香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。7月1日(現地時間)ロンドンで発表されたNothing Phone (3)の実機をじっくり触ることができたので、外観を中心にレビューしていきます。

ディスプレイは6.67インチAMOLED、1.5K解像度、リフレッシュレート最大120Hz、HDR10+に対応。画面はGorilla Glass 7iでカバー。フロントカメラは5000万画素です。

背面もガラスカバー仕上げ。カメラは5000万画素(広角/OIS)+5000万画素(ペリスコープ3倍光学ズーム/OIS)+5000万画素(超広角)+AIセンサーという組み合わせ。右上にあるのが話題のGlyph Matrixです。

本体右側面は、上にあるのが電源、その下がAIボタン、Essential Keyです。バッテリー容量は5150mAh(シリコンカーボン)、65Wの急速充電、15Wのワイヤレス充電、7.5Wのリバース充電に対応します。

本体左側にボリュームボタン。本体サイズは160.6×75.6×9 mm、218g。写真のモデルはブラックで、ホワイトもあります。

底面にはUSB Type-C端子、SIMカードスロットが備わっています。カメラは3つのレンズを独立して配置。でっぱりが高く見えますが、実際に本体を握ってみると、さほど気になりません。

OSはNothing OS 3.5、ベースOSはAndroid 15。Android 16ベースのNothing OS 4へのアップデートが予定されています。5年のOSアップデート、7年のセキュリティアップデートを提供。レビュー機はグローバルモデルでFeliCaがありませんが、技適は取得済みです。

「Nothing Essential」は、側面のEssential Keyを押して保存したスクリーンショットや音声をEssential Spaceで保存、整理できる機能。日々気になった情報を保存しておくだけで、AIがうまくまとめてくれます。ほかにカスタム壁紙の生成AIツールWallpaper Studioや、ChatGPTを使ったアクション機能も搭載。もちろん、Android標準としてグーグルのGeminiも利用できます。

背面のGlyph Matrixは、これまでのLEDライトに変わって通知や情報を表示してくれまる。通知が来た時などに自動で点灯しますが、常時点灯させることも可能。Glyph Toysと呼ぶミニアプリを動かすことも可能です。点灯の手動ON・OFFはGlyph Matrixのすぐ下に見える半円のデザイン、さらにその下に見える円形の部分がタッチセンサーボタン「Glyph Button」で、ここを指先でタッチします。タッチでON・OFF切り替え、タッチを続けるとGlyph Toysが切り替わり、もう一度長押しするとGlyph Toysを起動できます。

Glyph Toysでミニアプリとして動作するのは瓶回し、ストップウォッチ、Glyph ミラー、じゃんけんなどで、Glyph Buttonを長押しすると円形ディスプレイの中で瓶が回ったり、時間が動いたり、ドットLEDで自分の顔を写したりできます。Glyph Toysのタイムアウト時間も設定可能、常時ONにするGlyph Toysも選べます。

通知時にGlyph Matrixに表示するアイコンはプリセットされたものから自由に選べます。センスのいい感じのアイコンが多いのがNothingの製品らしいなと感じます。またアイコンは自作も可能。写真から自動的にドットLEDアイコンへの変換も行えます。標準では通知は2種類しか設定されていないため、自分好みの通知設定を追加もできます。

実際に私の顔写真をドットにしてみました。写真は暗めより明るいほうがいい感じにドットに変換してくれるようです。

カメラは5000万画素トリプル仕上げということで、どの画角でも満足いく撮影ができます。クイック設定画面などは歴代のNothing Phoneと同等でしょう。撮影モードはアクション、マクロ(テレマクロ)、ポートレート、写真、動画ほか6つ。

写真の倍率は標準で0.6倍 - 1倍 - 2倍 - 3倍 - 6倍表示、最大デジタル60倍までに対応。モノクロモードなど5種類のプリセットカラーも選べます。動画は最大デジタル18倍まで。4K 60fpsまでに対応します。

実際の作例です。撮影時のパラメータがわかるようにウォーターマークを付けています。日中ですが雨天時に街中を撮影、1倍と超広角の0.6倍です。0.6倍も5000万画素なので明るさが低下することなく満足いく撮影結果が得られました。なお標準では1200万画素で撮影されます。


近距離撮影。1倍カメラでもある程度寄れますが、3倍望遠を使ったテレマクロならかなり寄れます。


夜景撮影。0.6倍、1倍、3倍どれも美しく写っています。



デジタル6倍でも十分な画質。

カメラに関してはハイエンドモデルと呼ぶにふさわしい性能だと思います。日本ではいつごろ発売になるのでしょうか、発表が楽しみです。