OpenAIは、月額200ドル(約3万円)のChatGPT Proプランに新機能「Pulse」を追加すると発表しました。
この機能は、ユーザーの趣味嗜好に合わせた5~10件のレポートを要約し、毎朝一番にチェックできるようにしておく機能。朝起きて最初に、SNSやニュースアプリ、またはお気に入り登録したニュースサイトにざっと目を通す人は多いと思いますが、Pulseは、ユーザーの過去のChatGPTとのやりとりや、直接のフィードバックから適切と判断される情報を統合し、ユーザーに最も関連性の高い、新しい情報を学習して、朝イチでユーザーに要約を提示できるよう準備します。

OpenAIがTechCrunch向けに行ったデモでは、OpenAIの製品責任者であるAdam Fry氏が作成したいくつかのレポートが公開され、その内容が英国の名門サッカークラブであるアーセナルに関するニュースまとめや、時節柄の情報としてFry氏の家族に向けたハロウィーン衣装の提案、幼児を含む家族旅行のプラン提案など広範に渡る様子が示されました。
なお、PulseはChatGPTのコネクターと連携するため、ユーザーはGoogleカレンダーやGmailなどのアプリを連携させることもできます。この仕組みを利用すれば、たとえばPulseが朝までにGmailの新着メールを解析して最も重要なメッセージを抽出したり、ユーザーのGoogleカレンダーから今後の予定表を生成したりすることが可能になるとのことです。
OpenAIの最近の製品設計は、ユーザーからの質問に回答するチャットボットよりも、ChatGPT AgentやCodexのような、アシスタント的な使い方でその便利さを強調するようになりつつあります。Pulseも、AIが能動的に情報を収集することで、ユーザーが毎日、みずから情報を選別する手間が軽減されます。
OpenAIの新アプリケーション部門CEOであるフィジ・シモ氏は、ブログ記事の中でこのような「富裕層のみが享受できたレベルのサポートを誰もが利用できるようにするAIを時間をかけて構築している」と述べています。
ただ、サム・アルトマンCEOは今週初め、ChatGPTに登場する「計算負荷が高い」新機能の一部は、同社が提供するサブスクプランの中でも最上位に限定されると述べていました。Pluseも、まずは高額なプランであるProに加入したユーザー向けとして提供が開始されます。Plusプランの加入者も、近くPluseへのアクセスが可能になるとされていますが、まずは製品の効率化が必要だとOpenAIは述べています。
シモ氏は「将来的には全ユーザーにこの知能を提供することを目標としている」と述べており、もっとPulseの機能を自律的にして、ユーザーに代わってレストランを予約したり、ユーザーが目を通したメールに対する返信の下書きを、あらかじめ作成したりするレベルまで高めたいとしています。