『スパイダーマン』開発元Insomniacにサイバー攻撃、新作『Marvel’s Wolverine』等のデータ流出?

ゲーム Sony
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:SIE

『Marvel’s Spider-Man』シリーズの開発で知られるInsomniac Gamesがランサムウェア(身代金要求型マルウェア)によるサイバー攻撃の被害にあったことが分かりました。

セキュリティ系のニュースサイトCyberDailyが報じ、SIEの担当者は米Polygonの問い合わせに対し事実と認めた上で現在調査中と回答しています。なお、他のSIEやソニーの部門が被害を受けた兆候は一切ないと付け加えています。

攻撃をしかけたのは、ランサムウェア集団として悪名高いRhysida。今年5月にチリ軍のシステムに侵入し、6月には内部文書を流出させたことで注目を集めました

今回もRhysidaはInsomniacの社内資料を盗み出し、ハッキングした証拠として一部の文書を公開。もしもInsomniacとソニーが身代金を支払わない場合は売却するとして、開始価格50ビットコイン(約3億円)でオークションに出しています。

公開済みのデータには、PS5向けに発売予定の『Marvel’s Wolverine』らしきゲーム画面もあり。本作は2021年秋に「PlayStation Showcase 2021」にて発表されたものですが、今のところ主人公のウルヴァリンらしき人物が酒場でツメを出す予告トレーラーが公開されたのみで、追加情報はありません。

また、このリーク文書の中には『Marvel’s Spider-Man』の声優ユーリ・ローウェンタールに関する個人文書や、Insomniac従業員のパスポート写真らしきものも含まれているようです。

SIEに関しては、今年10月に同様のランサムウェア攻撃を受け、約6800人の現役および元従業員の個人情報が流出したと認めています。またゲーム方面では、『GTA6』の開発中のテストプレイ映像を大量に流出させたとして、17歳の少年が逮捕されていました。


これら事件は、言うまでもなくハッキングした攻撃側が非難されるべきです。ゲーム開発企業の安全や利益を損ね、ひいてはプレイヤーの楽しみも台なしにするサイバー犯罪者が摘発されるよう祈りたいところです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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