【ギャップ萌え】佐賀の廃校内の一角が最新AI推論の拠点に

テクノロジー AI
矢崎飛鳥(ACCN)

テクノエッジ編集長。Wikiの「スマートフォン」ページに略称“スマホ”考案者として記述あり。週一以上ライブへ通う音楽好き。ヨボヨボのハタチ

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株式会社ハイレゾが玄海町でデータセンターの開所式を行うというので、拝見してまいりました。佐賀県の玄海町にある旧有徳小学校(10年間、野晒しだったそう)がAI時代の新しいインフラ拠点として生まれ変わる現場です。

▲150年前に建てられた旧有徳小学校(2015年に廃校)

▲地図上に示すと、だいたいこの辺り

▲エントランスはしっかりとリノベ。時計も正確に時を刻んでいた

▲中へ入ると、一見フツーのオフィス風だが…

▲サーバールームへ続く道は、在りし日の学舎の姿そのまま

▲ふと窓から外を見ると、石碑があったりして情緒溢れる

▲電源や監視システムなどは、最新のものが導入されている

AIの処理には大きく分けて「学習」と「推論」があり、さらに推論は「リアルタイム推論」と「バッチ推論」に分かれます。リアルタイム推論はChatGPTのようにユーザーが質問するとすぐに答えを返すもの。一方、バッチ推論は大量のデータをまとめて処理する方式で、速度より効率が重視されます。例えば数千本の動画に対して一括で字幕を生成したり、大量の画像を一度に解析したりといった用途です。バッチ推論はリアルタイム性を求めないため、電気代の安い地方のほうがいいというわけで、ここを選んだと言います。

▲「AI用の推論、特にバッチ推論に特化したデータセンターは日本初の試み」と話すハイレゾの志倉喜幸代表取締役

実際のサーバールームも拝見しました(ただ、撮影は禁止でした)。

▲サーバールームは全部で3つ

▲同社資料より。実際は、この上部に通気用の設備がある

1教室あたり40台、計3教室をサーバールームとして活用しています。すなわちNVIDIA RTX A4000×120台。教室の耐荷重制限があるため、このような分散配置になったとのこと。

志倉氏は「地方においてコストパフォーマンス良く、計算力を提供することが求められている」と強調。玄海町の脇山伸太郎町長も「人口減少や高齢化という課題に対応するため、新たな産業の創出が喫緊の課題だった」と地方創生への期待を込めています。

現在、現地採用の従業員4名が勤務。今後は施設を拡張し、全国の地方部にも展開していく計画です。

廃校活用とAI、地方創生が結びついた興味深いプロジェクト。教室にサーバーラックが並ぶ光景は、まさに時代の変化を象徴していました。日本各地に眠る廃校が、AI時代のインフラ拠点として活用される新しいモデルケースになるかもしれませんね。

《矢崎飛鳥(ACCN)》

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