レノボが高級ノートPC Yoga Slim 970i発表。優美な本体に4K有機ELと12コアCPU搭載

ガジェット PC
橋本新義

橋本新義

IT系とゲーム系のフリーライター(タイプ:出オチ)

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PCとキーボードやディスプレイなどの周辺機器、スマートフォン、シューティングゲームなどを好むおじさん。隙あれば出オチやネタ、製品にまつわる余談やいい話を組み込もうとして記事が長くなる程度の能力を持つ。アイコンは漫画家『餅月あんこ』先生の筆による似顔絵です。

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レノボが高級ノートPC Yoga Slim 970i発表。優美な本体に4K有機ELと12コアCPU搭載
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大手PCメーカーであるレノボ・ジャパンが、コンシューマー向けノートPC、Yogaシリーズの最上位モデルを刷新。14インチの有機EL画面搭載モデル『Yoga Slim 970i』を発表しました。

製品グレードは1種類のみで、本体カラーも明るめのゴールド系となる『オートミール』のみ。レノボ直販サイトでの発売日は8月19日、予定販売価格は29万円前後(税込)です。

製品ジャンルとしては、4Kを超える3840×2400解像度(アスペクト比16:10)の有機EL画面と、インテルの第12世代Core i(TDP 28W版)を搭載した、重量約1.37kgの準モバイルノートPC。現行『Yoga Slim 950i』の後継モデルです。

GPUはCPU内蔵タイプですが、高価なモデルだけあり、基本性能は見合ったもの。また触感やデザインといった面でも高級機ならではのこだわりを見せます。例えば天板側に3D曲面ガラスを貼り付け、光の屈折や光沢により輝きを見せるなど、コストの掛け具合が見どころです。


技術的な特徴は、14インチのディスプレイに、レノボの新しい高画質ブランド『PureSight』(ピュアサイト)を冠する有機ELを採用した点。
最新世代だけあり、解像度は3840×2400、色域はDCI-P3(デジタルシネマ仕様)を100%カバー、sRGBでは125%相当。

公称最高輝度は400ニトですが、HDR表示はドルビービジョンに加えてWindows上でも対応。VESAのHDR映像認証である『DisplayHDR 500 True Black』も得ています。

もちろん有機ELだけあり、公称コントラストは100万対1、応答速度も1msと、液晶では難しいメリットを有します。さらに出荷時のカラーキャリブレーションも実施されているため、色表現の正確さも長所となっています。
また、2世代前にあたる『Yoga S940』から引き継がれてきた4辺ナローベゼル設計も継承。画面占有率は93%と、トップクラスです。

なお、4Kを超えるディスプレイ、とくに最高輝度の高い有機ELを搭載すると、どうしても増加するのが消費電力。本機はそれを補うべく、バッテリー容量を75Whにまで増加。バッテリー駆動時間は12.2時間(JEITA 2.0測定)となっています。

例えば同サイズの画面を備えたThinkPad X1 Carbon Gen10は約57Wh、現行の950iが約63.5Whだったため、容量増加率も低くはありません(ただし、駆動時間自体はディスプレイパネルやCPUなどの不利から、950iが約18.7時間だったのに対し、短くなっています)。
加えて急速充電にも対応し、レノボ側は「15分充電で2時間の使用が可能」とアピールします。

▲20スレッド対応CPUだけあり、タスクマネージャー表示もこの通り

さて、こうした美しい画面を支えるCPU(とGPU)には、Alder Lakeことインテル製第12世代Core iのうち、モバイルノート用として最上位となる『Core i7-1280P』を搭載。
TDP値(消費電力と発熱の目安)28W版の中で、最多数のCPUコアとなる14基(高性能コア6+高効率コア8)を集積し、同時処理スレッド数は最高20。ターボ時最高動作クロックも4.8GHzと、多数のコアを用いた同時処理に強さを発揮する仕様です。

また、昨今のCPUを搭載するモバイルノートで実動処理速度に直結する冷却機構も、同CPUに合わせた強力仕様。
事前説明会では内部も公開されましたが、ほぼ本体幅いっぱいに振り分けられた大型デュアルファンと、2本の薄型ヒートパイプなどが設けられた、ちょっとしたゲーミング向けモデル並みの重武装となっています。

さらに組み合わせられるRAMも、超高速なLPDDR5-5200仕様を16GB搭載(増設不可)。ストレージはNVMe SSD 1TBと、CPUのボトルネックとならないグレードが選定されています。


そしてもう一つ見逃せないのが、高級オーディオメーカーB&Wこと『Bowers & Wilkins』社との初コラボとなる内蔵スピーカー。B&Wはスピーカーやヘッドホンを軸足とするメーカーですが、それゆえに小型のスピーカーからなるべく高い音質を引き出すノウハウは多大です。

▲高音用スピーカーはキーボード左右に搭載。なお日本語キーボードは残念ながらEnterキーなどが“海外配列と共通化された”構造です
▲Back SpaceやEnter、バックスラッシュキーなどは、海外配列との共通化がわかりやすい箇所です

本機では、さらにスピーカーユニット自体を2ウェイ4ユニット(低音用2基と高音用2基)とすることで、鮮明な高音と繊細な低音を両立。
説明会の資料では、なんとスピーカーの周波数特性も公開しており、250Hzから14kHz(従来モデルは300Hzから11kHz)と明かされています。PC内蔵スピーカーで周波数特性まで公開するのは非常に異例で、この点からもレノボ側の自信が覗えます。

なお、当然ながらレノボが昨今力を入れているドルビー研究所との協業も継続しており、本機でも360度オーディオとしてドルビーアトモスに対応します。


▲強化ガラスなので重量は増しますが、それよりもデザインの美しさを優先するタイプの機種です

そして3つ目の特徴が、天板貼り付けられた3D曲面ガラスによる『ジュエルド・デザイン』と名付けられた仕上げ。ガラスならではの光の屈折や光沢により、いわゆる“角度により様々に表情を変える”系の仕上がりが楽しめます。

なお、Yogaの900番台にとって曲面ガラスや特殊天板は、シリーズのアイデンティティとも呼べるもの。
2019年の『Yoga S940』では、ノートPCとしては現在でも非常に珍しい、曲面ガラスをディスプレイ側に装着(こちらは本機でも継承)。さらに現行モデルにあたる2021年の『Yoga Slim 950i』では天板に本革を貼り付けることで、持ち歩いた際の触感や風合い、使い込んだ際の愛着度といった点にこだわりを見せています。

▲底面側右に貼られたステッカーにも、テュフ・ラインランドのロゴが

そして、PCとしてはまだ珍しいカーボンニュートラル認証(ドイツの第三者機関『テュフ・ラインランド』が実施)も特徴の一つ。
本製品の使用にともなうCO2排出量を販売価格に算入しており、購入と同時にオフセットすることが可能な「カーボンニュートラル認証取得済のノートPC」となっています。
レノボ側は、これを受けて「企業の環境目標達成にも有効です」とアピールします。

主な仕様は下記の通り。

本体サイズ……約315×214.4×14.9mm(幅×奥行×厚さ)
本体重量……約1.37kg
ディスプレイ……14インチ、3840×2400/16:10有機EL、最高60Hz、10点マルチタッチ対応
CPU……インテル製Core i7-1280P(14コア[6P+8E]20スレッド、最高4.8GHz)
GPU……CPU内蔵Iris Xe グラフィックス
RAM……16GB LPDDR5-5200(増設不可)
ストレージ……1TB SSD(NVMe/PCI Express接続)
バッテリー容量……約75Wh
バッテリー駆動時間……最大約12.2時間(JEITA 2.0)
USB端子……Thunderbolt 4兼USB Type-C×3
拡張端子……3.5mmヘッドセットジャック(入出力兼用)
生体認証機能……顔認証
標準搭載OS......Windows 11 Home 64bit版
ACアダプタ……65W、USB Type-C接続

▲拡張端子は、本体左右のThunderbolt 4にほぼ頼る格好。このあたりは良くも悪くもThinkPadなどとは異なるところ

このようにYoga Slim 970iは、レノボの最上位モデルだけあり、各所に贅沢さを感じさせる仕様を盛り込んだ個性派のノートPCです。

価格はさすがに安くはありません――とくにお買い得度が高めのレノボ製品という点をえると――が、実機に触れていると、相応のコストを掛けなければ不可能な、テンションを上げてくれるタイプの仕上がりと感じられるもの。
それゆえに、可能であれば一度店頭展示機などを確認してからの購入をオススメしたいタイプの機種でもあります。

なお、気になる内外価格差は、原稿執筆時の米国版の価格は2070ドルなので(ただしRAM 32GB、SSD 512GBという構成)、比較的小さめとなっています。

●Source:レノボ・ジャパン 製品ページ

《橋本新義》
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