カスタマイズできるアクションボタンが売りのiPhone 15 Pro、サードパーティー製ケースで押しにくい欠陥相次ぐ。改修版との交換申し出るメーカーも

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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  • カスタマイズできるアクションボタンが売りのiPhone 15 Pro、サードパーティー製ケースで押しにくい欠陥相次ぐ。改修版との交換申し出るメーカーも

今年のiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxには、従来のサイレントスイッチに替えてアクションボタンが搭載されました。


このデザイン変更につき、一部サードパーティーのケースメーカーが事前に正確な情報を得られなかったため、アクションボタンが非常に使いにくい設計にしてしまったと認めています。

それは多くのサードパーティーのケースメーカーが、アップルから新型iPhoneの寸法情報を提供されず、独自の情報源や噂話に頼って設計しているからです。アップルはサードパーティー向けにアクセサリー設計のガイドラインを提供していますが、記事執筆時点での最新版は「2022年10月26日」(iPhone 14発表の約1カ月半後)版のままです。

iPhone 15の正式発表前にもアクションボタン搭載の噂は飛びかっていましたが、もしも横にスライドする従来のサイレントスイッチのままであれば、「ボタンありき」で設計した(ボタンカバーを付けた)ケースは使えません。そのため、一部のサードパーティーはボタンでもスイッチでも使えるよう、単なるカットアウト(穴)にしてしまいました。

その1つがPeak Design製品です。「iPhone 15 Pro Maxケースの手触りは最高」など絶賛しつつ、「アクションボタン用の切り欠きがあり、ボタンがない。しかも、使いにくいほど奥に引っ込んでいる」というSNSでの指摘もあります(Threads)

大手掲示板Redditではスレッドが立ち、そこでPeak Designは事情を説明。

「我々はアップルから3D情報を提供されておらず、デザインを知るために業界の噂に頼っています。新しい "アクションボタン "の場合、スイッチとボタン両方の噂があり、またボタンがどのように使われるかの情報もあまりありませんでした」と釈明。そのため「どちらの噂が本当になったとしても、ボタンとスイッチの両方で使える切り欠きデザインにした」と述べています。

今後Peak Designはケースを設計しなおすとともに、旧ケース用のボタン修正キットを11月中旬までに準備予定。そして購入済みユーザーには、「ボタン修正キット+15ドル分のストアクレジット」「お使いのケースはそのままで、40ドルのストアクレジット」「交換用ケースを無料でプレゼント」という3つの選択肢を提示しています

財布やバッグなども手がけるBellroyの代表も、iPhone 15 Proモデル用ケースについて「次回製造に向けて、切り欠きではなくボタン一体型にする解決策に取り組んでいます」「ボタンをカバーする方式が、より使いやすいと認識しています」とThe Vergeに回答

そうした改修版のケースは、11月に出荷を開始する予定。出荷済みケースにボタンを後付けするキットも開発中で、(購入済みの)ユーザーは改修版ケースが入手可能になった時点で交換も受け付けると述べています。

ほか、ケースメーカーのCaudabeもほぼ同様の声明を出しています。もしも購入済みのケースが「アクションボタン部分に切り欠き」のみで押しにくい場合は、各メーカーの公式アナウンスを待つ方がよさそうです。

一方、サードパーティー製品であってもApple Storeで販売している製品、例えば「OtterBoxFigura Series Case with MagSafe for iPhone15 ProMax」はしっかりとアクションボタンにカバーがされており、情報格差は確実に存在しているようです。

▲Apple Storeでの販売を認められたサードパーティー製品にはアクションボタン対応のものが

iPhone 2023特集
《Kiyoshi Tane》

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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