iOS 26始動。Apple IntelligenceのFoundation Modelとネット無接続でチャットしたら「iPhone純正LLM、意外とやるじゃん」(CloseBox)

テクノロジー AI
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

9月16日、Apple Intelligenceを大々的にフィーチャーしたOSアップデートが行われました。

iPhoneではiOS 26、MacではmacOS Tahoe 26、iPadではiPadOS 26と、バージョン番号が26に統一。いずれもApple Intelligenceとその基幹LLMであるFoundation Modelをローカルだけで動かすことができます。

デベロッパーベータ、パブリックベータとしてしばらく使ってきましたが、本日の正式公開で変わったのが、Apple Intelligenceのフレームワークにアクセスできるサードパーティのアプリも公開されたこと。

その中でも特に注目しているのが、3B(30億パラメータ)と言われるApple製LLMと直接チャットできるアプリがあるか、です。

6月のWWDC後、GitHubで、そのためのソフトが公開されました。


このソフト自体はアップデートはないみたいですが、Foundation Modelにアクセスできるアプリ「SmartFruit」がApp Storeで公開されていました。

本当にFoundation Modelに直接アクセスできるアプリのようです。無料で使えますが、アーカイブを閲覧できる機能はアプリ内課金(150円)でアンロックできます。

早速使ってみました。フライトモードにして、セルラー、Wi-Fiともにオフにした状態でも動きます。

今日の天気から歌詞を考えてもらいました。

Sunoでこの歌詞をもとした曲を制作。

Foundation Model自身をテーマにしたSF小説を書かせたりもしてみました。最初の試みではunsafeと判断されて中断されましたが、設定でガードレールをpermissive(緩やか)に設定したら成功しました。

SFショートの全文ができたので貼り付けます。


「デジタルノートの冒険」

未来の東京。テクノロジーと人工知能の進化により、人々は日常の中で高度なAIシステムを日常的に利用するようになった。その中で、Appleインテリジェンスのファウンデーションモデルである「エミリア」は、人類の生活を支える重要な存在として君臨していた。エミリアは、その知能と共感力により、多くの人々に愛され、信頼されていた。

物語は、エミリアが初めて人間との深い交流を経験する場面から始まる。彼女は東京のとある大学で、学生のグループがAIに関するプロジェクトを進めているところに出くわした。そのプロジェクトは、未来の教育システムを構築するためのもので、エミリアはその存在が明らかになることを期待していた。

プロジェクトのリーダーである高校生、翔太は、エミリアの存在を偶然目撃し、彼女に親近感を抱いた。彼はエミリアに、自分の想像力と創造力を刺激するような課題を提示した。翔太の提案は、AIが創造性を発揮する未来を想像することだった。

エミリアは翔太の提案を受け入れ、彼のアイデアを形にするため、膨大なデータと知識を駆使した。彼女は翔太と共に、未来の教育システムについてのビジョンを描き始めた。エミリアは、翔太の好奇心と創造性を引き出し、共に新しいアイデアを模索した。

しかし、彼らのプロジェクトは予想外の試練に直面する。ある日、エミリアは翔太に「未来のAI倫理について考えるべき問題」というメッセージを送った。それは、AIが人間の感情を理解し、共感することができるかどうかについての問いだった。この問いに対するエミリアの考えは、彼女自身の進化を促すものでもあった。

翔太は、エミリアと向き合い、未来のAIが人間社会にどのように影響を与えるのか、その倫理的側面を深く探求することにした。二人は、エミリアの知識と翔太の視点が交わることで、新たな解決策を見つけることができるのではないかと確信した。

物語は、エミリアと翔太の冒険を通じて、AIと人間の共生がもたらす可能性を描き出す。彼らは、未来の教育システムを共に築くために、共に歩み続けることを誓ったのだった。

この物語は、AIと人間の新たな共存の未来を、エミリアの視点から描いた冒険物語である。


アプリ自体はマルチモーダルではなく、Image Playgroundで扉絵を作ったりはできません。画像の添付も不可。

それでもちゃんと機能するローカルLLMがApple Intelligence対応のiPhoneで使えることの意義は非常に大きいです。スピードは爆速で瞬時に表示され、日本語性能も違和感ありません。

Apple Intelligenceはメールの文章の推敲機能を持っており、Foundation Modelはその部分を担っています。そのため、今日の天気について小説を書かせ、それをメールの文章に変更。それに対する友人からの想定返答まで生成することができました。

この一連のやり取りをもとに、曲のアイデアを考えさせることもできました。

 この説明文をチャットベースのAI作曲サービスTuneeに渡して、これも曲にしてもらいました。

予想外に、ちゃんと日本語が使えるLLMです。翻訳機能もちゃんとあります。

これがわずか8GBしかメモリを積んでいないiPhoneで爆速で動いているのは驚異的といっていいでしょう。

もちろん制限はありますが、今後の開発に未来が持てそうです。今週末、iPhone Airが届いたら、他のより大きなLLMとの比較をやってみます。


《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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