「春はあけぼの、YOYO白くなりゆく」をSuno AI作曲でラップにしてみた。清少納言が現代に生きていたら枕草子をどう歌っただろう(CloseBox)

テクノロジー AI
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

「春はあけぼの、YOYO白くなりゆく」をSuno AI作曲でラップにしてみた。清少納言が現代に生きていたら枕草子をどう歌っただろう(CloseBox)
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NHK大河ドラマ「光る君に」を楽しんで視聴しています。紫式部と清少納言が初めて出会ったときのバチバチ感はスリリングでしたね。

今回のドラマは時代劇でありながら、ユースケ・サンタマリア、ロバート秋山、そしてファーストサマーウイカという、カタカナ表記の俳優さんたちが素晴らしい演技をされています。そして3人とも歌手でもあります。

清少納言を演じるファーストサマーウイカさんが枕草子を現代の日本でパフォーマンスするとしたらどのようなものになるだろう?

そんなことを考えながら、Sunoと枕草子で半日くらい遊んでみました。

「春はあけぼの」を楽曲に

枕草子の冒頭「春はあけぼの」を歌にできないか、というのは初音ミクで遊んでいた昔から考えていました。

「ようよう白くなりゆく」のようようをYOYOと読ませてラップにする。たぶん2000万人くらいが考えたことがあると思います。かく言う私もその一人でね。YouTubeにはいくつか例が上がっているようですが、そのスキルがなかったのです。ラップよく知らないし。

自分でラップはまあできないので、これをVOCALOIDなどの歌声合成でやらせようとしても超むずい。VOCALOIDでラップをするという研究発表がヤマハからあったくらいです。

でも、Sunoならば、歌詞を入れて音楽スタイルに「Rap」とか「Hiphop」とか入れれば簡単だろう。そう思って始めたのですが、意外に沼でした。

枕草子の冒頭部分をSuno用の歌詞にしたのですが、最終的にこうなりました。

[Verse]
春はあけぼの、YOYO
白くなりゆく山ぎわ
すこしあかりて紫だちたる
雲のほそくたなびきたる
夏は夜、月のころはさらなり
やみもなお、ほたるの多く
飛びちがいたる
また、ただひとつふたつなど

[Pre-Chorus]
ほのかにうちひかりていくもをかし
アメなど降るもをかし

[Chorus]
秋はゆうぐれ、ゆうひのさして山のはし
いとちこうなりたるにカラスのねどころへ行くとて

[Verse]
みっつよっつ、ふたつみっつなど
飛びいそぐさえ、あわれなり
まいてかりなどの、つらねたるが
いと小さく見ゆるはいとをかし
ひいり、はてて、風の音、虫の音など
はた、いうべきにあらず
冬はつとめて、雪のおりたるは
いうべきにもあらず
しものいと白きも、また さらでもいと寒きに
火など急ぎおこして、スミもてわたるも
いとつきづきし。
ひるになりて、ぬるくゆるびもていけば
ひおけの火も、白き灰がちになりて、わろし

[Outro]

漢字を開いているのは、Sunoが読み違えるからです。ラップっぽく歌わせるためには、1行の文字数を長くしておく必要があるので、その調整もしました。

では、まずはもともとこういう風にしたいと思っていた、アップテンポのアグレッシブなラップです。「YOYO」を強調したやつ。

実はここに至るまでが大変で、その途中にさまざまな試みをしました。

最初は音楽スタイルをHiphopにしていたのですが、ラップが間延びして聞こえるばかりで、アグレッシブさが感じられない。これだと、YOYOが生きてこないなと試行錯誤を繰り返します。

ヒップホップのサブジャンルのキーワードもいろいろ試したのですが、おそらく日本語歌詞のせいでうまくはまりません。音楽スタイルも複雑な表現をしすぎると、そこに引きずられて音楽の多様性が失われるのでは、なんてことを生成AIグラビアワークショップでの西川和久先生の教えを思い出し、シンプルなプロンプトに戻したりしました。

最終的にうまくいった音楽スタイルのプロンプトは、「hiphop female voice fast tempo rap half-talking」というもの。やっと自分が望む曲調になりました。

rap half-talkingを入れないと、ラップではなくて歌ってしまいがちになるのです。

ヒップホップ、ラップ以外にもいろいろ試してみましたが、意外にハマったのが、Smooth Jazz。歌ものでこれにすると(歌詞を日本語で入れると)、いわゆるシティポップ(1980年代あたり?)になるのです。サックスがおしゃれでなんとなくアーベイン。

これはファーストサマーウイカさんに歌ってほしいですね。

歌詞、というか、元の枕草子の雰囲気に合ってるなと思うのは、「ambient chill hiphop」のバージョン。しかし、これは間延びしているために、1回の延長では終わらず、合計4回生成してまとめるという苦労をしました。

Suno V3 Alphaでは、最長で2分まで生成しますが、「Continue From This Song」というコマンドを使って、その続きを生成することができます。続きのポイントは秒単位で指定できるのですが、うまく歌詞の続きを生成してくれないことが多いのです。

それでも、このバージョンはとても気に入っています。


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主要なバージョンをまとめて公開しました。よかったらどうぞ。

《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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