MetaがパーソナルAIエージェント「Muse」連携ガジェットを自作するためのプロジェクト「Muse Gadgets」を公開しました。
M5StackなどMSP32ベースのデバイスやRaspberry Piに組み込み、クラウドのMuseと会話したり、Museで実世界デバイスを制御することができ、SDKとファームウェアはオープンソースで提供します。
専用サイト「Muse Gadgets」で作例を紹介しているほか、米国のMuseサブスクリプション加入者向けにはスマート家電をMuseで制御する公式ガジェット「Muse Home Link」を無料で配布します。
■ 日本未配信のAIエージェント「Muse」

Museは、Metaが9月8日に米国で提供を始めたAIエージェント。クラウド上に専用のLinux環境とブラウザを持ち、メールやカレンダー、InstagramやFacebook、健康・金融のデータなどを選んで接続できます。
ユーザーがしたいことを伝えるとMuseが自分で計画を立て、サブスクの解約、請求額の交渉、チケットの予約、価格比較と値下がり通知、目標に合わせた運動・食事プランづくり等々を代行してくれます。
送信や購入の前には承認を求め、決済には使い捨てのカード番号を使うため、カード情報はエージェントからも見えない仕組み。Meta最高AI責任者のAlexandr Wang氏によれば、公開から1週間で米App Storeのダウンロード1位を記録しています。
AIエージェントがアプリを使い、ユーザーのかわりに面倒な作業を肩代わりする仕組みは各社のサービスでも先行例がありますが、Museはスマホアプリだけで完結する手軽さ、ローカルPC操作パーミッション等々のセットアップが要らないこと、「何ができるのか」を分かりやすく示した点などが特徴です。
■ 「自分のMuse」が動くガジェット自作
加えてMuseが打ち出すのが、自分のMuseに名前を付け、服装やアクセサリ、話し方まで作り込めること。大手AI企業が提供するAIアシスタントは従来、抽象的なロゴやアイコンを使うことが多かったのに対して、Museはユーザーによって自分の分身にしたり、執事やペットのようにもカスタマイズできます。
Metaのデザインチームによれば、長い会話の相手が企業ロゴでは違和感があり、Museを「自分のもの」にすることが製品に不可欠だと考えたとの説明です。
9月23日のMeta Connect 2026では、このアバターを小さな画面に表示して持ち歩く、たまごっち風の公式端末「Muse Charm」も披露されました。
Muse Gadgetsは、手持ちのボードを自分で「Museデバイス」にするためプロジェクトです。
■ ESP32向けSDK、ファームウェア提供
ESP32向けSDKは、画面やボタン、スピーカーとマイク、センサーなどをMuseにつなぐファームウェアです。
M5Stack StickS3やWaveshareの円形AMOLEDボード、AIPI Liteなど6機種では、動くアバターとプッシュトゥトークを備えたUIが動作します。付属ツールを実行すると、ユーザーのMuseが自分のアバターをそのボード用のドット絵に描き直し、ビルドと書き込みまで実行します。

作例は、最近流行のMSP32内蔵AMOLEDバッジにMuseを表示して専用端末にするもの、SeeedのカラーE Ink端末に朝のブリーフィングを表示するもの、HDMIドングル経由でテレビをMuse化するなど。
Linux向けSDKはRaspberry PiをMuseのガジェットにするもので、独自コマンドでサーバー管理やHome Assistant連携を任せられるとしています。ただしMuse Gadgets自体がハッカー向けのプロジェクトで、望んだように作動しない、どこまで制御を任せるかを含めて自己責任です。
■ 公式ガジェット「Muse Home Link」を無料配布

一方、Muse Home LinkはMetaが製造するUSB接続の小型デバイス。自宅のWi-Fiに接続すると、Museがネットワーク対応のスマート家電を触れるようになります。
コミュニティ製の「スキル」を追加することで操作できるのは、Philips HueやSonos、Apple TV、Samsung製テレビなど。ただしスキルは不具合がありうるとして、防犯や医療などには使わないよう注記しています。
こちらは公式ファームウェア専用の完成品ハードウェアで、書き換えはできません。
・チップ: Espressif ESP32-C5(32bit RISC-V、240MHz)
・メモリ: 8MB PSRAM
・ストレージ: 8MBフラッシュ
・無線: Wi-Fi 6(2.4GHz/5GHz)
・端子: USB-C、USB-A
・サイズ: 35×42×10mm
■ Apache 2.0でオープンソース提供
SDKとファームウェアはGitHubで公開済み。ライセンスはApache 2.0ですが、標準アバター「Jollybot」は対象外です。
完成品の実験的ハードウェア Muse Home Linkは、米国で有効なMuseサブスクリプションを持つユーザーに1人1台まで無料で提供し、10月から先着順で発送します。
一般向け商品の Muse Charmは12月の出荷予定です。
¥68,200
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
¥12,510
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)










