これぞ本。カラーEインク搭載の折りたたみ電子ブックリーダーをCOMPUTEXで発見(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。台湾・台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2025の取材に来ています。台湾のNetronix社が新しい形状の電子ブックリーダを展示していました。なんとディスプレイがカラー電子ペーパーで、しかも折りたためるのです。

折りたたみスマートフォンに使われるディスプレイは有機ELですが、こちらはE Ink社のカラー電子ペーパー「Gallery 3」を使っています。ディスプレイサイズは8インチで1920×1440ピクセル、最大300dpiとなっています。

残念ながらショーケースの中での展示に留まり、実際に折り曲げる具合を試すことはできませんでした。開いたときのディスプレイの折り目部分は電子ペーパーということもあり、さほど目立ないようです。

Netronix社は電子ペーパー端末のODM、OEMメーカーであり、この折りたたみカラー電子ブックリーダーも自社ブランドではなく台湾で電子書籍やリーダー端末を展開しているReadmoo社から出てくる予定です。Readmoo社は今年4月に台湾で行われたディスプレイ関連の展示会でこのモデルを「mooInk V」という名前で発表しています。

詳細なスペックは未公開で、本体サイズも不明。ディスプレイはやや厚みが感じられますが、折りたたみスマートフォンとは異なり高性能な製品としてではなく、使わないときに小さくたためるリーダー端末として登場するでしょうから、コストをかけてまで薄型化を目指すことはしないでしょう。

閉じた状態では文庫本程度のサイズなので、カバンにも無理なく入れて持ち運べます。混んでいる電車の中でも開きやすそうですし、電子ブックリーダーのユーザー層を広げる製品になるかもしれませんね。

閉じたときにヒンジ部分にギャップがあるかどうかわからなかったのですが、閉じた状態で上から見るとヒンジ側にやや厚みがあるので数ミリの隙間があるかもしれません。ただ、それが見えないようなボディー構造にしているので気になることは無さそうです。

ちなみにこのGallery 3ディスプレイはスタイラスで書き込み可能なカラー電子ペーパータブレット「reMarkable Paper Pro」にも採用されています。カラーの電子ペーパーはややくすんだ色に見えるものの、絵本やカラーの電子コミック、あるいは色を多用したプレゼン資料の閲覧などなら結構使い物になるものです。写真や動画の再生には向かないものの、そもそもこの端末をそのような用途で買う人はいないはず。

電子ペーパー端末はタブレットとは用途が若干異なっており、リーダーとしての使用頻度の高い製品です。その電子ペーパーが折り曲げ可能になることで、新しい使い方やこれまでにはないデバイスの形状がうまれてくるかもしれません。おそらく年内に発売になるであろうmooInk V、どれくらいの価格で出てるのか今から気になるところです。

《山根康宏》

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