Rokidのカメラ付きAIグラスは翻訳も自在、写真や動画撮影もキレイ(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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特集

みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。普段スマートフォンばかりを追いかけている私ですが、最近気になっているのがAIグラス。カメラ内蔵で写真を写したり、カメラを通した被写体をAIで解析したり、さらに音声でAIアシスタントを使えるといった製品です。スマートフォンの画面を目の前に大きく投影するARグラスではありません。

これらスマートグラスの先駆者はMetaですが、同社の「Meta Ray-Ban Display」は799ドル(約12万5000円)と高価。10万円を切るAIグラスもいくつか出ていますが、HTCの「VIVE Eagle」のようにディスプレイ表示が無いものもあります。私は台湾で発売日に試してみましたが、音声やカメラ認識による翻訳など実用レベルで使うことができたものの、AIからの回答が音声だけというのに物足りなさを感じました。

このHTCの製品が販売されたころ、クラウドファンディングでRokidが「Rokid AI Glasses」の支援を開始。こちらはディスプレイ表示が可能なAIグラスで、価格もVIVE Eagleと変わらない7万円台。無事目標金額を達成し出資者には順次製品が送られるようですが、先行して中国では正規販売が始まりました。そこで購入者の方にお会いして試用させてもらうことができました。

重量はレンズ込みで49g。210mAhバッテリーを内蔵し、4~10時間の使用が可能。ケースに3000mAhのバッテリーが搭載されており約10回の充電が可能です。Snapdragon AR1 Gen 1プラットフォームでメモリ2GB、ストレージ32GBを搭載。デュアルAACスピーカー+4マイクアレイ(AIノイズキャンセリング)仕様で、無線はBluetooth 5.3、Wi-Fi 6に対応します。

本体の操作は音声の他、右のテンプルにあるボタンとテンプルのタッチセンサーを使い明るさ調整、音量調整、写真撮影などに対応。充電は専用のマグネット型を使います。

ディスプレイはMicro LEDで片眼480 x 398ピクセル、輝度は1500nitsで視野角は23度です。グリーンのモノクロ表示ですが細かい文字もはっきりと見れます。下の写真では文字がうまく写っていませんが、実際に目にかけてみると目の前に約30文字x6から8行の表示が現れます。

簡単なグラフィックの表示も可能で、地図を表示してのナビゲーションもできるようです。なお、こちらの写真も地図がきれいに写っていませんが、実際は細部まではっきり見えます。

装着感は自然で重さも感じられず、普通の眼鏡として使うことができそうです。私は眼鏡を普段かけないものの、このグラスなら常用できると感じました。

実用性のある使い方としては同時翻訳が便利でした。外国人と相対して会話する際、Rokid AI Glassesのマイクが開いての声もうまく拾ってくれ、ほぼリアルタイムに翻訳し、目の前にテキスト表示と音声で日本語を出してくれます。なお、テキストなどが表示されるとき、眼鏡の角度によっては表示内容が反転して相手側から見えるようです。

翻訳内容はアプリにも表示されます。アプリでは他にカメラからの写真や動画を転送して保存可能。カメラは1200万画素のソニーIMX681センサーで、f値は2.25。最大3024 x 4032ピクセルの写真撮影が可能。動画も保存できます。

実は最も気になったのがカメラの画質です。AI用途だけではなく、普段の取材時に物撮りなどに使えたら、補助カメラとして十分役に立つからです。実際の撮影した写真はこんな具合。まあまあ撮れていますね。

最近はAIグラスが他のメーカーからも次々と出てきていますが、私の心は、ほぼRokid AI Glassesの購入に動いています。今後AIグラスの競争が激化して価格がもっと下がってきたら、AIグラスの普及も一気に進むでしょう。

《山根康宏》

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