M3 MacBook ProをM2搭載モデルと比較。見た目は同じ、中身はどこが違う?

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Munenori Taniguchi

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「Scary Fast」イベントで発表され14インチおよび16インチMacBook Pro。その心臓部であるM3 / M3 Pro / M3 Maxチップは、従来のモデルと比べて性能が15%以上向上したとAppleは述べています。

ではM2世代のMacBook Proとはどこが違うのでしょうか?この記事では先代であるM2 MacBook Proと、最新モデルの違いをまとめてみました。

M3 対 M2

新しい14インチMacBook Proには唯一、標準のM3チップ搭載モデルが用意されています。これは、今回のイベントに併せて販売を終了した13インチMacBook Proの後継的なポジションを担うモデルと考えると良さそうです。そう考えると、従来のMacBook Proの後継は、M3 Pro以上のチップを搭載したモデルということになります。

M3 Proチップは、11コアCPUと14コアGPUの組み合わせと、12コアCPUと18コアGPUの組み合わせの2種類が存在します。M2 Proも複数の種類がありましたが、上位モデルは12コアのCPUと19コアのGPUという組み合わせになっていて、コアの数に関してはM2世代のほうが多くなっています。また、メモリー帯域幅もM3 Proが150GB/sなのに対しM2 Proは200GB/sで、数字だけを見ればその性能は後退しているようにも思えます。

M3 MaxチップもM3 Proと同様で、CPUとGPUのコア数、メモリー帯域幅の異なる2種類が存在しますが、やはりコア数や帯域幅の数字だけならM2 Maxのほうが優れているように見えます。

ただし、M3シリーズのチップは、個人用PC向けとして業界初を謳う3nmプロセスで製造され、CPU性能はM2シリーズに比べて約15%高速だとされ、M2シリーズからコア数を減らし、メモリー帯域幅を縮小してもなおアドバンテージがあるということのようです。

またGPUも大きな強化ポイントでで、ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングにより、より複雑なシーンレンダリングと、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングがMacに初めてもたらされます。また新たに「Dynamic Caching」と称するローカルメモリー割り当ての技術が導入されており、重い処理においてこれまでより有効なリソース活用が可能になっています。そのほか、メディアエンジンにはAV1コーデックへの対応が追加されました。

14インチ
MacBook Pro
(2023年10月発表)

14インチ
MacBook Pro
(2023 1月発表)

16インチ
MacBook Pro
(2023年10月発表)

16インチ
MacBook Pro
(2023 1月発表)

チップ

Apple M3

8コアCPU(高性能x4、高効率x4)
10コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
100GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Pro

11コアCPU(高性能x5、高効率x6)
14コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
150GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Pro

12コアCPU(高性能x6、高効率x6)
18コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
150GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Max

14コアCPU(高性能x10、高効率x4)
30コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
300GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Max(オプション)

16コアCPU
40コアGPU
400GB/sメモリ帯域幅

Apple M2 Pro

10コアCPU(高性能x6、高効率x4)
10コアGPU
16コアNeural Engine
200GB/sメモリ帯域幅

Apple M2 Pro

12コアCPU(高性能x8、高効率x4)
19コアGPU
16コアNeural Engine
200GB/sメモリ帯域幅

Apple M2 Max

12コアCPU(高性能x8、高効率x4)
30コアGPU
16コアNeural Engine
400GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Pro

12コアCPU(高性能x6、高効率x6)
18コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
150GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Max

14コアCPU(高性能x10、高効率x4)
30コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
300GB/sメモリ帯域幅

Apple M3 Max

16コアCPU(高性能x12、高効率x4)
40コアGPU
ハードウェアレイトレーシング
16コアNeural Engine
400GB/sメモリ帯域幅

Apple M2 Pro

12コアCPU(高性能x8、高効率x4)
19コアGPU
16コアNeural Engine
200GB/sメモリ帯域幅

Apple M2 Max

12コアCPU(高性能x8、高効率x4)
38コアGPU
16コアNeural Engine
400GB/sメモリ帯域幅

ディスプレイ

ディスプレイ仕様は新旧モデルでほとんど変わりありません。ただし、SDR輝度の項目が500ニトから600ニトに引き上げられています。

メモリー(RAM)

ユニファイドメモリーは選択するチップのグレードによって容量が変わります。M2 PRoとM2 Max搭載の旧モデルではメモリー容量の選択肢は16~96GBの範囲で選択肢が提供されていましたが、M3(無印)が含まれる新しい14インチおよび16インチMBPでは、メモリー容量も下は8GBから、上限は128GBと幅広くなっています。ただし、購入時に最初に考慮するのはチップそのものの仕様になるはずなので、それに応じたメモリー容量の選択肢は2~3種類に絞られます。

ストレージ

ストレージはすべてSSDとなり、512GB / 1TB / 2TB / 4TB / 8TBの中からの選択となります。ただし、プロセッサーの種類によって選択可能な容量が異なり、8TB SSDはM3 Maxチップを選んだ場合のみ選択可能です。

本体カラー

本体カラーはM2シリーズ搭載MacBook Proがスペースグレイとシルバーの2色だったのに対し、M3 Pro、M3 Max搭載モデルはスペースブラックとシルバーの2色になります。標準のM3チップ搭載MacBookのみ、先代と同じシルバーとスペースグレイのラインナップになります。

外部接続端子

外部接続端子の種類はM2 MacBook ProとM3 MacBook Proで違いはありません。ただし、標準のM3チップ搭載モデルのみ、SDXCスロット横のThunderbolt 4端子が省略されています。

まとめ

ノート型のMacに高性能を求めるのであれば、M3 MacBook Proを選ぶのが最適な選択です。ただし、Macの買い換えを検討している人はおそらく、M2チップよりもM1チップ搭載モデルやそれ以前のMacBook Proからの買い換えになる可能性のほうが高いでしょう。それら古い世代からの更新なら、M3 MacBook Proの速度向上が十分に実感できるはずです。一方、M2 MacBook Proを使っているユーザーは、慌てて買い換える必要はないでしょう。

税込価格は、14インチMacBook ProのM3搭載モデルが24万8800円から。M3 Pro搭載なら32万8800円から、M3 Max搭載モデルは53万8800円から。16インチMacBook ProはM3 Pro搭載モデルが39万8800円から、M3 Max搭載モデルは55万4800円から。ちなみに16インチMacBook Proでメモリーを128GB、ストレージを8TB SSDの最大構成にすると、その税込価格は109万2800円になります。

新しいMacBook Proの発売は11月7日。現在は予約を受け付けています。

《Munenori Taniguchi》
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