Metaは米国時間10月12日、AIモデル「Muse」シリーズの新世代「Muse Wonder」と上位版「Muse Wonder Full」を発表しました。
Meta Model APIとコーディングツール「Muse Code」ですでに利用でき、Wonder FullはMuse Codeの月額50ドル以上のプランに提供します。
Wonderはエージェント用途を強化したモデルで、過去の会話から今の作業に関係する情報を拾い出す「Active Memory」と、行き詰まれば別の方法を試し目標達成まで粘る「Active Focus」が特徴。
ベンチマークでは、メモリーを測るMemoryBenchと、長時間コーディングを測るDeepSWE、SWE-Marathonにおいて、Muse Wonder、FullともClaude Opus 5.5、Claude Fable 5.1、GPT-6 Astraを上回るスコアを示しています。
Meta CEOのMark Zuckerbergは、Wonder水準の知能を「時間をかけてすべての人に届ける」と述べており、個人向けAIエージェントアプリ「Muse」でもサブスク登録者向けに近日提供します。
■ 能動的に過去の知識を参照する Active Memory
WonderはSparkより大きな基盤モデルを土台にし、ギガワット級データセンター「Prometheus」で学習しました。
他社のAIモデルも、過去のセッションやユーザーの好みなどを様々な方法で保存するメモリーの仕組みを備えています。それに対して、Active Memory は過去の情報をただ保存するだけでなく、それが今の作業に関係する場面をモデル自身が見分け、自ら取り出して使うことができるとMetaは説明しています。

この能力を測るという「MemoryBench」は、長い会話に無関係な話題や後から内容を訂正する発言を混ぜ、必要な情報を最新の内容で思い出せるかを見る内容。
Metaの社内評価でWonderは85.6を記録し、Claude Opus 5.5の81.5、GPT-6 Astraの81.4を上回っています。
■ 長時間コーディングも強み
Metaが高開始した Claude CodeやCodexとの比較表では、長時間のコーディングで上回る一方、Terminal-Bench 4.0ではOpus 5.5とGPT-6 Astraを、ProgramBenchではOpus 5.5を下回る程度。
Artificial Analysisのコーディングエージェントの評価では、Muse CodeとFullの組み合わせが68で、Claude CodeとOpus 5.5の66を上回りました。

■ APIで使えるのは下位のWonder
Zuckerberg がMetaの目標として掲げた「すべての人にパーソナルスーパーインテリジェンスを」構想と同じ名前を冠する「Personal Superintelligence Index」は、7つの評価を束ねたMeta社内の総合指標。
上位の Muse Wonder Full は、「Personal Superintelligence Index」で59.1と、競合を上回っています。一方、APIで使えるWonderは54.3で、GPT-6 Astraの54.5、Claude Opus 5.5の55.2に届きません。
Artificial Analysisの総合指標でも、6週間前に出たMuse Spark 1.3の48からは伸びているものの、Wonderは52で3社を下回ります。
■ 「SNS映えより実務能力優先」、3Dは既知の弱点
Metaの最高AI責任者Alexandr Wang氏はXで、実際のユーザーによるMuseの利用状況をもとに、実際に直面する実務に役立つモデルを目指したと説明しました。SNSで映える3Dデモゲームなどには注力しなかったが、振り返ればもっとやってもよかったとも述べています。
モデルカードも、3Dを中心とする視覚・空間推論を既知の限界に挙げています。
■ 費用はOpus 5.5とAstraの間
Metaの試算では、総合指標の1タスクあたりの費用はWonderが4.52ドル。Claude Opus 5.5の5.98ドルとGPT-6 Astraの3.26ドルの中間です。
Muse Wonder: Meta Model API、Muse Code。100万トークンあたり入力4ドル、キャッシュ入力0.20ドル、出力20ドル
Muse Wonder Full: Muse CodeのPower Usage(月額50ドル)とMaximum Usage(月額200ドル)プランに含まれ、従量課金はなし
コンテキスト長は両モデルとも100万トークン
Museアプリには近く、購読者から搭載





