IFA会場でスマホより多く見かけたのは? 2026年はAIグラスがブームの兆し(スマホ沼)

ガジェット ウェアラブル
山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

  • homepage
  • facebook
  • X

スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

特集

みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。メガネに内蔵されたカメラやマイクを通してAIエージェントが使える「AIグラス」。先日メタが「Meta Ray-Ban Display」を発表しましたが、2025年9月上旬にベルリンで開催されたIFA 2025の会場にはAIグラスがあふれていました。

私が最も注目していたのはRokidの「Rokid Glasses」。RokidといえばXREALとARグラスで競争しているメーカーですが、AIグラスではXREALより先にメタの製品同様の、レンズ部分がHUDディスプレイになっているRokid Glassesをまもなくグローバル市場に投入します。

音声指示、あるいはカメラの映像を通してAIエージェントに質問。そのやりとりのチャットや翻訳文章を表示できます。すでに中国では販売中で、筆者も買おうかと考えているところでした。同社ブースでじっくりと試してみましたが、使い勝手は良さそうです。カメラも記録用として十分使えました。

こちらは透明ボディーのモバイルバッテリーなどを出しているShargeのAIグラス「Loomos AI Glasses」。フレームが同様に透明(トランスルーセント)デザイン。こちらはHUDはなく、音声でAIアシスタントに質問、音声で回答、というもの。なお、どのAIグラスもフレームにはスピーカーが内蔵されており、音声での回答に対応しています。

ところが、このモデルはまもなく旧製品となりそうです。現在、新しい製品を開発中とのこと。発表したのはCES 2025ですが、それからわずか半年ちょっとでより性能やデザインをブラッシュアップした製品を出そうとしているのです。AIグラスは市場がこれから拡大することが予想されますが、市場の立ち上がりが急速に進んでおり、最新機能の搭載は必須なのでしょう。

さて、私が「AIグラスが来る」と感じたのは、とにかくいろいろなブースで見たから。こちらは中華スマートフォンのDoogeeブースで、関連会社が開発中のAIグラス。機能は、ほぼ同等でしょうが、デザインのバリエーションが多数あります。価格や発売時期は未定、HUDはなく音声のみですが、予価200~300ドルくらいの製品もいくつか見かけました。

スマートウォッチとワイヤレスイヤホンを手掛けるメーカーは山のように出ていますが、それらのメーカーのブースにも今年はAIグラスの山。ウェアラブルデバイスを手掛けているメーカーにとって、めがねをスマート化するなど容易いことなのでしょう。なお、ODMメーカー(製品開発を行い相手先ブランドに提供する)も数社でており、AIグラスの基本的な製品プラットフォームがすでにできあがっているようです。

スタートアップエリア(IFA NEXT)でもAIグラスを出している企業が数社ありました。AI機能も、もちろん搭載していますが、まだまだ「カメラ」「オーディオ」のほうがアピールしやすいのかも。

こちらはAI翻訳に特化したグラス。レンズにHUDを搭載、音声会話をAI処理してリアルタイムで翻訳文章をメガネ内に投影してくれます。

実際にこれを使ってブースのスタッフと会話しましたが、日本語と中国語で数分の会話が滞りなく行えました。AIグラスはかけるだけ&ハンズフリーでとにかく手軽。展示会取材に必須のアイテムではと思えたくらいでした。

そもそもIFAは年々スマートフォンの展示が少なくなっています。今年は中華系メーカーのブースもしっかり回ったのですが、どのメーカーもAIグラスが必ずある、といった状況。これはBlackviewの開発中の製品。

昨年のIFA 2024はスマートリングだらけでした。今年は昨年ほどではないものの、リングは普通に置いてある状況今年のトレンドはこのAIグラスというわけです。ここまで製品が増えてくると、日本でもそのうち普通に買えるデバイスになるのではないでしょうか。


《山根康宏》

※テクノエッジが運営する有料会員コミュニティ、テクノエッジ アルファに加入すると参加できるDiscord内、「スマホ沼」チャンネルにおいて、記事に関する追加情報や山根ハカセとの交流、スペシャル映像をお楽しみいただけます。ほか、生成AIや自作PCに関するコンテンツ、リアルイベントの優先招待などの特典がございます。ぜひ、ご検討ください。

Amazon売れ筋ランキング

山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

  • homepage
  • facebook
  • X

スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。