風を読み、バッテリー消費を抑える変形ドローン「Morpho」。高所検査用など想定

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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ドローンはエネルギー消費を抑えるため非常に軽く設計されていますが、そのせいで気流の影響を受けやすく、位置を保つためにはやはりエネルギーを消費してしまいます。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究機関からスピンオフしたベンチャー企業Elythorは、ロータータイプから固定翼タイプに変形することが可能で、ローターで飛行中は気流状態に対してリアルタイムで翼の向きを調整しエネルギー消費を最小に抑えるドローンの試作機「Morpho」を開発しました。

Morphoは砲弾型のボディーから伸びる4基のローターと、4枚の翼を備えています。そして、この翼は本体から独立して角度を変え、回転が可能な仕掛けを備えています。

Morphoは着陸時は翼を三脚(四脚?)のように使って直立し、離陸時は4基のローターを使ってクアッドコプターのように垂直離陸します。また横風の影響を最小化するよう、翼の向きを自由に変えて空中にホバリングするようになっています。さらに、この仕掛けを利用して、風下方向に水平移動する場合は翼を帆のように使い、エネルギー消費を節約します。

一方、高速飛行する必要がある場合は、翼を水平に拡げて複葉機のようなスタイルに変形。この場合も、気流に遭わせて翼の角度を変え、時に左右非対象になるように変形して空気抵抗を最小化します。

Elythorの共同設立者Nathan Müller氏は、Morphoの制御機構は風向きの変化に応じた翼の向きや角度調整などを自動的に行うと説明しています。また、共同設立者でCEOも務めるHarry Vourtsis氏は「固定翼ドローンは飛行時間を長くでき、ローター型は操縦性に優れている。われわれはこの2つを組み合わせて、ドローンが必要とする電力をさらに節約するアダプティブ・ウィング・システムを搭載した」としています。


《Munenori Taniguchi》
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