掃除機メーカーDreameが超高級AIスマホ発表、カメラ分離モデルも。家電・電気自動車のエコシステムを自社AIで統合

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家の山根康宏です。床を自走して自動的に掃除してくれるロボット掃除機は今ではめずらしくない製品になりました。そのロボット掃除機を作っているメーカーからスマートフォンが出てくるという、とんでもない時代がやってきました。

日本でも掃除機を出しているDreame Technology(追覓科技)の「AURORA」がその正体。2026年3月に上海で行われた中国最大の家電展示会、AWE 2026で正式に2つのモデルが発表されました。ちなみに私はAWE最終日に夜行列車で上海に到着して会場へ行ったのですが、なんと展示は前日まででブースは撤去中。なのでまだ実機を見ることができていません。

掃除機メーカーがスマートフォンを出すのは不思議に思えますが、実はDreameはすでに掃除機メーカーの域を超えた製品展開を行っています。2026年1月にラスベガスで開催されたCES 2026の同社ブースにはスマートTVなど黒物家電も展示されていました。

またAIグラスやスマートリングなどのウェアラブルデバイスも現在開発中。2026年中に販売される予定です。もはや家電メーカーではなく、IT企業と呼ぶべきですね。

なお2025年8月にはEV(電気自動車)への参入も発表。2027年に製品を投入する予定とのこと。他にも様々な分野への進出を図る予定で、AWEでは「人・車・家・天・地・芯(チップ)」という6技術を横断したエコシステムを構築すると発表しました。シャオミの「Human(人) x Car(車) x Home(家)」をさらに超える戦略です。

そしてその中心に位置する製品がスマートフォンとなるわけです。Dreameのロボット掃除機はスマートフォンアプリで操作できますが、現在はiPhoneや各社のAndroid端末が利用されています。それを自社のスマートフォンで利用できるようにすれば、Dreameの製品だけで完結できる強力なエコシステムが完成します。これは家電を展開するサムスンやシャオミにとっては大きな脅威になりうるのです。

発表されたスマートフォンは、次の2種類。
・高級モデル:AURORA LUX
・カメラ分離モデル:AURORA NEX

AURORA LUXは本革やダイヤモンドをちりばめたラグジュアリーバージョンもある高級モデル。Dreameの公式ページでは標準モデルの紹介がありませんが、価格は999ドル(約16万円)のモデルもあるとのことで、一般的なハイスペックモデルも用意されているようです。一方高級モデルの価格は100万円クラス。今も細々とスマートフォンを展開してるVERTUと肩を並べるような製品が出てきそうです。

AURORA NEXは本体にカメラは搭載せずに、着脱式のカメラモジュールを装着することで、高性能カメラやアクションカメラのような使い方ができるように拡張できる製品とのこと。いわゆる「合体系」「変態系」モデルでもあります。こちらは詳細は不明ですが、様々なカメラモジュールが出てくる可能性があります。

さてスマートフォンを出すだけなら、それほど難しい話ではありません。DreameがAURORAシリーズを出す理由は、自社エコシステムをAIにより強固なものにするためです。同社のスマートフォンには自社で開発したAI統合OS「AURORA AIOS 1.0」を搭載します。登場は今年後半予定。

「AIイメージング」「AIプライバシーとセキュリティ」「AIインテリジェントエージェント」「AI美的デザイン」という4つのコア機能モジュールで構成されており、スマートフォンの新しい使い方を提唱します。

特にAIインテリジェントエージェント機能はユーザーの要求に先回りして回答する、真のエージェントとなる予定です。この機能は各メーカーが注力している分野ですが、Dreameはスマートフォンだけではなく家電製品も持っていることから、スマートホームのインテリジェントなコントロールも可能にしてくれます。「自宅に戻ったら、家電のスイッチに一切触ることなく、AURORAスマホがすべてやってくれる」そんな時代がいつかやってくるわけです。

実は異業種からのスマートフォン参入は、2023年に中国の新興EVメーカーNIOによる「NIO Phone」の例があります。同社のEVはAIアシスタント「NOMI」を搭載しており、車内のダッシュボードの上には顔の簡単な表情をアニメで表示するマスコットも搭載されていました。

このAIアシスタントを搭載したスマートフォンを市場に出したものの、当時のアシスタント機能と、EVとの連携程度ではNIOのスマートフォンを使わせるほどの魅力はありませんでした。結局NIO Phoneは翌年のモデルを最後に新しい製品が出てきていません。

Dreameは日常の家庭内で使う家電を展開している点がNIOとは異なり、一方ではシャオミと真っ向から対抗する製品ラインナップを今後展開していくことになります。スマートフォンもまずは話題を取るためにラグジュアリーモデルや合体カメラフォンを発表したのでしょう。ウェアラブルデバイスなども拡充していけば、いずれはスマートフォン、さらにEV試乗でも一定の存在感を示すメーカーになりそうです。

《山根康宏》

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