Pixel Fold、Galaxy Z Foldだけじゃない。海外の折りたたみスマホを一気に確認してみる(山根康宏)

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山根康宏

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香港在住携帯研究家

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スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

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Pixel Fold、Galaxy Z Foldだけじゃない。海外の折りたたみスマホを一気に確認してみる(山根康宏)
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グーグルが「Pixel Fold」を発表したことで折りたたみスマートフォンへの関心が一気に高まりつつある。日本ではサムスンなどの一部メーカーが製品を投入している程度だが、世界に目を向けるとすでに多くの製品が販売されている状況だ。今回は海外で販売されている折りたたみスマートフォンを紹介しよう。

▲グーグルの参入で折りたたみスマートフォンへの注目が集まる


各社が注力する折りたたみスマートフォン

Counterpointの調査によれば、2022年の折りたたみスマートフォンの出荷台数は1490万台、2023年には1.5倍となる2270万台に達すると予想されている。数字だけ見るとかなりの数だが、2022年のスマートフォン全出荷台数、12億2750万台の中で折りたたみスマートフォンが占める割合は1%程度とまだ少ない。それでも各メーカーは折りたたみスマートフォンの新機種投入に意欲的だ。

その理由は、折りたたみスマートフォンが高価格帯・プレミアムセグメントの製品として消費者に新しい技術と体験を提供できるからだ。今や10万円を超えるスマートフォンもめずらしくなくなったが、その一方では5万円以下の低価格モデルでも日常的な利用に困ることはないほど性能は底上げされている。

各メーカーはカメラ性能を高めるなどして高価格なモデルの販売にも力を入れているが、消費者の関心を向けさせることは年々難しくなっていくだろう。成長が鈍化し飽和が進むスマートフォン市場の中、20万円を超える価格のモデルもある折りたたみスマートフォンの開発は各メーカーにとって必須なのだ。

では、海外ではどんな折りたたみスマートフォンが販売されているのだろうか。各社の代表製品を紹介していこう。

【HONOR Magic Vs】グローバル展開の高性能端末

▲HONOR Magic Vs

HONORはカメラに特化した「Magic」シリーズの派生モデルとして折りたたみスマートフォン「Magic Vs」を販売している。2022年11月に中国で発売された後、2023年5月からはイギリスなどグローバルでも販売が開始。サムスンとグーグル以外の製品でグーグルサービスに対応したモデルであり、日本人にとっても興味を引かれるモデルだろう。ディスプレイサイズは開くと7.9型(インチ)、閉じると6.45型と大きい。Snadpragon 8+ Gen 1をチップセットに採用。5400万画素+5000万画素(超広角)+800万画素(3倍望遠)という高性能なトリプルカメラも搭載している。

中国ではペン入力にも対応した「Magic Vs Ultimate」もリリースされており、サムスン「Galaxy Z Fold4」を完全にライバルに見据えている。HONORは折りたたみスマートフォンの代表格ともいえるサムスンに真っ向から挑んでいる。

【ファーウェイ Mate X3】世界最薄、衛星通信対応の折りたたみ

▲ファーウェイ Mate X3

ファーウェイはサムスンとほぼ同じ時期、2019年2月に折りたたみスマートフォンに参入している。横折式で画面を山型に折る「Mate X」、同じく谷型に折る「Mate X2」と両タイプを唯一展開しているメーカーであり、最新モデルの「Mate X3」はサムスン、グーグルと同じ横折り谷型タイプだ。本体の厚みは開いたときにわずか5.3mmと薄く、重量も「iPhone 14 Pro Max」より1g軽い239g。衛星通信にも対応する。チップセットはSnadpragon 8+ Gen 1 4Gだ。

また畳んだときに隙間の無い「ゼロギャップヒンジ」を採用しながら唯一防水にも対応する(隙間のあるサムスンは防水対応)。2023年3月に発表され中国で販売中で、今後グローバル展開も予定されるがグーグル非搭載、5G非対応という点がやや残念だ。しかしファーウェイのスマートフォンの技術力の集大成ともいえる製品であり、その完成度は現在市販されている折りたたみスマートフォンの中で最上位と言える。

【ファーウェイ P50 Pocket】中国縦折りスマホブームの立役者

▲ファーウェイ Pocket S

ファーウェイはサムスンの「Galaxy Z Flip4」と同様の縦折り式のモデルも出している。2021年12月に中国で発売した「P50 Pocket」はエレガントなデザインから当時16万円(8988元)を超える価格ながらも大ヒット、中国の女性たちの間で注目を集めた。

2022年11月にはカジュアルなデザインとした後継機「Pocket S」を5988元(約12万円)で発売、縦折りスマートフォンを一気に身近なものにした。Pocket Sの価格はその後中国で発売される縦折りスマートフォンの指標にもなったのだ。中国における縦折りスマートフォンブームはファーウェイが生み出したといっても過言ではないだろう。

【OPPO Find N2】手ごろなサイズのエンタメ端末

▲OPPO Find N2

Pixel FoldはGalaxy Z Fold4とは異なり、開くと横手方向に長い画面サイズとなるデザインが特徴だ。閉じたときも普通のスマートフォンとほぼ同じ画面縦横比で使いやすい。この画面デザインを先に実現しているのがOPPOの「Find N2」だ。

OPPOの折りたたみスマートフォン参入は他社よりも遅く2021年12月の「Find N」からだった。すでに他社はGalaxy Z Fold対抗の大画面モデルを出しているが、OPPOはサイズを一回り小さくし、持ちやすく動画視聴のしやすいエンタメ向けのモデルを展開している。画面は開くと7.1型、閉じると5.54型18:9となる。本体サイズはやや小ぶりだがチップセットはSnadpragon 8+ Gen 1、カメラは5000万画素+4800万画素(超広角)+3200万画素(2倍望遠)を搭載しなかなかの高性能。なおFind N2は中国のみで販売中だ。

【OPPO Find N2 Flip】Galaxy Z Flip4がライバルの大型外画面スマホ

▲OPPO Find N2 Flip

OPPOのFind N2 FlipはGalaxy Z Flip4と同じ縦折り式のスマートフォン。2022年12月に中国で発売されるやすぐに大人気となり、2023年1月には中国国内で最も売れた折りたたみスマートフォンとなった。また2023年2月からはグローバルでの販売も始まっており、ヨーロッパやアジア各国でグーグルサービスの使えるモデルが販売中だ。

Find N2 Flipは閉じたときのアウトディスプレイが3.62型と大きく、閉じたままでも通知を見たりメインカメラを使って自撮りができたりする。Galaxy Z Flip4と類似のカラバリを揃えることでターゲットユーザーもかぶっており、サムスン製品より大きなディスプレイで使いやすさもアピール。カメラも5000万画素+800万画素(超広角)と高性能だ。HONORがGalaxy Foldに対抗した製品を出したように、OPPOはFind N2 FlipでGalaxy Flip4に対抗しようとしている。

【vivo X Fold2】折りたたみ最大画面サイズを誇る

▲vivo X Fold2

vivoの「X Fold2」は開くと8.03型、閉じると6.53型のディスプレイを搭載する。開いたときのサイズはシャオミの「Mi MIX Fold 2」の8.02型よりわずかに大きく、世界最大サイズの折りたたみディスプレイを搭載している(なお閉じたサイズはシャオミが6.56型で大きい)。

vivoのカメラフォン「X」シリーズと共通のボディーデザインで、背面はビーガンレザーの仕上げも美しい。チップセットはSnadpragon 8 Gen 1を搭載。カメラはカールツァイス協業の5000万画素+1200万画素(超広角)+1200万画素(2倍望遠)と、HONOR Magic Vsに迫る性能を誇る。120Wの急速充電も見逃せない性能だ。現在は中国のみで販売中である。

【vivo X Flip】エレガントなデザインは女性のための縦折りスマホ

▲vivo X Flip

ファーウェイ、OPPOに続く中国メーカーの縦折りスマートフォンがvivoの「X Flip」である。本体はシルクゴールドが琥珀のような高級感、パープルがビーガンレザーをの表面に模様を型押しした高級バッグのような仕上げ。女性を意識した上質なデザインとなっている。

アウトディスプレイは大型の横向きで、OPPO Find N2 Flipより小型であるが3インチと大きさは十分だ。カメラは5000万画素+1200万画素(超広角)。こちらも中国のみの販売だがグローバルに投入されれば人気になることは間違いないだろう。

【シャオミ Mi MIX Fold 2】11.2mmの薄型モデル

▲シャオミ Mi MIX Fold 2

サムスン、ファーウェイに次いで折りたたみスマートフォンを出したシャオミだったが、初代モデルの出来は今一つ。後継機として2022年8月に発表された製品が「Mi MIX Fold 2」だ。

チップセットはSnadpragon 8+ Gen 1。閉じると11.2mmと薄くなりスーツのポケットにも無理なく入れることができる。全体的にスクエアなデザインに仕上げられておりビジネスシーンにも似合う外観だ。

シャオミのハイエンドモデルはライカカメラの「Xiaomi 13 Ultra」がグローバル展開されているが、折りたたみモデルは中国のみの販売である。ぜひ後継モデル「Fold 3」は海外でも販売してほしいものだ。


【Tecno Phantom V Fold】インドでも登場した「格安」横折りスマホ

▲Tecno Phantom V Fold

インドやアフリカにスマートフォンを展開しているTecno初の折りたたみスマートフォンが「Phantom V Fold」だ。価格が約15万円からと低く、手軽に横折りタイプのスマートフォンを入手できる。チップセットはMediaTek Dimensity 9000+、ディスプレイサイズは7.85型 / 6.42型、カメラは5000万画素+1300万画素(超広角)+5000万画素(2倍望遠)と性能も高い。唯一の弱点は299gという重量だが、価格を考えれば許容できるだろうか。

Tecnoは低価格機を中心に展開しているが、最新の折りたたみモデルの投入でブランド力を引き上げ、高所得層へのリーチも計ろうとしている。2023年中には縦折り式モデルも投入予定で、インド、アフリカ、そしてアジアでも製品展開される予定だ。


【Samsung W23、W23 Flip】中国向けの高級折りたたみスマホ

▲Samsung W23、W23 Flip

サムスンが中国国内のみで展開しているモデルが「W」シリーズ。中国の通信キャリア、中国電信(チャイナテレコム)と協業して販売している高級スマートフォンとなり、「心系天下」というブランドで展開されている。Galaxy Z Fold4をベースとした「W23」、Galaxy Z Flip4をベースにする「W23 Flip」の2種類が販売中。ブラックとゴールドの2色を使った仕上げはたしかに高級感があり、ベースモデルより高い価格設定ながら一定の人気を得ているモデルだ。


2023年はOnePlusなど他社からも折りたたみスマートフォンが登場すると予想されている。サムスンの「Galaxy Z Fold5 / Flip5」やモトローラの新型RAZRの発表も遠くないだろう。折りたたみスマートフォンの種類はさらに増えていくだろう。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《山根康宏》
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