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30周年を迎えたThinkPad、その進化の過程を探る【後編】「ノートPCではなくThinkPadを開発している」というプライドがブランドを成長させる(西田宗千佳)

ガジェット PC
西田宗千佳

西田宗千佳

フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

特集

30周年を迎えたThinkPad、その進化の過程を探る【後編】「ノートPCではなくThinkPadを開発している」というプライドがブランドを成長させる(西田宗千佳)
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2022年10月5日に30周年を迎えたThinkPad。前編に続き、レノボ・ジャパン合同会社 大和研究所 執行役員 Distinguished Engineerの塚本泰通氏と、レノボ・コマーシャルソリューション製品開発担当バイスプレジデントのLuis Hernandez 氏に、それぞれの立場から「ThinkPadの変化と大和研究所」についてお話をうかがっていく。(以下敬称略)

前編はこちら

大幅に変わった「熱設計」の重要度

──PCにとっては堅牢性も重要です。堅牢性を支えるチャレンジとして、ThinkPadがやってきたことはどういうものになるでしょうか。技術の変化によっても、大きく変わってきているはずですが。

Hernandez:以前は材料や本体の設計が非常に重要だったと思います。しかし、それは完全に変わりました。今は、熱をどう逃がすかが昔よりずっと重要になってきていますし、信頼性を確保するために必要な最大のチャレンジです。

結果としてパフォーマンスが非常に重要となります。また、性能だけでなく、熱や温度、ノイズなどに関する優れたユーザーエクスペリエンスも重要な要素です。お客さまによっては持ったときの感触により敏感な方もいらっしゃるでしょう。

研究室では、快適な内部環境を実現するために、どのように温度を下げればよいのかを検討しています。ユーザーがコンピューティングデバイスを使用する際に、それぞれのモードで最高の体験が得られるように独自のイノベーションを推進し続けています。大和研究所には、SoCパートナーとのパートナーシップを実現する、多くの優秀なエンジニアがいて、常に適切なバランスを保っています。

塚本:熱設計については、昔は本当にハードウェアが重要でしたが、今はソフト制御がとても大事になってきています。例えばセンサーを使って、お客さまがどう使っているのか、どういうアプリケーションでなにをやっているのかをちゃんと理解してコントロールすることも大事ですし、当然バッテリーでの動作時間も大事です。さらにはサステナビリティも重要ですから、環境も意識したマネージメントを行う必要があります。

ユーザー体験という意味では、例えばハードウエア的には、ずっと効率良い「側面排気」をやっていたんですよね。ただ、お客様から「マウスを使っていると熱いんです」っていうフィードバックをいただいたので、熱を後ろに流す構造に変えました。あと、信頼性の維持、いつでも仕事をするという意味では、ネットワークのコネクティビティも重要です。これはWi-Fiだけじゃなく、5G含めてどこでも繋がるアンテナの設計も、です。

あるいはこのフォルダブルのような新しい世界もそうです。これは通常の製品とはまた違う難しさがあって、そこでも新しい信頼性についてのチャレンジができました。

「大和研究所」らしさを維持するものとは

──30年前、ThinkPadが発売されたとき、日本には、ノートPCを作るのに必要な多くの技術があり、それがThinkPadを本当にユニークなものにしていたと思います。しかし、いまはいろいろな国に技術が広がっています。それでもなお、大和研究所がもつ独自性、他の誰にも真似できないものは、どういうものなのでしょうか?

Hernandez:私たちの持つ価値は「開発する人々」にあります。Lenovoでは、世界の複数の地域にラボを作り、その地域をより理解し、さらにその地域が提供する最高の才能を得ることでエンジニアリングの価値を高めました。

日本ではThinkPadを開発し、独自のカルチャーを作り上げました。このカルチャーは30年以上にわたっていますが、新しいエンジニアがラボに入ってきたときに、日本だけでなく、他の3つのラボや世界中にあるラボでお互いに交流し続けていることが、レノボ独自の強みになっていると私は考えています。

私は昨日、日本の大学からの新卒者を迎えての式典に出席しました。彼らはずっとデジタル機器を使ってきたので、新鮮なアイデアと才能を持っています。彼らが何をもたらすことができるか想像してみてください。彼らとともに、私たちのような経験豊富なエンジニアがそれを考え、私たちが作ったプロセスをエンジニアに伝えることで、新しいものを作るプロセスを継続させることができるのです。

日本には非常にユニークな仕組みと規律があります。人々がアイデアを開花させるのを見るのは、とてもエキサイティングなことです。それができるのは、「実現可能な人々がいるから」こそです。

塚本:大和研究所のエンジニアは、根本的に「ノートPCを開発している」とは思っていない、と考えているのです。

彼らは「ThinkPadを開発している」と思っている。そういうプライドがあります。

例えば製造パートナーの方々がいたとして、彼らに「こういうものを作ってください。じゃ、あとはよろしく」ってアプローチでも、当然ノートPCは開発できます。

でもThinkPadを作るには、どういう設計で、どこに新しい技術を入れて、どういうスペックにするかを一緒に考える。さらには「そのスペックをどうテストで検証するか」という部分も含め、ひとつひとつを人任せにせずに、一緒にパートナーさんと決めてくところから始まるんですよね。エンジニアがちゃんと現地に行って、どういうプロセスで作られているのか。私たちを期待するものを作れているのかをちゃんとテストする。問題が起きた時も「直してください」っていうだけじゃなくて、一緒に見ながら「どうやれば解決できるのか」を考えています。

そういうことを重ねていけば、当然エンジニアも育ちますし、協業パートナーの方々も「ThinkPadチームと一緒にやると、色々新しいことができるな」と思っていただける。

だからなにか新しいアイデアがあった時に「ThinkPadさん一緒にやりませんか」「大和研究所さん、一緒にやりましょうよ」って言っていただけるのだと思うんです。大和研究所のエンジニアと、サプライヤー・パートナーが「一緒にやりたい」と思ってもらえるループを作っていくことが、ThinkPadを大和研究所でやり続けられる秘訣なんじゃないかと思います。

もちろん日本だけで閉じてやろうとは誰も思っていなくて、自分たちが得意なところを出して、他国のチームとも共にベストなものを作っていきます。

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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《西田宗千佳》
西田宗千佳

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フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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