Apple Watch Series 8(仮)は体温センサ搭載、風邪かもアラートに活用?

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Apple

今年の秋には発表とみられる新型 Apple Watch の話題。新製品は現行の Apple Watch Series 7に続く「Apple Watch Series 8」と、廉価モデルの後継機「Apple Watch SE2」、さらにエクストリームスポーツ向けの頑丈なモデル(「Apple Watch版G-Shock」の呼び声も)の3モデルになるとの見方が有力です。

新機能の宝庫として期待がかかるのは、もちろんApple Watch Series 8。その1つである体温測定機能について、やや詳しい事前情報が出てきました。

アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman氏は、自らのニュースレター「Power On」最新号で今後のアップル製品につき展望を語り、その中で新型Apple Watchにも触れています。

製品構成については、今回も「2022年の新モデルは3つ」説を再確認しています。モデル構成については複数のアナリストや事情通が近い意見を述べていますが、そもそも最初に頑丈モデル登場説を言い出したのはGurman氏。1年以上前に、アップル社内では「Explorer Edition(冒険者エディション)」と呼ばれ、カシオのG-SHOCKのように耐衝撃性や保護機能を備えた頑丈なデザインの新モデルが開発中とみられると述べていました

体温測定機能については、この頑丈エディションとSeries 8のどちらも搭載されるだろうと予測しています。一方で、廉価版の Apple Watch SE2には搭載されそうにないとのこと。もっともSE2には上位モデルのような心電図アプリが追加されるとの噂もあり、お買い得になる可能性もあります。

この体温測定機能は厳密なものではなく、「熱があるかどうか」が分かる程度だとのこと。手首に巻くかっこうのApple Watchでは構造的に(医療的にも重要な)深部体温が測れないこと、外部環境により変化しやすい皮膚から正確な体温を測るための分析アルゴリズムにアップルが注力してきたことは、有名アナリストMing-Chi氏も述べていたことがあります。

そのため具体的な数字として体温を表示するのではなく、発熱があると思われる場合は通知で専用の体温計を使う、あるいは医者に相談することを勧める機能になるだろうとしています。

最近、日本各地の病院でも「Apple Watch外来」を設けるところが増えており、Apple Watchは正規の医療機器として認知された印象もあります。が、実際に規制当局から「病院との正規の連携を認められている」のは心電図アプリだけです。

Apple Watch Series 6以降に追加された「血中酸素ウェルネス」 がアップル公式に「医療目的ではなく、あくまで一般的なフィットネスとウェルネスを目的」と念を押しているのも、医療機器として認証されていないためです。逆にいえばフィットネス機器であれば厳密な認証を受けなくてもいいため、投入までに時間もかかりません。体温測定についても「なるべく多くの地域で、すぐ使えること」を優先すると推測されます。

その他のハードウェア的な変更については、Gurman氏は「おそらくわずかなもの」と予想しています。Apple Watch Series 8のプロセッサ「S8」が前モデルのS7と同じものとなり、そのS7も前年のS6チップと同じというのは、同氏が先週も述べていたことです。

つまり、今年のApple Watchは3年連続で同等のプロセッサを使い回すということ。新型ハイエンドモデル(Series 8)のディスプレイが更新される可能性についても触れていますが、具体的にどう変わるのかは情報がありません。

体温測定機能といえば、Gurman氏以外のアナリストや事情通も、AirPods の新モデルに搭載される可能性を指摘してきました。今回 Gurman氏は、「AirPods Pro 2」が2022年後半に発売されるものの、心拍数や体温測定機能は搭載しないだろう、との立場です。もっとも「2022年のアップグレードでは」見送りというだけで、どちらもアップル社内では検討されており、さらにあとのモデルで搭載される可能性はあります。

すでに初代AirPods Proも発売から3年が経過しており、バッテリーの劣化に悩まされている人も少なくはないはず。2020年10月以前に製造された分に関しては「修理サービスプログラム」が用意されており、トラブルが条件に当てはまれば無償で修理(つまり新品に交換)してもらえます。

耳から体温が測れるまで絶対イヤホンを買い替えたくない、円安のもとで割り増し価格を払いたくない人は、こうしたサービスでしばらく凌ぐことをお勧めします。

そのほか今年から来年にかけてのMac戦略とMシリーズプロセッサの話題など、詳しい内容はリンク先の Power Onをどうぞ。

Source:Bloomberg
via:9to5Mac

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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