Logic ProとFinal Cut Pro、ついにiPad版登場。サブスクオンリーで5月24日提供開始

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松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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アップルは自社のMac用音楽制作アプリ「Logic Pro」と動画編集アプリ「Final Cut Pro」をiPadで提供することを発表しました。提供開始は5月24日から。買い切りではなく、月額または年額のサブスク方式です。

▲上はLogic Pro for iPad、下はFinal Cut Pro for iPad

Logic Pro for iPadは、プロセッサがA12以上で、iPadOS 16.4以上が動作することが条件。Final Cut Pro for iPadはもう少し厳しくて、12.9インチiPad Pro(第5世代と第6世代)、11インチiPad Pro(第3世代と第4世代)、iPad Air(第5世代)。つまりM1以上ということです。iPadOS 16.4以上が動作するのは同じ。価格はどちらも月額700円または年額7000円で、1カ月の試用期間がつきます。

現在売られているiPadとMacはSoCはどちらもAppleシリコンを使っており、性能的には大きな差はありません。むしろメディア制作においてはiPadの方がタッチインタフェースが使える分、多様なことができ、特に音楽制作アプリにおいては楽器の演奏が本体だけでできるiPad版GarageBandの方がMac版Logic Proより優れている部分があります。

例えばLive LoopsというAbleton Liveのライバル的機能はまずGarageBandで導入され、それが遅れてLogic Proに取り入れられました。シーケンサーもGarageBandの方が先行した機能もあります。ならば、Logic ProをiPadに持ってくる方がいいのではないか。そう考えるのも自然なことです。

今回の発表で、その長年の夢が叶ったわけです。

ただ、必ずしも機能が同一というわけではなく、Mac版にはあるのにiPad版にはない機能もありそうです。Mac版Logic Proの大きなセールスポイントの一つであるピッチ編集機能Flex PitchがiPad版にあるかどうかは現時点で不明です。また、Logic Proで可能になったDolby Atmosの空間オーディオ編集機能も少なくとも初期段階では入ってなさそうです。

また、MacとiOS/iPadOSのオーディオプラグイン規格であるAudio Unitsへの対応、特にWavesやiZotopeといった大手プラグインメーカーの動きが気になるところです。

Logic Proについては、これまでもLogic Remoteという無料アプリでiPadをコントロールサーフェスに使えていたので、スタンドアロンで使うのでなければ、そちらを使い続けることも可能です。

一つ、これは新しいと思える機能があります。Beat Breakerの画面では、オーディオクリップをスライスし、その緩急を直線や曲線で細かくコントロールできるというもののようです。

▲Logic Pro for iPadの新機能と思われるBeat Breaker

Final Cut Pro for iPadでは、4台までのマルチカム編集が可能で、Apple Pencilによる精度の高いスキミング、シーン除去といった機能が特徴です。Apple Pencilで動画に直接描画することも可能。また、iPad本体のカメラを使って撮影したProResビデオをそのまま編集に持っていけるというメリットもあります。

iPad用動画アプリとしては純正のiMovieがありますが、機能はそこそこで、より高機能な動画編集ではサードパーティのLumaFusionや、最近ではDaVinci Resolveを使うというのが一般的でしたが、これでアップル純正であるiMovieからのプロジェクト読み込みが簡単になります。DaVinci Resolveも新機能を追加していくという計画なので、Final Cut Proとの切磋琢磨による機能強化が期待できるでしょう。

《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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