HDR番長なゲーミングノートROG FLOW X16発表。1100ニトの高輝度ミニLED液晶に高速GPU搭載

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橋本新義

橋本新義

IT系とゲーム系のフリーライター(タイプ:出オチ)

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PCとキーボードやディスプレイなどの周辺機器、スマートフォン、シューティングゲームなどを好むおじさん。隙あれば出オチやネタ、製品にまつわる余談やいい話を組み込もうとして記事が長くなる程度の能力を持つ。アイコンは漫画家『餅月あんこ』先生の筆による似顔絵です。

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HDR番長なゲーミングノートROG FLOW X16発表。1100ニトの高輝度ミニLED液晶に高速GPU搭載
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PCの世界的大手メーカーであるASUS(エイスース)が、360度回転ヒンジを搭載する16インチゲーミングノートPC『ROG Flow X16』2モデルを発表しました。

価格と発売日は、既に販売を開始している上位モデル『GV601RW』が36万9800円(税込)、8月4日発売予定の下位モデル『GV601RM』が31万9800円(税込)。同社のゲーミングPCブランドであるROGシリーズの中でもかなりの高級モデルと位置づけられます。

ただしこのモデル、一般的なゲーミングノートPCとは異なり、GPUやディスプレイのリフレッシュレートが高速であったり、冷却機構の性能が高い、といった点だけが特徴ではありません。注目すべきはディスプレイです。

これら2モデルに搭載された液晶パネルは、バックライトとして直下型ミニLEDを搭載した最新世代の製品。最高輝度が1100ニトという、規格外的な明るさを実現します。加えて、いわゆるクリエイター向けノートPCのような画質仕様と、最高リフレッシュレート165Hzをはじめとする、ゲーミングPCらしい表示速度の仕様を併せ持っているのです。


▲360度ヒンジ搭載機なので、タブレット状での使用も。もちろんタッチ対応です

このディスプレイは、ASUSが2022年にブランディングした『ROG Nebula HDR』に属する仕様。まず特筆すべきは、最大輝度が1100ニト(nit)と、非常に明るい点です。

一般的なスマートフォンの水準は500~600ニト、多くのノートPCも400~600ニト程度。ノートPCの最大輝度という点では現在最高とされるミニLED搭載のMacBook Proでも、継続可能な最大輝度として1000ニト、短期間のピーク時で1600ニトという値です。

本機はピーク時こそMBPに劣りますが、継続時ならば若干有利な仕様となります。そもそも、単体ディスプレイやテレビを含めても、1000ニト以上の明るさが出せる画面はまだまだ少数。そう考えると、本機の凄さがお分かりいただけるはずです。

なお、これだけの輝度を出せる仕様となっているのは、本格的にHDR映像に対応するため。HDRはそもそも「これまでは出せない明暗(=輝度の差)を表現するための仕様」なので、その表現力を高めるには、画面側の最大輝度がマストとなります。

さらに凄いのは、この輝度だけでなく、解像度2560×1600(アスペクト比16:10)、最高リフレッシュレート165Hz、公称応答速度3msと、これらに関しても高水準である点。
色域(色が表示できる範囲)に関しても、デジタル映画仕様であるDCI-P3を100%カバーと、こちらも高レベル。

要は「ミニLED搭載MBPに比肩する輝度と画質でありながら、最高165Hzが出せるディスプレイ」とも呼べる水準というわけです(解像度はMBPのほうが有利ですが)。

その品質は、ディスプレイ業界の標準化団体『VESA』が規定する表示品質仕様『VESA DisplayHDR 1000』の認証をパスします。これは輝度だけでなく、色域やコントラスト比、バックライト輝度変更速度なども規定された「HDR映像を楽しめるディスプレイであることを示す」もの。

これをノートPCでパスする本機は、言わばHDR映像に関して非常に強い「HDR番長」な実力を備える、というわけです。

▲映画を見るのに適した画面パネルと、360度ヒンジの“相性の良さ”も魅力です

さらに、ディスプレイは360度回転ヒンジでの搭載。とくに『テントモード』では、キーボードは使えなくなるものの狭い底面積で設置ができるため、いろいろな場所で映画などを楽しめます(もちろんゲームも)。


▲既発売の外付けGPUボックス『ROG XG Mobile』用端子も搭載。変則的ながらGPU強化が可能です

基本性能に関しても、ディスプレイの充実度と価格に見合っただけの高水準。CPUは8コア16スレッドのAMD製『Ryzen 7 6800HS』を2モデル共通で搭載し、GPUにはNVIDIA製『GeForce RTX 3070 Ti Laptop』(廉価機GV601RMは同3060 Laptop)と、AAA級タイトルも十二分にプレイ可能なレベルです。

さらにGeForce RTX 3080など、より高速なGPUを搭載した外付けGPUボックス『ROG XG Mobile』の専用接続端子も搭載。さらにGPU性能を強化したい場合には、これらを導入して拡張が可能です。

当然ながら冷却機構もこれに見合った充実度となっており、冷却ファンからして3基構成。さらに通気孔も背面側の幅ほぼ全てに加え、右側面側、底面に2箇所の4つを搭載。高負荷時の連続動作でも、安定した冷却性能を発揮します。

▲拡張端子もHDMI出力、USB Type-C(3.2 Gen2、10Gbps)など一通りを備えます

もちろんそのほかの性能も高く、RAMは32GB(DDR5-4800)、ストレージは1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続、GV610RMでは512GB)と、とくにRAMは余裕十分。バッテリーも約7.9時間(JEITA 2.0)と、ゲーミングPCとしては水準以上。実容量も90Whと大きめです。

本体サイズは355×243.5×22.9mm(幅×奥行×厚さ)、本体重量は約2.15kg。高性能CPUとGPUを搭載し、なおかつ重くなりがちな360度ヒンジ搭載機でありながら、一般的な15.4インチ画面のノートPCに近い重量をキープしています。


このようにROG Flow X16は、最先端の仕様を備えた内蔵ディスプレイに、それを幅広く活用できる360度ヒンジ、そしてゲーミングノートとして強力なGPUとCPUを備えた、非常に欲張りなモデル。

本体価格は決して安価ではありませんが、HDR対応が急速に進むAAA級ゲームをはじめ、様々な映像を楽しめる機種として、そしてディスプレイ品質にこだわる映像クリエイターが使うPCとしては、現在最も注目できるモデルと表現しても過言ではない存在でしょう。


●Source:ASUS 製品ページ

《橋本新義》
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