iPhone 15への乗り換え、アップルストアの下取りが意外と高額に。キャリアのアップグレードプログラムにも期待(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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iPhone 15シリーズの予約が、15日の午後9時から始まります。米国では価格据え置きだったiPhone 15シリーズですが、日本では円安基調の為替レートが影響し、若干の値上がりをしています。

アップルも価格発表時に「下取り」があることを強調しており、米国では、「iPhone 15/15 Plus」が最大800ドル、「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」で最大1000ドルの“割引”があることをうたっていました。

下取りを組み合わせることで、負担感少なく最新モデルを手にしてほしいというのがアップルのメッセージと言えるでしょう。

▲iPhone 15シリーズ発表時には、下取りした際の割引も強調されていた

発表会では米国の事例が紹介されていたため、自分事として捉えられなかった人もいそうですが、iPhoneからiPhoneへ乗り換える場合の下取りに関しては日本のアップルストアも強化しています。

例えば、5月には公式キャンペーンとして下取りを最大で1万5000円増額。これは6月29日まで実施されていましたが、現状でも下取り額はあまり変わっていません。例えば、「iPhone 13 Pro Max」は最大10万2000円、「iPhone 13 Pro」は最大9万円といった具合で、モノによってはキャンペーンのときより買い取り価格が上がっています。

▲オンラインのApple Storeでは、新モデル購入時に旧iPhoneの下取り価格を調べられるようになっている。その価格は5月のキャンペーン実施時に近い

アップル公式の下取りを利用するメリットは、その簡易さにあります。特に便利なのが、リアル店舗のApple Storeへの持ち込み。こちらの場合、その場で査定がされ、下取り額が決定し、新たに購入する製品への割引を受けることができます。

一時的にとはいえ、クレジットカードの支払額が膨れ上がってしまう心配がないのは便利。デビットカードのように、決済時に代金が引き落とされる支払い方法を使っている人にとっても、割引の方が使い勝手がいいはずです。

▲店舗では、新たに購入する端末の価格から下取り額がそのまま引かれる“割引”として機能する。一時的にでも、決済額が上がることを防ぎたい人に向いた方法と言える

オンラインで購入する場合は後から下取りに出す端末を配送に出す必要はあります。一括払いでは返金ですが、分割払いの際には下取り額に応じて、その後の支払いがチャラになります。

後者の場合、ユーザー体験としては、その場で割引を受けるのに近いと言えるでしょう。前者に関しても、スムーズにいけばクレカの締め日に間に合い、結果として銀行からの引き落とし時には差額だけを支払えばいいことになります。

▲オンラインの場合、下取りに出す端末は配送する必要がある。こちらも、返金を受けられるため、分割払いなどをしていれば実質的な割引になる

ちなみに、下取り額がもっとも大きいのは昨年発売された「iPhone 14 Pro Max」の最大11万5000円。1TB版にこの価格がついています。最小構成の128GBは10万4000円で、当然ながらストレージの容量別に下取り価格は異なります。

一般化すれば、新しく、元々の価格が高かったiPhoneほど、下取り額も高額になると考えておけばいいでしょう。

▲現状の最高値はiPhone 14 Pro Maxの1TB版。下取り額は11万5000円だ

ただ、単純な下取り額だけで比べると、中古スマホの買い取り業者の方が高い金額をつけています。最大値はオンラインでも公開されているため、参考にすることをお勧めします。

例えば、iPhone 14 Pro Maxの1TB版を中古品として売却する場合、イオシスは最大額が15万6000円。じゃんぱらも15万円の上限金額を提示しています。

ここ1、2年、iPhoneの下取り額の高さが一部界隈で話題になっていたビックカメラグループのラクウルでは、キャンペーン中で16万9000円もの買い取り金額がつけられています。

アップルにダイレクトで売るより、3万5000円から5万4000円ほど高く、この金額を見ると、アップルに下取りに出すモチベーションは下がります。実際、筆者も昨年はそれまで使っていた「iPhone 13 Pro」をラクウルで売却しています(笑)。一方で、この場合、手に入るのは基本的に現金。新製品購入時に差額が差し引かれるわけではないため、手にしたお金は銀行に入金するなど、ひと手間かかります。

▲中古店の場合、アップルの下取りよりも高い買い取り価格を提示しているところが多い。画像はイオシスで、先に挙げたiPhone 14 Pro Maxの1TB版は、中古品の最高値が現時点で15万円を上回っている

また、査定の違いが少々クセモノ。買い取り業者の場合、小傷などの使用感だけでも一定程度減額されてしまうため、最大額で売却するハードルは高くなります。筆者の経験では、多少の傷でも10%程度の減額査定になるケースもありました。

上限額だけを頭に叩き込み、ガッカリすることがないように注意しておきたいところです。むろん、アップルの下取りにも査定はありますが、各種情報を踏まえると、中古店に比べて基準は緩そうです。

例えば、アップルの下取りの基準には「大きなひび割れ、欠け、傷がない」といった項目がありますが、裏を返せば小さなひび割れ程度であればOKということ。中古店より下取り額が低いのは、使用感のようなある程度の傷は織り込んでいるからという可能性もありそうです。また箱などの付属品も不要です。

▲査定の明確な基準が開示されていないのが難点だが、軽微な傷であれば問題なさそうに見える

これらに加え、キャリアのアップグレードプログラムを利用する手もあります。本稿執筆時点では、各キャリアの価格が未発表のため、何とも言えないところはありますが、例えばドコモは9月からサービスを開始した「いつでもカエドキプログラム+」が適用されることを発表済み。

以前、筆者の連載でも取り上げたように、サムスンの「Galaxy Z Fold5」の場合、1年で返却すれば下取り込みの実質価格は9万円以下になります。iPhoneでも、これに近い大胆な価格が期待されるところ。毎年新モデルに買い替えているアップルファンは、この仕組みに注目しておいてもよさそうです。

▲ドコモは、iPhone 15シリーズがいつでもカエドキプログラム+に対応することを発表している。この買い方なら、iPhone 16(仮)が登場した際に機種変更しても、支払額は1年ぶんだけで済む



iPhone 2023特集
《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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