iPhone 15(仮)は遂にUSB-C採用、ただしアップルのMFi認証有無で機能制限?のうわさ

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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アップルは今年秋の「iPhone 15」シリーズで、ついにLightningに替えてUSB-C端子を全モデルに採用すると見られています。

EUが2024年秋までに域内で販売されるスマートフォンやアクセサリーなどに有線の充電端子としてUSB-C採用を義務づけたことを先取りする格好です。


これまで買い揃えてきたUSB-Cケーブルを使い回せる、他の機器とようやく統一できる……と思いきや、アップルは従来のLightning関連アクセサリーと同じく、USB-Cでも独自のMFi(Made-for-iPhone)認証プログラムを設ける可能性が浮上しています。

今回の情報の出どころは、中国SNSのWeiboでスマートフォンやマイクロチップの情報を発信するアカウント手机晶片达人の発言です。アップルが「今年の新型iPhoneやMFi認証アクセサリーに使う(USB)Type C-LightningインターフェースICを独自開発した」と述べ、TSMCなどアップルの主要パートナー企業らが拠点を置く台湾・新竹市の地名を添えています。

つまり今後のUSB-Cを備えるiPhone+次期 iOSが、ポートに何を挿されたのかを認識し、それにより動作を変える可能性があるということ。たとえコネクタの物理的な形状がUSB-Cになっても、アップルが独自仕様のMFi認証を引き継ぎ「サードパーティー製品を認証、ライセンス料を頂く」エコシステムを続けるかもしれない、ということです。

とはいえ、アップルは現時点でも iPhoneと非MFiのサードパーティ製Lightning製品の接続を物理的に封じているわけではなく、ユーザーが自己責任のもとでMFiマークの付かないケーブルで充電できている現実があります。またiPadやMacBookのUSB-C / Thunderboltポートも、アップル認定のアクセサリー以外でも問題なく使えており、囲い込みがやって来ると断じるのは早計でしょう。

このWeiboでの発言の信憑性は別として、USB-C接続向けの「Lightning的インターフェースIC」の可能性としては、iPhone 15では標準的なUSB-Cケーブルで通常速度での充電やデータ転送はできるが、高速データ転送や急速充電などの機能については、MFi認証済みケーブルやアクセサリーに限定するような使い方は考えられます。

あるいはUSB-C変換チップにより、これまでの純正/MFi認証アクセサリーを安全に流用可能にするためのICという意図もあるかもしれません。全世界に流通している無数のLightning対応機器をアダプターを介してiPhone 15でも使えるようにすれば、それはEU新法の「電子産業廃棄物を減らすために、充電端子を統一する」目的とも合致し、ひいては規制当局のアップルに対する心証を良くするのかもしれません。

また別の有力アナリストは、通常モデルの「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」では端子としてUSB-Cを採用しつつ、転送速度はLightningと同じくUSB 2.0相当に据え置き、高価な「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」はUSB 3.2またはThunderbolt 3に対応し、高速データ転送や4Kディスプレイ出力が可能になると予測しています。


こうした標準モデルとProモデルとの「USB-C格差」は、すでにiPadシリーズで実装済みです(第10世代iPadのUSB-CポートはUSB 2.0相当)。端子形状が同じで性能や機能に差があるのは、USB-C自体の規格がそうなっているからでもあります。

いよいよアップルの主要製品がUSB-Cに統一されるタイミングで、「分かりにくいUSB-Cをユーザーにとって使いやすく」等の掛け声で、新たなMFi規格を打ち出してくる展開もあり得そうです。


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《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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