縦折りフォルダブルmotorola razr 40 ultra実機ハンズオン、同時発表のedge 40もコスパ高くヒットの予感(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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6月にエントリーモデルの「moto g53g」「moto g53y」を発表したばかりのモトローラですが、7月は、ミッドハイとフラッグシップモデルで攻めます。

同社は、日本市場に「motorola razr 40 ultra」と「motorola edge 40」の2機種を導入すると発表しました。前者は縦折りフォルダブルのフラッグシップモデル。後者は、価格と性能のバランスを高い位置で取ったミッドハイの端末で、日本向けの仕様として、おサイフケータイに対応しています。

発表会では、これら2機種に触れることができたので、写真とともにその実機のインプレッションをお届けします。

まずは、フラッグシップのrazr 40 ultra。このモデル最大の特徴は、折りたたんだときのアウトディスプレイのデカさです。カメラに食い込まんばかりの勢いで広がるディスプレイは、なかなかのインパクト。同様の縦折りフォルダブルスマホとも、一線を画しています。

▲縦折りフォルダブルのrazr 40 ultra。開くと、やや縦長の形状になる

これだけアウトディスプレイが大きいと、閉じたままでもかなりの操作が完結します。アウトディスプレイを見ながら画質の良いメインカメラで自撮りができるのはもちろんのこと、GoogleマップやGoogleカレンダーを見るにも十分なサイズ感。

何なら、動画を見てもいいようなサイズ。設定をすればPayPayなども表示可能とのことで、端末を開かずに支払いを済ませることができます。

▲特筆すべきは、その大きなアウトディスプレイ。閉じたままでも、ほとんどの操作が完結する

やや本末転倒感はありますが、フォルダブルスマホを使っていると、開くのが面倒だなぁ……と思うことがあります。電車で吊革につかまっているときなど、物理的な制約で本体を開けないシーンも。

こうした際に、「Galaxy Z Fold」や「Pixel Fold」などの横折りフォルダブルであれば片手で操作もできますが、razrのような縦折りフォルダブルは、閉じたままだと操作がしづらいのが弱点でした。razr 40 ultraは、アウトディスプレイを大型化するという力業で、この問題を解消した格好です。

日本ではソフトバンクとオープンマーケットで「motorola razr 5G」を販売していたモトローラですが、このモデルと比べると、ヒンジにも大きな改良が施されています。

razr 5Gは、開く、閉じるの2形態しかなかったのに対し、razr 40 ultraでは、その中間の半開き状態が加わっています。ヒンジは無段階で、自重で閉じてしまわない限り、自由に角度を調整可能。

これによって、机やテーブルの上に置いたまま、映像を見ることが可能になりました。

▲半開きの状態で止め、そのまま机やテーブルに置くことが可能だ

この半開きモードのことを、モトローラでは「フレックスビュー」と呼んでいるようです。単にハードウェアが対応しているだけでなく、アプリの一部もフレックスビューに対応。

例えばYouTubeは、半開きにすると上側に映像、下側に周辺情報が表示され、映像が見やすくなります。カメラも同様で、上がファインダー、下が操作パネルといった形に切り替わります。

▲一部アプリは、フレックスビューと連動。画面が上下に分割される

縦折りのフォルダブルスマホは、サムスンの「Galaxy Z Flip」に加え、OPPOの「OPPO Find N Flip」など、グローバルで見るとそのバリエーションが拡大しています。

横折り型のフォルダブルに比べると価格も安く、徐々に一般的なハイエンドモデルと同程度のコストまで落ちてきています。こうした中、対応アプリも拡大中。

同じAndroidでヒンジの開閉が無段階に調整できるrazr 40 ultraも、その恩恵を活かせるというわけです。

一方で、触っていると、どことなくGalaxy感があるように思えてきたのも偽らざる本音。それもそのはず、日本での先代モデルとなるrazr 5Gは、フィーチャーフォン時代のrazrにインスパイアされた形状で、本体下部に大き目の“アゴ”が設けられていました。自分はここにrazrのアイデンティティを感じていたのか……と改めて気づかされた次第です。

▲日本で発売された初代スマホ版razrのrazr 5Gは、フィーチャーフォンのrazrにインスパイアされた“アゴ”があった
▲こちらが、その原点と言えるフィーチャーフォンのrazr

もっとも、razr 40 ultraの方がデザインとしては洗練されているのも事実。このモデルがスマホである以上、あえてフィーチャーフォンのような形状を採用する必要性はなく、スマホとしての最適解を求めていくと、この形状になったのだと思います。

もう一方のedge 40とは異なり、日本向けのローカライズが少ないのは残念なところですが、こうした機能が必要ない人にとっては、いい選択肢の1つになりそうです。

とは言え、razrはいわば“見せ球”。実際に売れるのは、おサイフケータイや防水・防塵に対応したedge 40の方かもしれません。

モトローラは、昨年発売した「moto g52j 5G」で、久々におサイフケータイを採用。オープンマーケットモデルとしては、初の対応でした。

一方で、moto g52j 5Gはど真ん中のミッドレンジモデルゆえに、その性能に物足りなさを覚えていた向きもありそうです。

▲おサイフケータイに対応したミッドハイモデルのedge 40

edge 40は、moto gシリーズとrazrシリーズの中間に位置するミッドハイのスマホで、チップセットにはメディアテックの「Dimensity 8020」を搭載します。

Snapdragon搭載モデルと横並びで比べるのはなかなか難しいところですが、moto gシリーズよりはハイスペックといったところ。

リフレッシュレートが144Hzのディスプレイや、大口径で暗所に強い5000万画素カメラ、68Wの急速充電など、ハイエンドに迫る高い性能を備えています。

▲ディスプレイやカメラなどの性能は、ミッドレンジモデルを超えている

このモデルにはグローバル版もありますが、当初から日本市場の嗜好を取り入れて開発されたとのこと。そのため、一般的なスマホよりややスリムな71.99mmで、横幅を抑えるため、ディスプレイの比率は22:9になっています。

手に取ったときのフィット感がよく、片手で使うにはいい端末だと思いました。しかも、再三述べているように、おサイフケータイにも対応しています。

▲握りやすい形状などは、日本市場での展開を意識して採用されたという。おサイフケータイにも対応する

先に挙げたrazr 40 ultraの直販価格が15万5800円なのに対し、edge 40はその半額以下の6万4800円。

どちらも、通信事業者ではIIJmioが独占販売しますが、edge 40に関しては、MNPの特価販売で購入すれば、一括3万9800円まで価格が下がります。

この価格は、売れ筋のミドルレンジモデルと同レベル。コスパの高さは群を抜いており、人気が出そうな気配があります。日本市場攻略に本気を出し始めたモトローラの本気が詰まった1台と言えるでしょう。

▲通信事業者では、IIJmioが独占的に販売。価格もモトローラ直販より安く、MNPで購入すればかなり割安に入手できる
《石野純也》

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ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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