Twitterが1日に読み込めるツイートの数を一般ユーザーは600ツイートまで、有料のTwitter Blue加入ユーザーは6000までに制限しました。超過した場合、「API呼び出しの回数制限を超えました」と表示され、新しいツイートを取得できなくなります。
(追記:日本時間7月2日朝、それぞれ1000件 / 1万件 / 500件に更新されました)
Twitterオーナーのイーロン・マスク氏は7月1日、Twitterサービスのコンテンツデータに対し「極端なレベルのデータスクレイピング」および「システムの不正操作」があったため、1日にユーザーが閲覧できるツイート件数に制限をかけたと述べました。
マスク氏はツイートで認証済みユーザー、つまり月額制のTwitter Blueに登録している青バッジユーザーや、企業・組織からバッジを付与されたユーザーが1日に閲覧できるツイート数を6000件とする一方、未認証(バッジなし)ユーザーは1日あたり600件までに制限しました。
さらに、Twitterにアカウント登録したての未認証ユーザーは、わずか300件/日しかツイートを閲覧できなくしています( ” 登録したて ” が登録後何日目までなのかは特に述べていません)。
そしてこの記事執筆中に、マスク氏は制限を若干緩和する事を明らかにし「間もなく」認証済みユーザーは1日8000件、未認証ユーザーは1日800件、新規ユーザーは1日400件までツイート閲覧が可能になるとツイートしています。(追記:その後さらに1000件・1万件・500件へと拡大しました)
この前日の6月30日から、Twitterにアクセスしたり投稿しようとした多くのユーザーに対し「API 呼び出しの回数制限を超えました」または「ツイートを取得できません」というエラー メッセージが表示される問題が発生していました。
また、これまではログインしていない状態でTwitterにアクセスすると「おすすめ」タブのタイムラインが表示されていましたが、現在はログインしなければ一切のツイートを閲覧できない状態になっています。
これらの措置は、Twitterに対し数百かそれ以上の組織がデータをスクレイピングしている(機械的に大量読み出ししている)ことに対するものだとマスク氏は述べ、その理由としてAI開発に取り組むほぼすべての企業が、大規模言語モデル(LLM)を強化するためにTwitterのデータを大規模に取得していたと主張しました。
いずれにせよ、ツイート閲覧制限はTwitter Blue登録者からも不満の声があがる可能性がありそうです。また一般の未認証ユーザーが600件(または800件)の上限に達するのはあっという間かもしれません。閲覧制限はユーザーへの広告の表示機会も制限するはずなので、あまり長引くようならTwitterの収益にも影響する可能性もあります。
なお、マスク氏は今回の措置について「(AI企業による) 極端な大量読み出し」があったことが原因と主張していますが、買収後に経費削減のため大半のエンジニアを解雇したこともあり、外部あるいは内部的な要因からの不具合に適切に対処できない事態は繰り返し発生しています。
たとえば3月にサードパーティアプリを締め出すためAPI利用を制限した際には、設定を誤りTwitter公式自体がアクセスできなくなる不具合を発生させています。
また、Twitterは一部の機能で依存していたGoogle Cloudに対して契約条件の見直し交渉(値切り)を持ちかけたものの合意に至らず、支払いを停止して代替手段への置き換えを進めるもエンジニア不足で進捗が遅れているとの報道もありました。そちらによると、Google Cloudとの契約が切れるのは6月30日。
マスク氏の主張する外部からの「極端な」大量アクセスやスクレイピングが事実か否かは別として、みずから進めていた移行プロセスが遅れたことで、アクセスを捌ける量が落ちていた可能性があります。