米Amazonは、Metaが2025年9月8日に公開したパーソナルAIエージェント「Muse」によるAmazon.comへのアクセスを遮断しました。
AmazonはMetaとの事前の合意なしにMuseがサイトにアクセスしていること、MuseがAIエージェントであることを明示しないこと、ユーザーの認証情報を取得・保存している可能性があることなどを問題視しており、プライバシーおよびセキュリティ上のリスクがあるとしています。
なお、9月中旬より、MuseでAmazonの買い物を試みたユーザーには「未承認のAIエージェントによる継続的なアクセスはAmazonの利用規約に違反します」というポップアップが表示されるようになっているとのことです。
「パーソナルAIエージェント」を標榜するMuseにはネットショッピングをこなす機能の他に、メールやカレンダー記入、飲食店予約など、複数のサービスにまたがって多段階にタスクを実行できると説明されています。したがって、ユーザーの指示によって代理でネットショッピングを行うのはその機能の一部でしかありません。

一方で、AmazonにとってECサイトは単なる販売の場ではなく、「人が商品を見て回る場」でもあります。Amazonのウェブサイトは昨年、広告収益だけで680億ドル超の収益を生み出したと報告されていますが、もしAIが顧客に代わってAmazonにアクセスし、買い物を完了してしまうようになれば、そのぶんユーザーが広告を目にする機会が失われ、ビジネスモデルの根幹を揺るがすことになりかねません。
さらにMetaは今年4月に、AWSのデータセンターで稼働する大量のAmazon Graviton5プロセッサーをエージェント型AIに利用するため、数十億ドル規模の契約を締結しています。世界最大級のGravitonユーザーとなったMetaが、もしそのリソースをMuseのために使用してAmazonの広告収益を損ねているのだとすれば、それはAmazonにとって皮肉なことです。
なお、AmazonがAIエージェントによる買い物代行を拒否するのはこれが初めてではなく、PerplexityのComet AIエージェントをはじめ、OpenAIやGoogleのAIショッピングエージェントに対しても同様の措置をとっています。
AmazonはMetaと直接協議中であることを明らかにしており、今後の法的措置の可能性についてはコメントしていません。
ちなみにAmazonは2025年5月、独自のAIショッピングエージェント「Alexa for Shopping」を公開しています。このエージェントにも外部ブランドのサイトで商品を購入する「Buy for Me」機能がありますが、この機能を使用する際には、AIエージェントであることを外部サイトに明示し、ブランド側がオプトアウトできる仕組みを設けているとしています。
MetaのMuseはiOSアプリ、Androidアプリとしての提供のほか、WhatsAppアプリやmuse.aiウェブサイトでも利用可能で、無料プランと有料サブスクリプションで提供されます。








