に出してほしいと考えているモデルがコチラ。
サムスンの「Galaxy Xcover7 Pro」です。

Xcoverシリーズは日本では名前すら知られてないと思いますが、Galaxyシリーズのタフネスモデルとして海外で展開されているモデルです。強固な性能と内部に外部接続端子を持つことからハンディースキャナーなど、ビジネス用途に利用されています。チップセットがSnapdragon 7s Gen 3、画面サイズは6.6インチ 2408×1080ピクセル、カメラは5000万画素広角と800万画素の超広角、フロントカメラは1300万画素。

IP68の防水防塵、MIL-STD-810H準拠、本体サイズは168.6×79.9×10.2mm、約240g。中国メーカーから多くのタフネスモデルが販売されていますが、Galaxy Xcover7 Proはサムスン製であること、本体サイズが普段使いできる大きさ、強力なセキュリティーシステムSamsung KNOXに守られていることなどから、個人・ビジネスどちらのユースケースでも安心して使うことができます。

ただのタフネススマートフォンなら中国メーカーの製品でもいいのでしょうが、Galaxy Xcover7 Proにはサムスンならではの特長がいくつかあります。最大の特徴は背面カバーが取り外し可能で、4350mAhバッテリーを交換できること。Xcoverシリーズは特にヨーロッパで根強い人気があるのですが、自分でバッテリーを交換して数年使い続けられるというメリットがあるのです。また、入手ルートはさておき現場向けの周辺機器メーカーからは大容量バッテリーも販売されています(写真は「Xcover6 Pro」用)。

前モデル「Galaxy Xcover7」は2024年1月に発売されています。こちらはカメラが5000万画素のシングルのみと、一般ユーザーが使うにはやや物足りない性能でした。Galaxy Xcover7 Proはデュアルカメラになったことでミドルクラスのスマートフォンと変わらぬ使い勝手を提供します。

手袋をしたままでも操作しやすいように、右側面と上部にショートカットボタンも搭載。好みのアプリを割り当ててワンタッチで起動できます。赤く大きなボタンは非常に目立ち、これは一般ユーザーにも便利でしょう。

私はXcover7を実際に使ってみたことがありますが、上部のボタンは側面より誤操作しにくいと感じます。側面のボタンは手袋をしたままだと誤って電源ボタンを押してしまうこともあるからです。

手袋と言えば画面タッチもそのままできます。いちいち手袋を脱がなくていいのは便利。表面はGorilla Glass Victus+でカバーされています。

Galaxy Xcover7 Proの価格はアメリカで599.99ドル(約8万7000円)。メモリ構成は6GB+ストレージ128GB。この手のタフ端末は一定の需要があるはずですから、クラウドファンディングなどで日本でも販売してほしいものです。