AI時代のスマホに空冷ファンは必須?COMPUTEX 2026で見えたスマホ冷却最前線(山根康宏)

ガジェット スマートフォン
山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

  • homepage
  • facebook
  • X

スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

近年、ゲーミングスマートフォンでは空冷ファンを内蔵するモデルが増えています。日本ではZTE/nubiaのREDMAGICシリーズが各世代で採用しているほか、同じnubiaのミドルハイレンジモデル「neo 5 GT」にも搭載されています。海外に目を向けると、OPPOやvivo、Huaweiなども同様のアプローチを採用しています。

こうした空冷ファンは各メーカーの独自開発と思われがちですが、2026年6月に台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2026のDelta(デルタ)ブースでは、スマートフォン向け空冷モジュールが展示されていました。

デルタはサーバー向け冷却ソリューションで世界的に高いシェアを持つ企業です。AI需要の拡大に伴い、COMPUTEXではサーバー関連の展示が例年以上に注目を集めていましたが、それを支える冷却技術にも大きな関心が集まっていました。デルタのブースも会期を通じて来場者が途切れない盛況ぶりでした。

その一角に展示されていたのが、Huawei「Mate 80 Pro Max Speed Edition」と、nubia REDMAGICシリーズ(おそらく最新世代モデル)の分解展示です。背面カバーを外した状態で、内蔵された空冷ファンの構造を確認することができました。

デルタのスマートフォン向け空冷ファンは、限られた筐体スペースに収めるため、複数のサイズバリエーションが用意されています。メーカーとの共同設計にも対応しており、端末ごとの内部レイアウトに最適化させた、最高性能の冷却性能を実現できるとのことです。

Huaweiの「Mate 80 Pro Max Speed Edition」は2026年3月に追加投入されたモデルで、ベースとなる「Mate 80 Pro Max」は2025年11月に登場しています。後発モデルでありながら、本体サイズや重量を維持したまま空冷ファンを内蔵しており、設計段階から実装を見据えていた可能性が高いと考えられます。

こうした空冷ファンはゲーミング用途にとどまりません。デルタの担当者によると、「AIスマートフォン向けの引き合いも増えている」とのことです。スマートフォンのAI処理はクラウド依存からオンデバイスへと移行しつつあり、ネットワーク接続なしでも高度な処理を行う流れが加速しています。AppleもWWDC 2026で、Apple Intelligenceの中核をオンデバイス処理に置く方針を示しました。

この動きはPC分野でも同様で、NVIDIAの新世代チップ「RTX Spark」もオンデバイス/ローカルAI処理の強化を前提としています。スマートフォンでも同様の進化が進めば、発熱対策としての冷却機構はこれまで以上に重要になるでしょう。

なお、デルタのスマートフォン向け空冷ファンはすべて防水設計に対応しています。日常的に持ち運ぶデバイスであるスマートフォンにおいて、この点は実用性を左右する重要な要素です。今後、「AIスマートフォン」を掲げるモデルに空冷ファンが広がるのか、その動向が注目されます。

《山根康宏》

Amazon売れ筋ランキング

山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

  • homepage
  • facebook
  • X

スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。