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マイクロソフト、ChatGPT会話AIをBing検索に統合へ

テクノロジー AI
Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

ウェブライター

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ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他

特集

irissca / AdobeStock

OpenAIが昨秋公開したテキスト対話型AIツール 「ChatGPT」は、瞬く間に世界中で注目を浴び、公開からわずか1週間ほどでユーザー数が100万人を突破していました。

そしていま、マイクロソフトはこのチャットツールを自社の検索サービスBingに連携させ、ユーザーからの質問に回答する機能を提供しようとしています。

記事執筆時点で、マイクロソフトもOpenAIも報道された内容を確認するコメントは出していませんが、The Informationによれば、マイクロソフトは3月にもChatGPTの機能を組み込んだBingの提供を開始する予定とのこと。

ChatGPTがどのような格好でBingに組み込まれるのか、具体的なことはまだわかっていません。現在のBingでは検索文中のキーワードに関連するウェブページへのリンクや、構造化されたナレッジのカードを結果として返すのに対して、ChatGPTにそうしたデータを学習させることで、質問の答えそのものを直接提供するようになる可能性は考えられます。

インターネット検索エンジンは、長年にわたりGoogleが圧倒的なシェアを握っており、2番手のBingは大きく水をあけられています。今回、Googleがベータ版として提供中のチャットボット「Language Model for Dialogue Applications(LaMDA)」などより知名度が高く、話題性もあるChatGPTを取り込むことで、この検索市場に少しでも変化をもたらすことをマイクロソフトは考えていそうです。

昨年11月に公開され、またたく間に話題になったChatGPTですが、開発元のOpenAIとマイクロソフトの関係は2019年にさかのぼります。この年、マイクロソフトは、人工知能とクラウドコンピューティングツールの研究・開発のため、OpenAIに10億ドルを投資していました。また、マイクロソフトは昨年、OpenAIのテキスト画像生成AI「DALL・E 2」の、Bingへの統合計画も明らかにしています。

なお、OpenAIは将来的に現在のChatGPTの提供を有料化する方針であり、そうなれば、いずれはChatGPTを無料で使えるのはBingだけ、ということにならないとも限りません。マイクロソフトのCTO、ケヴィン・スコット氏は、「2023年はAIコミュニティにとってこれまでで最もエキサイティングな年になると、ある程度の自信を持って言えると思います」と述べています

ただChatGPTに関する世の中の評価は、すべてがすべて称賛ばかり、というわけでもありません。ニューヨーク市は、公立の教育機関において学生がChatGPTを使用することを禁止したことが報じられています。その理由は、学生たちがChatGPTを使って課題や宿題などの回答を得るなど、学習の妨げになることが懸念されるから。

意外とChatGPTの守備範囲は広く、詩やエッセイのような文章から、技術的な文書まで、まるで人が書いたような文章で生成できる場合があることから、NYC 教育部門の広報担当者Jenna Lyle氏は「(ChatGPT)ツールは、質問に対する迅速かつ簡単な回答を提供できるかもしれませんが、学業や生涯の成功に不可欠な批判的思考や問題解決のスキル構築には役立たない」と教育関連ニュースサイトChalkbeatに述べています

一方でChatGPTは、不得意分野についての質問には、あたかもそれを知っているかのように、適当な内容の回答を返すケースがあることも話題になっていました。

学習した知識の範囲で回答できる質問なのか判定し、自信がある場合のみ回答するようチューニングできなければ、何も知らない学生が安易にChatGPTを使った結果、誤った知識をAIから教わってしまう可能性もあるかもしれません。


ちなみに、同じようなことは20年ほど前、Googleがそれまでになく高速かつ高精度な結果を返す検索エンジンとして急速に普及した時期にもありました。当時も、一部では学生たちがインターネットで課題の答えを探してしまい、自ら学習する機会を損ねてしまうといった、今回と同じような心配の声があがっていました。

道具はそれを使い、試行錯誤や工夫を繰り返すことで磨きがかけられ、良くなっていくものです。ChatGPTのような新しいツールも、使う側ががきちんと正しい場面で適切に利用すれば、いつかそこにあるのが当たり前な道具になっているはずです。


《Munenori Taniguchi》
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