アップル、仏当局からのiPhone 12電磁波問題を否定もアップデートで対応へ。EU各国への問題拡大前に沈静化はかる

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Munenori Taniguchi

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フランス国家周波数庁(ANFR)が、iPhone 12の発する電磁波のレベルが規制値を超えていると指摘したことを受け、アップルは当初反論していたものの、近く当局の指示どおり、ソフトウェアアップデートをリリースすることにしたとReuters他にコメントしています。

Reutersによると、アップルは引き続きiPhone 12の発する電磁波は世界各国が定めた基準に適合していることを主張しています。そして、ハードウェア上で電磁波の出力レベルは調整できないとしたうえで、ソフトウェアアップデートによってフランス当局が使用するプロトコルへの対応を図ると述べています。

アップルとしては、この対応で当局による検査は十分に通過できると考えており、「これはフランスの規制当局が使用する特定の試験プロトコルに関連するものであり、安全性への懸念ではない」と述べ、「iPhone 12が引き続きフランスで入手可能になるのを期待している」としました。

フランスでiPhone 12に対して指摘された電磁波強度の基準は、科学者らが電磁波によって何らかの害が生じるのを発見した強度よりもはるかに低いため、(たとえ現在のままiPhone 12を使い続けても)実質的な安全上のリスクはないと専門家らは述べています。

さらに、アップルは9月12日(日本時間13日)にiPhone 15を発表しており、すでにオンラインのアップルストアから新品でiPhone 12を購入することはできなくなっています。とはいえ、店頭在庫や中古での流通はあり、フランス当局が提案していたソフトウェアアップデートを拒否した場合、アップルにはiPhone 12のリコールをするよう指示される可能性がありました。


EU各国は、自国の検査結果と異なる判断を下したフランス当局の動きに関して、異なる対応を見せています。たとえばベルギーは自国の規制当局の審査結果に基づき、iPhone 12がユーザーに危険をおよぼすことはないとしつつ、アップルにはEU加盟国全体で同様のソフトウェアアップデートをリリースするよう求めています。デンマークも、iPhone 12の使用によってユーザーが受ける電磁波については懸念していないと述べ、フランスの調査に続いて独自の対応をとる予定はないとしています。

一方、イタリア・ローマの政府関係者はReutersに対し、イタリアとしてアップルに何か要請したり、個別の決定を下すのは、フランスでの対応が終わった後になるとしました。

オランダのデジタルインフラ当局は、消費者から懸念の声を受けて、2週間以内に独自の調査を行うとし、ドイツ・フランスの関係当局と連絡を取り合っているとしています。

結局のところ、これは重大な安全問題というよりは、iPhone 12に関するフランスの検査方法とアップルの対応にわずかな食い違いが見つかったというだけの話だったのかもしれません。英国の市場調査企業CCS Insightのリード・アナリストベン・ウッド氏は「最終的には、この問題全体がすぐに忘れ去られることになるのではないかと思う」とReutersに語っています。


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《Munenori Taniguchi》

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